現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 「アロンソにも買ってもらうよ(笑)」F1で提携予定のホンダにも期待【アストンマーティン開発担当に聞く】

ここから本文です

「アロンソにも買ってもらうよ(笑)」F1で提携予定のホンダにも期待【アストンマーティン開発担当に聞く】

掲載 1
「アロンソにも買ってもらうよ(笑)」F1で提携予定のホンダにも期待【アストンマーティン開発担当に聞く】

 アストンマーティンが2023年7月に世界初公開した、ブランド創立110周年を記念するモデルの『ASTON MARTIN VALOUR(アストンマーティン・ヴァラー)』。

 このクルマは、最大出力715ps、最大トルク753Nmを発揮する5.2リットルV型12気筒ツインターボエンジンに6速マニュアル・トランスミッション(6MT)を組み合わせた、内燃エンジン(ICE)時代の最後を飾る1台だ。

アストンマーティン、V12ターボ+6速MT搭載『ヴァラー』を世界初公開。110周年を祝う限定モデル

 さらにその約1年後、アストンマーティンは、同ブランドのF1チームで走るフェルナンド・アロンソの"個人的な依頼"により生まれた限定車『Valiant(ヴァリアント)』を発表し、大きな話題を呼んだ。

 そんなヴァリアントがこの度日本初上陸を果たし、アストンマーティン青山に特別展示されている。それに伴い、アストンマーティンのビスポーク・サービスとしてこのクルマを開発したQ by Aston Martinのトップであるサム・べネッツ氏が来日し、日本メディア向けの取材会を実施。囲み取材や個別のインタビューのなかで、ヴァリアント開発時のアロンソからのリクエストや、2026年からF1でタッグを組むホンダへの期待などを語った。

●アロンソからの挑戦状

──このクルマを開発した経緯を教えてください。

サム・べネッツ(以下、ベネッツ):このクルマは、F1チームのドライバーであるフェルナンド・アロンソからの個人的なリクエストを発端に、公道走行をターゲットにした『ヴァラー』を、より過激なクルマにするために開発した。

『ヴァラー』は、デザインターゲットの90%を公道走行に絞り、残りの10%をトラック走行に充てていたのだが、『ヴァリアント』は真逆の設定で、90%をトラック走行、残りの10%を公道走行向けという方針でデザインしたんだ。

──最初にアロンソからリクエストを受けたときはどのように感じましたか?

ベネッツ:アロンソから、直々の挑戦状をたたきつけられたように感じたよ(笑)。けれど、『これからは、なんだってやっていいんだ』という開放感もあった。

 実際には、僕たち開発チームのファクトリーのすぐとなりにはF1チームもいるので、一緒にCFD(数値流体力学)の解析やパーツ開発の素材などの知見を共有したりしながらともに開発を行った。正直なところ、かなり助けになったと感じているし、F1チームの手を借りられるというのも幸運なことだと思ったよ。

──アロンソは、どのような形で開発に関わっていたのでしょうか。

ベネッツ:最初にアロンソが僕たちにチャレンジ(リクエスト)をしてきて、Q(Q by Aston Martin)はアップデートのイメージを提案した。最初のデザインに彼は満足してくれて、その後は彼自身もデザインの過程を見ていたが、細かな部分をオーダーしたわけではなかったよ。

 そのあとは、彼に走行テストにも同行してもらい、意見交換を行いながら進めていったよ。とくに重視していたのはドライブフィールについてで、トラックでのタイムや速度についてよりも、『マニュアルフィールを最新テクノロジーで味わいたい。F1カーに乗るようにドライブしたい』というようなことをターゲットにして開発した。

 彼のフィードバックはとても明確で驚くほど的を射たものだったのだが、かなり高い目標だったよ。それでも、彼にグッドウッドで乗ってもらった時には、大きく口を開くほどの笑顔を見せてくれたから、満足してくれているんじゃないかな。

──全世界で限定38台生産になるとのことですが、アロンソにはこのクルマをプレゼントするのでしょうか?

ベネッツ:もちろん、アロンソにもこのクルマを手にしてもらう。ただ、それはプレゼントではなくてちゃんと買ってもらう予定だよ(笑)。

 このクルマは、ビスポークサービスで生産する車なので、オーナーの要望に応えたものを届けることになる。過去には、とあるオーナーの『自国の有名な木材をシフトレバーに使いたい』というオーダーにも答えたことがあるし、他にはオーナーが飼われていたペットの体の色に合わせたボディカラーリングを施したこともある。

 こうしたカスタマイゼーションサービスがあるので2台として同じ車は無いし、依頼にはすべて応える。アロンソのモデルも、彼のパーソナリティを組み込んだ特別なモデルになる予定だよ。

●実は『タイプR』好きな一面も。F1で手を組むホンダへの期待

 さらに、囲み取材後の個別取材のなかではさらなる驚きの話も飛び出した。

ベネッツ:実は僕は、過去にホンダで働いていたことがあるんだ。

──そうだったのですね!アストンマーティンがホンダとF1パワーユニットのワークス契約をしたと聞いた時はいかがでしたか?

ベネッツ:僕個人の感想として聞いてほしいが、本当に嬉しく感じたよ。実を言うと、僕は今FK2型のシビック・タイプRやハイブリッドのNSXを所有しているんだ。

 あとは、EK9型のシビック・タイプRや、S2000なんかも大好きだ。とくにホンダのタイプR、そしてホットハッチのモデルを愛しているよ。なので、ホンダは自分のなかでもとても特別な存在なんだ。

 これも個人の回答として受け取ってほしいが、ホンダは世界最高のエンジンを作っていると思う。なので、F1で協力することができれば、アストンマーティンは目標に限りなく近づくことができると思う。

──もしもの話になりますが、ホンダのエンジンを搭載したロードゴーイングカーを作る未来もあるのでしょうか。

ベネッツ:アハハ(苦笑い)、それについては答えられないな。将来のことについては、回答を控えさせていただくよ(笑)

 他にもファミリーカーをスポーティに改造したものを多数所有しているらしく、ホンダでの勤務経験も合わせて日本になじみあるパーソナルを持つサム・べネッツ氏。そんな彼がアロンソからの挑戦をかたちにしてみせた『ヴァリアント』は、アストンマーティン青山に8月30日まで展示中だ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
くるまのニュース
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
Merkmal
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
ベストカーWeb
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
WEB CARTOP
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
AUTOSPORT web
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
レスポンス
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
乗りものニュース
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
ベストカーWeb
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
motorsport.com 日本版
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
くるまのニュース
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
AUTOSPORT web
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
くるまのニュース
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
バイクのニュース
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
レスポンス
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
ベストカーWeb
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
AUTOSPORT web
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
motorsport.com 日本版
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
レスポンス

みんなのコメント

1件
  • kum********
    アロンソに似合いそう!アストンらしさもしっかりあって、且つ現代的なデザインですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村