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リバティCEO、コンコルド協定の議論でF1チーム同士を戦わせることはせず。NFLを手本にスポーツの成長を優先

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リバティCEO、コンコルド協定の議論でF1チーム同士を戦わせることはせず。NFLを手本にスポーツの成長を優先

 リバティ・メディアのCEOを務めるグレッグ・マッフェイは、F1に利益をもたらすはずの新しいコンコルド協定を締結するにあたって、リバティ・メディアがバーニー・エクレストンのように「チームを互いに戦わせる」ことはないと述べている。

 チームとスポーツを結びつける商業、財政、運営面の条件を規定し、定期的に再交渉が行われる非常に重要なコンコルド協定は、F1が次世代のテクニカルレギュレーションを導入する2026年に向けて見直しが行われている。この1年間にフォーミュラワン・マネジメント(FOM)、FIA、そして各F1チームは、新たな協定の調整を徐々に進めてきた。交渉は終わりに近づいており、おそらく最も慎重な段階にある。

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 歴史的にコンコルド協定の話し合いでは激しい議論が行われることが多く、F1の元最高権威者であるエクレストンが操る分割統治戦術に煽られてきた。エクレストンは、各チームが統一戦線を張るよりも、それぞれが商業的権利のより大きなパイを争っている方が、交渉における個々の立場が弱くなることを理解していた。彼の巧妙な戦略には、特定のチームに秘密のボーナスを提供し、グループ内に分裂を生み出し、最終的には単一の組織の崩壊に寄与することが含まれた。

 しかしリバティとFOMは、スポーツの成長には統一されたアプローチが重要であることを認識しており、対立を煽る戦略に頼ることはしないが、だからといって関係者が交渉するなかで困難が生じないというわけではない。

 最近解決された論争のひとつは、1950年のF1創設以来、歴史的な存在感に対してフェラーリに与えられてきた“伝統へのボーナス”だ。フェラーリのライバルたちは大いに不満を抱いたが、F1はこの物議を醸す要素を保持することをいとわなかった。それでも、フェラーリに対するボーナスに上限を設けるという形で妥協が成立した。

 フィールドでは激しい競争が繰り広げられているものの、マッフェイは、協力の重要性を強調している。NFLからインスピレーションを得たマッフェイは、リーグ全体の成長には集団の成功が不可欠であることを認識しており、オフシーズン中の話し合いにおいて協力的な精神を持ち続けている。

「前の体制では、チーム同士が競い合うことに多くの時間が費やされていた」と、マッフェイは先週モナコで開催されたイベント『F1 in Depth』で語った。

「多くの場合、彼らはスポーツを成長させる方法を考えるよりも、相手よりも優位に立って得をしようとしていた」

「我々は、ある意味ではアメリカのNFLを手本にしようとした。日曜日には激しく競い合うが、月曜日にはリーグが優先されるということだ。我々はともにスポーツを成長させたいと本当に考えている」

「チームはそれを受け入れ、利益を得た。なぜなら、F1の収益とチームのスポンサー料の利益のシェアが伸びただけでなく、チームの価値も高まったからだ」

 マッフェイは、協業のための論拠を強めようと、F1の最近の商業的ブームと予算上限制が、チームの財政にプラスの影響を与えていることを指摘した。これらふたつの要因が組み合わさることで、F1はこれまでで最も健全な財務環境を作り出し、将来の成長のための強固な基盤を確立した。

「2016年後半に我々が参入し、2017年1月に最初の投資をクローズしたとき、下位のチームは文字通り無価値だった。マノーはその前年の夏に1ポンド(約201円)で売られていた。そして現在は、10億ドル(約1573億円)を下回るチームはないし、それ以上の価値があるかもしれない。彼らはその規模で資金を調達している。F1の価値が高まったのと同様に、チームの価値が非常に大きく成長したのを目にしてきた」

「実際、チームの価値はもっと上がっているかもしれない。それが重要だった。我々に必要だったのは、投資のメンタリティと、真の価値を持てるフランチャイズ・チームであるというメンタリティを持つことだった。そして今ではそれが実現した」

 リバティは協力的なアプローチを支持しているが、マッフェイは交渉の最終段階が完全に順風満帆とはいかないことを承知している。

「争うべき課題があることは確かだ。そして驚いたことに、彼らはもっとお金を稼ぎたいと考えている。私は彼らにそうさせるのを嫌だと思っていない。彼らが望んでいるように、その一部は我々のポケットから出てくるのではないかと私は疑っている。しかし全体的に、彼らは我々が長期的な視点で物事を進めてきたことを高く評価している。我々は、全員がともに利益を得るべきだという見解を持とうとしている」

文:AUTOSPORT web
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