“バイクでソロキャンプ”荷物の量を決める大型シートバッグの選び方【初心者は大きいサイズを選ぶべし】
自分一人分の荷物をバイクに積んで、気の向くままに時を過ごせるソロキャンプスタイルは、他の手段では得られない格別な”自由”を堪能できるのだという。では何をどうすればその自由を手に入れられるのか? 本記事ではテントの選び方について取り上げる。「キャンプが目的で旅はしない。それに晴れの日しか使わない」というのであれば、ぶっちゃけバイクに積めれば粗悪品でもなんでもいい。しかし、旅をすると設営条件が選べないことも多く、また雨の日もある。バイク旅にはバイク旅に使いやすいテントがあるのだ。
――
―― 【ガイド役:谷田貝洋暁】登山/自転車/カヌーによるキャンプ歴が、バイク歴より随分長いライター。運ぶ荷物が限られる縦走登山からの反動か、バイクキャンプはとにかく大荷物。
初心者は張りやすさを重視しよう!
ひと口にテントと言っても、登山用/大型のファミリー用/値段は安いがオモチャみたいなアイテムまで様々だ。たとえば登山用は、背負って歩くことを前提にしているためとにかくコンパクトで便利。しかしその一方で、風を防ぐため天井が低かったり、ストイックすぎて値段が高かったりと一長一短。ではバイク旅で使いやすいテントはどんなものか? “ある程度雨風にきちっと耐え、かつ居住性がいいこと”となる。コンパクトさについては車種やバッグの容量にもよるが、登山のように背負って歩くワケではないので、とにかく荷物を減らしたいということでなければ、そこまでこだわらなくても平気だろう。
◆選び方その1:初心者は自立式を選ぶ
パップテント/モノポールタイプ/ハンモック式など、アウトドアブームのおかげで色々な種類があるが、まず大事なのは初心者なら自立式のドーム型のテントを選ぶことだ。自立式とは読んで字の如く、テント単体で自立が可能なテントのこと。逆に非自立式とは、ペグダウンして張り綱で引っ張らないと張れないテント。つまり設営条件が悪いとそもそも張ることができないテントで利便性に劣る。
―― 2本のポールを弓形にしならせてテントの生地で固定&自立させるドーム型テント。自立するので展開した後にちょっと持ち上げて移動することも可能だ。
―― しっかりとペグダウンできる場所がないと張ることができないモノポールタイプ。キャンプのみが目的ならいいが、旅するとなると場所を選ぶテントは使いにくいことも。
◆選び方その2:広さ
ヘルメット/ブーツ/積載バッグとライダーは荷物が多い。きっちり一人用のテントを選ぶと、これらの荷物を置く場所に困ることになる。少なくとも2人用、山岳用ならせめて3人用を選んでおくと、快適な居住スペースが確保できる。
―― 寝るだけなら自分の肩幅ぐらいのスペースがあればいいが、荷物を置くならせめて肩幅の倍。快適性を求めるなら+100cmぐらいは欲しい。
◆選び方その3:通気性
暖かい季節の平地でしかキャンプしないというのであれば、断熱性よりも涼しさの方が重要。熱がこもるので本体はフルメッシュでもいいくらいだが、せめてメッシュスクリーン付きのモデルを選びたい。また、前後両開きだと風が抜けて快適。
―― 生存が優先される登山用テントは保温性第一で平地で使うと暑すぎることも。バイク旅なら保温性よりも、まず通気性だ。
◆選び方その4:雨天時の居住性
内部の結露防止のために、本体の外側にフライシートを張り二重構造にするのが主流。この本体とフライシートの隙間のスペースが前室で、雨天時に濡れものを置いたり、食器やゴミ袋などが置けるためかなり便利。当然広い方が居住性が高くなる。
―― 雨が降ったから走りたくない! そんな日も居住性が高ければ、炊事もできるしくつろげるのだ。
◆選び方その5:収納性
キャンプグッズのなかでもわりと大きな荷物となるテント。ただ生地の厚みや量でかなり収納性が変わる。手前の緑の袋は1人用の山岳テントとポール。奥は大きな前室を持ったツーリングテントST-II。テントひとつでここまで大きさが違う。
―― 軽量コンパクトということはそれだけ内部が狭かったり、生地が薄く丁寧な扱いが必要になるということ。バランスが大切なのだ。
◆選び方その6:前室の広さ
最近のツーリング用テントの流行は、前室部分を大型化し、土間スペースを大きくとること。雨の日には、ここで煮炊きをしたり、レインウエアを着たりできて便利。とくに天気を選ばず旅をするなら、テントにある程度の居住性は求めたいところだ。
―― 靴やヘルメットならまだいいが、ゴミや汚れた食器などは室内に入れたくないもの。前室があればそれらが置けるし、いちいち炊事道具を片付ける必要もない。
◆選び方その7:天井の高さと出入り口
天井は高いほど居住性がよく、120cmもあれば相当快適。一方、風対策重視の山岳用は、天井が低く、中には体育座りできないモデルもある。また出入り口は長辺側に開口部がある方が断然出入りがしやすく、前後にあると複数人で使うときに便利。
―― 高さが100cmなら中央でなんとかあぐらで座れるくらい。120cmあれば立膝で内部を移動することが可能だ。
おすすめ自立式テントカタログ
◆デイトナ ツーリングテントST-II
ツーリングライダーから絶大な支持を得るオガワのステイシーST-IIがベース。布面積が多く、ポールも多いためちょっと収納サイズは大きめだが、この大きな前室はかなり魅力的。荷物置き場にするのはもちろん、内部でレインウエアを着たり炊事をすることも可能。また天井も高く、室内も奥行き150cmと2人で使用することも十分可能。
―― 【デイトナ ツーリングテントST-II】●居住空間:D150×W220×H120cm ●収納サイズ:44×21×21cm ●重さ:約3.9kg ●色:緑 明茶 ●価格:4万6200円[デイトナ]
―― テントの前にD110×W220cmという大きな前室を持つ。夜間はテーブルもチェアもしまえて、雨天なら内部で炊事も可能。
―― 老舗テントメーカー・オガワとのコラボレーション品で仕様はオガワのST-IIそのまま。アフターサービスも万全だ。
◆モンベル クロノスドーム2型
日本のアウトドアメーカー・モンベルが無雪期の登山用からカヌーやツーリングなどを想定して作ったテント。2型は2人用という意味だ。特徴は天井でクロスする2本のポールのレイアウトを工夫することで、広い天井を実現していること。天井は105cmと低めだが、このポールレイアウトのおかげで天井の低さを感じさせない。
―― 【モンベル クロノスドーム2型】●居住空間:D130×W230×H105cm ●収納サイズ:35×φ17cm/44×φ6cm ●重さ:2.43kg ●色:橙 青 ●価格:2万5080円[モンベル]
―― 吊り下げ式で設営も簡単で通気性も考慮。出入り口は片側だけだ。
―― 天井のポールを直交に近い形でクロスし、頭頂部の空間を広くする工夫がされている。
◆コールマン ツーリングドームST+
テント内部の温度上昇を防ぐべく、白いフライシートで日光を反射するとともに、光の透過を90%カットする”ダークルームテクノロジー”を採用。また前後のダブルドアに加え、奥行き105×210cmの前室を備えており、キャノピーを別売のポールではね上げればタープ代わりにもなる。2万円を切る価格も非常に魅力的だ。
―― 【コールマン ツーリングドームST+】●居住空間:D120×W210×H100cm ●収納サイズ:49×φ19cm ●重さ:約4.3kg ●色:白 ●価格:1万9800円[コールマンジャパン]
―― 内部は黒い生地となっており、外光をシャットアウト。朝はゆっくり寝ていたいという人にオススメ。
―― 奥側2か所のボール差し込み部はスリーブ状になっているため、1人での設営も楽々行える。
◆テントファクトリー TCドームテント2
インナーテントをフルメッシュ構造とし、涼しさを追求したテント。奥行きは140cmと広めで、前室も70×210cmとヘルメットや靴を置くスペースとしては活用可能。出入り口は片側だけだが、値段は2万円台前半と手頃で収納サイズも小さめ。バイクツーリングにおける最初のテントとしてバランスよくまとまっている。
―― 【テントファクトリー TCドームテント2】●居住空間:D140×W210×H105cm ●収納サイズ:48×17×17cm ●重さ:4.2kg ●色:緑 明茶 ●価格:2万1780円[テントファクトリー]
初心者向けではないけど、こんなテントもある!
◆オガワ タッソ
大型のモノポールタイプのテントの中にもなんとかバイクで運べそうなモデルもある。オガワのタッソは、ポールの畳み長さが71cmとちょっと長いが、その積載条件さえクリアできれば、超大型のくつろぎ空間が手に入る。しかもこのモデルはポールの高さを変えることで、五角形/六角形/八角形と様々な張り方が可能。
―― 【オガワ タッソ】●居住空間:W370-480×H195-250cm ●収納サイズ:74×22×22cm ●重さ:約6.8kg ●色:茶 ●価格:4万3780円[キャンパルジャパン]
―― ポールは中央部に1本だけで、内部で立って歩ける居住性は魅力的。インナーテントは別売。
◆オガワ エアーフレームテント ムース
テントはポールの組み立てが難しそう…という方には、布地を広げてペグダウンしたら、エアポンプで膨らませるだけのエアフレームテントムースはいかが? 収納サイズ的にはなんとかバイクに詰めそうな雰囲気。吊り下げ式のインナーテントを外せばシェルターとしても利用可能だ。
―― 【オガワ エアーフレームテント ムース】●居住空間:D185×W230×H125 ●収納サイズ:50×27×27cm ●重さ:5.3kg ●色:橙 ●価格:3万9600円
―― 50×27×27cmの畳寸法はエアポンプも込みの大きさ。アドベンチャーツアラーならなんとか積める
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みんなのコメント
まぁ今のご時世ならではの流行なんだろうけど、こういうキャンプのブームの裏にマナーの悪い人が多いのもあえてカーサイトで取り扱ってほしいな。
ゴミだけでなく飲食物の食べ残しコンロやテントを捨てていく輩もいるみたいだし、河川の砂防ブロックを引っこ抜いて台にしているっていうのも最近あったし。
キャンプ場中にはキャンプ場でないところでキャンプする人もいるけどどうやってその場所まで来るかと言えば車なりバイクだろうし。