Renault Megane R.S. Trophy R
ルノー メガーヌ R.S. トロフィー R
ルノー、“量産FF最速”の「メガーヌ R.S. トロフィー R」で鈴鹿のラップタイムをまたも更新!
ニュルの“FF最速”、西の横綱
ルノーは、2019年11月26日に「メガーヌ R.S. トロフィー R」で日本の鈴鹿サーキット(全長5.8km)を2分25秒454でラップ。速度記録を更新するとともに、同モデルを2020年1月に日本プレミアするとアナウンスした。
“量産FF最速”の称号を争う西の横綱、ルノー・メガーヌ R.S.。メガーヌとしては2世代目のモデルより、モータースポーツのスペシャリスト集団ルノー・スポールが鍛え抜き、“R.S.”のエンブレムを与えられた特製ホットハッチは、世界一過酷なサーキット・ニュルブルクリンク ノルドシュライフェ(北コース)の速度記録を幾度も塗り替えてきた。
ルノースポールがニュルブルクリンクで初めてコースレコードに挑んだのは2008年。2代目メガーヌの特別モデル「R.S. R26. R」が量産前輪駆動車最速の8分17秒を記録した。2011年には第2世代へ進化した「R.S. トロフィー」で、開発ドライバーにして“FF最速記録エキスパート”のロラン・ウルゴンが8分07秒97をマーク。2014年は3代目ベースの「R.S. トロフィー R」で8分の壁を突き破り、7分54秒36を達成している。
10年で30秒以上タイムを短縮
そして2019年4月5日、4世代目となる現行R.S.の「トロフィー R」は、ついに全長20.600kmの“緑の地獄”を7分40秒100で走破。“量産FF最速”のチャンピオンベルトを、当然のように取り戻している。
たった10年の間に、ニュルブルクリンクのラップタイムを30秒以上短縮したメガーヌR.S.は、4世代目の「トロフィーR」でいよいよ不動の貫禄を備えたように見える。2019年7月24日には、高速セクションの多いことで知られるフランスのスパ・フランコルシャンで、1周4.35マイル(約7km)を2分48秒338でラップし、新たな記録を刻みつけた。
先代トロフィーRを上回るというミッション
そして21019年11月26日、メガーヌ R.S. トロフィー Rは、三重県・鈴鹿サーキットで新しい歴史を作った。
「新型モデルが目指したのは、旧型トロフィーRをすべてのサーキットのあらゆるコーナーで上回ること」 ルノー・ジャポンのマーケティング部チーフプロダクトマネージャーのブレン・フレデリックは説明する。
歴代メガーヌの中で最速だった旧型トロフィー Rを超える。その難題をクリアするために掲げた三本の柱が「軽量化」と「空力性能の最適化」、そして「究極のサスペンションシステムの採用」だった。
Light is Right!
新型トロフィー Rの車重は1306kg。ベースとなるメガーヌR.S. トロフィーから削り取った車重はじつに130kgにおよぶ。1.8リッター直列4気筒直噴ガソリンユニットの最高出力は300hpであり、パワーウェイトレシオは4.35kg/hpとなった。
サーキット専用車ではなく、あくまでロードモデルとしての快適性や実用性を重視しなければならないモデルの車重を130kgも削るのは本当に難しい。4コントロールと呼ぶ4WS(4輪操舵システム)を外してマイナス38kg、リヤシートを撤去してマイナス25.3kg、サベルト製のコンポジットモノコック材シートの採用で一脚マイナス7kg。6速マニュアル トランスミッションを採用したのも、もちろん施策の一環だ。
NACAダクトを設置したボンネットやリヤディフューザーはカーボン製とし、アクラポビッチ製チタンエキゾーストの採用でもおよそ6kgを削減。ポジション/フォグ/コーナリングランプとして機能する「R.S.ビジョン」の代わりにエアインテークを設置することでさらに軽量化を図るとともに、オーバーハングのマスを軽減。もちろん遮音材を外し、ガラスを薄くし、リヤドアウインドウを固定式とし、リヤウインドウのワイパーも外したうえ、通常8.7インチのマルチメディアスクリーンを7インチに縮小(250gの軽量化!)した。
シャシーも全面的に強化
軽くなった分、車体を安定させるため(特にリアセクション)の空力性能改善は必須要件となった。専用のフロントバンパーから、可能な限りフラット化したアンダーボディ、F1タイプの湾曲した構造のリヤディフューザーなどを採用。ボンネット上のNACAダクトやブレーキ用のエアスクープなど、コンポーネント類の冷却効率も最大限に高めている。
サスペンションもジオメトリーから全面的に見直した。前輪のネガティブキャンバーを各1°、合計2.05°拡大、リヤのトーションビームも軽量化。トルセンLSDやオーリンズ製の車高調整式ダンパー、専用設計のブリヂストン・ポテンザS007タイヤ(245/35R19)、ブレンボ製のブレーキは、オプションで390mmディスクと44mmピストンのキャリパーを備えるカーボンセラミックブレーキもフロントに用意した。
右ハンドル仕様でのチャレンジ
かくして、先代トロフィー Rをすべての面で超えるという仕様書の最重要項目をクリアして生まれた最新の強化選手は、ニュルブルクリンク、スパ・フランコルシャンに続き、「ルノースポールがタイムアタックをすべきもうひとつの舞台」として選ばれた鈴鹿サーキットにやってきた。アタッカーはもちろんルノー開発ドライバーのロラン・ウルゴンその人だ。
「鈴鹿で走れることは私にとって大変光栄なことです。本日は(ニュルブルクリンク、スパ・フランコルシャンとは違って)右ハンドル仕様のトロフィー Rということで、チャレンジングなクルマでチャレンジングなサーキットに挑むことになります。ベストを尽くすつもりです」
じつはルノーは、いまから約9ヵ月前の2019年2月、現行トロフィー Rの開発段階で、試験車両を鈴鹿へ持ち込んでいる。テストドライバーのロラン・ウルゴンはもとより、国内トップドライバーとして鈴鹿サーキットを知り尽くした谷口信輝も随伴し、量産前のテストが寒空の下で行われた。クルマを熟知したロラン・ウルゴンとトラックを熟知した谷口信輝が、互いの知見とノウハウとテクニックを共有しあったという。その経緯もあり、今回のタイムアタックの現場には谷口選手も同席した。
今回のアタック前日、11月25日は調整日として事前のセッティングに供されたが、気温も高く、かつ今回のアタック車両の総走行距離が1500kmに達していないという不利な条件が揃っていた。
「今回は新車過ぎてテストに向かないのでは。そう思いました」(谷口選手)
タイムアタック車両は、オドメーターが3~4000kmは刻んでいるのが通常という。25日は車高やタイヤの空気圧、アライメントなどあらゆる部分で調整を重ね、ベストなセッティングを探り、試し、テストを繰り返した結果、2分26秒台が良い線ではないか。エンジニアやドライバー、ベテランのスタッフの読みはそのあたりだったそうだ。
来た、見た、また勝った
タイムアタック当日の2019年11月26日、空には分厚い雲が垂れ込めていた。開始時刻は14時。気温は12.6度、風速0.4m/s、湿度65%。コースは完全なドライ。
「コンディションは悪くなさそうだね」
集まった取材陣が寒そうに肩をすくめつつ囁き合う。
アウトラップの様子を固唾を呑んで見守るピットの中で、拍手が起こったのは14時5分31秒。ディスプレイ上には「2’ 25.961」のラップタイムが表示されていた。2分26秒台と想定していた数字を難なくクリア。アタックはこれにて無事終了。そう思われた。
ところがこれで終わらなかった。
一度目のアタックを終えてピットに戻ってきたロラン・ウルゴンは言う。「再チャレンジしたい」 右ハンドルというあまり馴染みのないレイアウトが、さしもの名ドライバーをしてシフトミスを誘発したようだ。
2度目のチャレンジでは2分25秒749をマーク。着実にタイムはあがった。ふたたび拍手が起こるピット内。2月に実施したテスト車両の記録と比べても、ほとんど僅差につけていたようだった。ところで、実験車両と量産車量はある意味では違う機械といっていい。サーキット走行を目して針の穴に糸を通すように設計されたテスト車に比べると、エアコンやオーディオも備え、しかも公道も走れるナンバー登録可能な仕様の量産車両は、いかにも記録づくりという点では前提条件からして不利なのだから。「僅差なら万々歳、勝ったも同然じゃないか」 そう思った。
しかしそれで納得しないのが、モータースポーツの世界を生きてきた人間の性なのかもしれない。
2分25秒656。谷口信輝が2番手としてアタックすると、タイムはさらに更新された。ピットがざわつく。ロラン・ウルゴンはいまだレーシングスーツを着たままだ。アタック開始から1時間以上が過ぎた頃、メカニックの面々が特別なカーボンホイールを、ニュータイヤを装着した標準のアルミホイールに付け替え始める。時間は15時30分を過ぎようとしていた。コースの占有は16時まで。ふと“FF最速アタッカー”を見やると、すでにヘルメットを装着し、ドアハンドルに手を伸ばしている。
これが最後のアタック。ピットに集まった全員が暗黙のうちにそう思いながら、ディスプレイを食い入るように見つめていた。
セクター1を通過。40秒607。今日のベストを更新する。ワッと歓声があがった。セクター2。24秒651。またも区間新。ピットにいる全員が固唾を呑む。コース占有時間が残り5分を切った16時56分45秒、今日のベストラップが煌々と表示された。
2分25秒454。
現行メガーヌ R.S. トロフィーRが2019年11月に鈴鹿サーキットに刻んだベストラップは、またも記録を塗り替えた。しかも大幅に。最高速は206.7km/h、平均速度は143.7km/h。先代のトロフィーRが2014年11月に鈴鹿サーキットで記録したラップタイムは2分28秒465だった。
アタックモデルは2020年1月に日本発売
ルノー・ジャポンは、今回鈴鹿サーキットアタックを行った「メガーヌ R.S. トロフィー R」を2020年1月に開催する東京オートサロンで日本発表するとアナウンスしている。
世界限定500台となる特別仕様車は、日本への割り当てはおよそ50台となる。その500台中、わずか30台は「カーボンセラミック パック」と呼ぶ、セラミックブレーキやカーボンホイールを備えたエクストラ仕様となるが、こちらの日本販売分は“数台”とのこと。
日本での販売価格は東京オートサロンで行われる発表イベントで公表されるが、参考までに、欧州仕様の価格は5万5000ユーロ(約660万円)からという設定である。
日本はルノースポールモデルの熱狂的ファンの多いことで知られている。市場規模はフランス、ドイツに次ぐ第3位という。シャシーカップなどハードなモデルになればなるほど「即完売」の札があがってきた過去の例を繙くまでもなく、「メガーヌ R.S. トロフィーR」の購入を迷う余裕はあまり与えられないだろうことは想像に難くない。2020年の東京オートサロンは1月10日に開幕する。
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