現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > アウディ、2023年限りでスポーツカーレース活動&サポートを終了か。2026年からのF1参戦にリソースを集中

ここから本文です

アウディ、2023年限りでスポーツカーレース活動&サポートを終了か。2026年からのF1参戦にリソースを集中

掲載 更新 5
アウディ、2023年限りでスポーツカーレース活動&サポートを終了か。2026年からのF1参戦にリソースを集中

 motorsport.comの姉妹サイト『Motorsport-Total.com』によると、アウディは2026年のF1参戦へ向けたプロジェクトを優先すべく、2023年シーズン限りで「アウディスポーツ・カスタマーレーシング」を終了する見込みであることが分かった。

 アウディは2020年にクラス1規定下のドイツ・ツーリング選手権(DTM)、2021年にはフォーミュラEから撤退。2022年のLMDhプロジェクト中止に続いて、カスタマーレースプログラムが幕を閉じることになりそうだ。

■来季スタートのWEC新クラス『LMGT3』、ハイパーカー参戦メーカーにエントリー優先権?

 アウディのマルクス・デュエズマンCEOは、BMWザウバー時代にチームの開発を統括していたこともあり、2020年に同社の指揮を執って以降、アウディのF1参戦を強く希望していた。

 アウディとしてF1に挑むという彼の夢は2022年8月に、2026年シーズンからパワーユニットマニュファクチャラーとしてF1参戦を発表するという形で実現した。

 そしてアウディはシャシーパートナーに、現在はアルファロメオブランドで走るザウバーを選択。2026年からの参戦に向けて、アウディはドイツ・ノイブルグのモータースポーツ活動拠点「コンピテンスセンター・モータースポーツ」を拡張し、外部技術者を含め専門スタッフを招集している。

 複数の情報筋によると、デュエズマン率いるアウディの取締役会はF1参戦が決定するずっと前の2021年時点で、既にF1プロジェクトに全力を注ぐことを決定していたという。

 そして2022年末には、2023年シーズン終了後にカスタマーレーシング部門を閉鎖する指示が出されたようだ。ここにはGT2、GT3、GT4クラスの『R8 LMS』や『RS 3 LMS』のTCRプログラムが含まれている。

 2021年に取締役会がモータースポーツ部門のリソースをF1に集中させることを決定した一方で、アウディのダカールラリープログラムは2024年も継続されると考えられている。

 アウディは2022年から電動ドライブトレインの『RS Q e-tron』をダカールに投入してきたが、今のところ期待したような成果は得られていない。加えて、初代RS Q e-tronの寸法が当初の仕様に適合していなかったことで2023年に向けて新型RS Q e-tronを製造した作業もあり、予想以上の開発コストが発生している。それでも、アウディは2024年に世界ラリーレイド選手権へフル参戦する計画さえ立てている。

 F1やダカールプログラムとは対象的に、2020年12月から2022年8月までアウディスポーツのトップを務めたユリウス・ゼーバッハは、2022年と2023年のアウディカスタマーレースプログラムの予算を既に削減していた。

 ゼーバッハの後任としてロルフ・ミヒルがアウディスポーツのトップに就任し、カスタマーレース活動の未来にも光が差したようにも思われたが、彼の努力は実らず……アウディのカスタマープログラムは取締役会が状況を見直さない限り、終焉を迎えるようだ。

 市販車のアウディ『R8』の生産は既に2024年初頭に終了することが決定しており、継続へ向けた希望はますます失われている。同じフォルクスワーゲングループ内のプラットフォームを活用した、R8後継モデル開発の話が出ているのが唯一の救いだろう。

 アウディのカスタマー部門は、2022年に290の個人優勝と76のタイトルを獲得するという偉業を達成。その年にアウディは300台目のR8 LMS GT3を生産し、最も成功したGT3マシンのひとつとなった。しかし、カスタマー部門の未来は依然として脅かされている。

 アウディスポーツ・カスタマーレーシングの将来についてコメントを求められた広報担当は、声明で次のように語っている。

「2023年のカスタマーレース活動におけるモータースポーツプログラムは決まっていて、ニュルブルクリンク24時間レース、スパ24時間レース、GTワールドチャレンジ、TCRワールドツアー、DTMで実施される」

「カスタマーレース活動のさらなる発展とダカールプロジェクトに関しては、現在協議中だ。決定が下され次第、チームやパートナーにお知らせする」

 仮にアウディのカスタマーレース部門が正式に廃止となると、アウディのファクトリードライバー計14名が居場所を失うことになる可能性が高い。この中には、元F1ドライバーであるマルクス・ヴィンケルホックや、クリストファー・ミース、クリストファー・ハーゼ、DTMドライバーのリカルド・フェラーが含まれている。なお、ケルビン・ファン・デル・リンデとロビン・フラインスは2023年初めにアウディを離れている。

 さらにカスタマーレース部門は、アウディスポーツGmbHとして80名近くを雇用している。

 とはいえ、仮にプログラム終了の発表があったとしても、今後数年間、アウディがGT3レースに一切姿を見せないとは限らない。理論的には、スペアパーツの生産やエンジン、トランスミッションのコンポーネントサービスを他社に委託することは可能だろう。

 しかし、DTMや主要な耐久レースでアウディがワークス体制でサポートする時代は終わりを告げる。チームにファクトリードライバーを提供することも、マシンに新たなアップデートを投入することもなく、いずれアウディはスポーツカーレースから完全に姿を消すことになるかもしれない。

こんな記事も読まれています

寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
motorsport.com 日本版
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
バイクのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
カー・アンド・ドライバー
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
くるまのニュース
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
くるまのニュース
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
くるまのニュース

みんなのコメント

5件
  • アウディのイメージ的に、パワーユニットだけだとブランドイメージが湧かないかなぁ…やはりラリーやルマン、DTMなど、トータルでこそ魅了を感じる。
  • F1は構わないが、何も金字塔のR8まで全部辞めなくてもねえ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村