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フェラーリがサーキット走行専用モデルの488GT3 Evo 2020をベースとしたワンオフモデルを発表

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フェラーリがサーキット走行専用モデルの488GT3 Evo 2020をベースとしたワンオフモデルを発表

 伊フェラーリは2023年7月11日(現地時間)、スペシャルプロジェクトによって製作された最新のワンオフモデル「フェラーリKC23」を発表した。

 熱心なフェラーリ・コレクターの依頼に応え、フラヴィオ・マンゾーニ氏率いるフェラーリ・スタイリング・センターが3年あまりの時を費やして完成させたKC23は、高性能な3.9リットルV8ツインターボエンジンをミッドシップ配置し、数々のサーキットで勝利を収めた488GT3 Evo 2020のアーキテクチャーをベースに、「未来のクローズドホイールレーシングカーはこういった姿かもしれない」という大胆で過激なビジョンを具現化したことが特徴である。

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 エクステリアは488GT3 Evo 2020のシャシーを基調に、1 個の金属の塊から彫り出されたかのような一体感のある美を追求してデザイン。両サイドのエアインテークはエンジンを始動すると自動で開き、使う目的によって姿を変える生き物のような印象を与える。また、リアウィングは取り外しが可能で、トラック内ではアグレッシブな、コース外ではクリーンで端正なラインを強調。フェラーリは前仕様をDynamic、後仕様をStaticと呼称している。

 一方、ボディ表面は滑らかで継ぎ目のないように処理し、鋭角な部分を最小限にまで削減。時の試練に耐えるアイコニックで未来的なデザインを追求する中で生まれた、無駄のないしなやかでピュアな美しさを引き立てる。ガラス面とボディワークをシームレスに一体化し、ピラーもフレームもシールも見えず、航空技術から生まれたドームという印象を演出したこともトピックだ。また、フロントタイヤ後方のパネルからはフェンスが現れ、これがフロントのダウンフォースを高めて車両全体の空力バランスを創出。そしてリアのパネルからはインテークが現れ、ここからインタークーラーと補機類、エンジンに適切な量の空気が供給される。

 ドアには1カ所の前ヒンジで上方へと開くシザーズタイプ(フェラーリはバタフライドアと呼称)を採用。さらに、ボンネットはクラムシェル形状で構成し、メンテンナンス性を考慮して2本のピンを外すだけで開く仕組みとする。また、前後ランプを新たにデザイン。とくにテールランプは「フェラーリ・ビジョン・グランツーリスモ(Ferrari Vision Gran Turismo)から着想を得た、メタクリル樹脂製のライトブレードを配備している。

 ボディカラーも要注目。4層のアルミニウムペイントで実現した“ゴールド・マーキュリー”と称するスペシャル塗装を纏う。塗料に液体金属を含むため、日光を受けると驚くほど明るく輝き、また当たる光の種類や角度によって色が目まぐるしく変化して見えるという。

 足回りに関しては、専用セッティングのサスペンションに2種類の専用設計ホイールを装着。1つは18インチホイールで、サーキット走行向けに開発。もう1つは静止状態での展示用で、フロントに21インチ、リアに22インチを採用している。

 コクピットについてはベース車を基本的に踏襲した、無駄を削ぎ落としたレーシーなデザインを導入。一方、パッセンジャー側のドアパネルとダッシュボードの仕上げにはオリジナルのアレンジを施し、またシートにはアルカンターラを張った専用バケットタイプを装着する。シートバックには専用ロゴを電気融着で入れた。さらに、後方視界はビデオカメラシステムで確保。これにより伝統的なサイドミラーを排除して、流麗なサイドボディのラインを創出するとともに、エアロダイナミクスの向上を果たしている。

 なお、フェラーリKC23は本年7月13日~16日(現地時間)に開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに出展。その後、本年8月1日~10月2日(現地時間)にかけて伊マラネッロのフェラーリ・ミュージアムにおいて展示されるという。

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