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欧州で安全性評価の高いクルマ 30選 厳しいユーロNCAPで「5つ星」獲得したのは?

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欧州で安全性評価の高いクルマ 30選 厳しいユーロNCAPで「5つ星」獲得したのは?

欧州の交通安全機関ユーロNCAPは、1997年から自動車の衝突試験を行っている。欧州における新型車の発売時には、必ずと言っていいほど同機関により衝突安全性がテストされ、その内容と結果が一般に公表される。

万が一の事故の際に大人と子供の乗員をどれだけ守れるか、また、命を守るための車載技術がどの程度備わっているかが採点対象となる。現在、ユーロNCAPで最高得点の5つ星を与えられているクルマを30台ピックアップして紹介しよう。

【画像】ユーロNCAPで最高評価を獲得した日本車【レクサスNXやスバル・フォレスターなどを写真で見る】 全92枚

レクサスNX

2022年に欧州で発売されたNXは、大人乗員保護性能91%、子供乗員保護性能87%と評価され、先代モデル同様5つ星を誇っている。第3世代のレクサス・セーフティ・システム+は、NXの全車に標準装備される。前方に歩行者がいる場合はドライバーに警告を発し、渋滞に対応したアダプティブ・クルーズコントロールも備わっている。また、カメラとレーダーを使って道路を監視し、事故の軽減・防止を図っている。

メルセデス・ベンツCクラス

2002年以降、CクラスはユーロNCAPの安全性評価で5つ星を獲得し続けている。2022年からは、歩行者をはねたときにクッションとなるアクティブ・ボンネットを採用。また、前方のクルマの動きを感知して速度を自動的に調整する「ディストロニック」や、さらに多くのセンサーを搭載する「ドライビング・アシスト・プラス・パック」を用意。衝突の危険を感知すると、必要に応じて回避行動もとる。大人乗員保護93%、子供乗員保護89%と評価されている。

クプラ・ボーン

ボーンは、フォルクスワーゲン・グループ傘下でスペインの自動車ブランドであるクプラ初のEVで、大人乗員保護93%、子供乗員保護89%と評価されている。アダプティブ・クルーズコントロール、自動ブレーキ付き前方衝突警告、道路標識認識、ドライバーアラートシステムなど、さまざまな機能を標準装備している。プラットフォームを共有するアウディQ4 eトロン、フォルクスワーゲンID.3およびID.4、スコダ・エンヤクiVと同じように、ユーロNCAPで5つ星を獲得した。

ボルボXC40

ボルボは常に安全性を強調してきたメーカーであり、XC40では歩行者や大型動物を検知する自動緊急ブレーキや、対向車線にはみ出した場合に自動的に車を後退させるシステムなど最新の安全技術に力を入れた。大人乗員保護で97%、子供乗員保護で87%と評価され、総合評価5つ星を獲得している。

キアEV6

EV6には、前方の道路状況を感知する前方衝突回避アシストに加え、カーブで自動的に速度を下げるインテリジェント・クルーズコントロールが搭載されている。上位モデルの「GTライン」を選ぶと、ブラインドスポットモニター、駐車時の衝突回避を支援する半自動駐車、高速道路走行支援、ヘッドアップディスプレイが装備される。キアEV6はユーロNCAPの安全性テストで、大人乗員保護90%、子供乗員保護87%の5つ星を獲得している。

フォルクスワーゲン・マルチバン

ユーロNCAPはマルチバンのPHEVモデルであるeハイブリッドをテストし、MPV(ミニバン)としては印象的な5つ星評価をつけた。車載の安全技術には、前方に何かが飛び出した際、ドライバーのブレーキ操作が間に合わない場合に介入する自動緊急ブレーキや、速度・道路標識認識、車線維持支援などが含まれる。

また、「スタイル」グレードを選択すると、ブラインドスポットモニターやリア・クロストラフィック・アラートが装備され、駐車スペースからバックで出る際に他車が横切った場合に警告を発する。大人乗員保護で90%、子供乗員保護で89%という評価を得ている。

フォルクスワーゲン・ポロ

2009年以来、フォルクスワーゲン・ポロはユーロNCAPの安全性評価で5つ星を獲得してきた。2022年からは、すべてのポロに、低速走行時に歩行者を検知する自動緊急ブレーキ、ブラインドスポットモニター、リア・クロストラフィック・アラートが搭載されている。また、DSG搭載車には、ドライバーの操作を最小限に抑えながら低速走行中の先行車に追従する「ストップ&ゴー」機能が装備される。ユーロNCAPは、大人乗員保護94%、子供乗員保護80%の評価を与えている。

フォルクスワーゲン・タイゴ

2022年初頭に行われた衝突試験では、タイゴは5つ星の総合評価を獲得し、大人乗員保護94%、子供乗員保護84%といずれも高い評価を得た。他のフォルクスワーゲン車と同様に、最高210km/hまで機能する自動緊急ブレーキ、アダプティブ・クルーズコントロール、車線維持、渋滞支援機能が標準装備されている。

ジープ・グランド・チェロキー

ジープは、欧州向けの最新グランドチェロキーにおいて、360度カメラ、対向車の存在をドライバーに警告するジャンクション・コリジョン抑制支援、ハンドルの動きや車線位置を監視する居眠り運転検知、交通標識認識、歩行者を検出する自動緊急ブレーキなど110以上の安全装備を標準搭載したと述べている。2022年モデルのグランドチェロキーは、ユーロNCAPの安全性評価で5つ星を獲得し、大人乗員保護84%、子供乗員保護89%を得ている。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ

従来のディスカバリー・スポーツと同様に、2022年モデルもユーロNCAPで5つ星を獲得し、大人乗員保護84%、子供乗員保護89%をと評価されている。9つのエアバッグ、2列目シートに2つのISOFIXポイント、ESP、自動衝突回避、アンチロック・ブレーキなどの複数の安全機能を標準装備している。ディスカバリー・スポーツは、全天候型タイヤ、四輪駆動、テレイン・レスポンス・システムにより、さまざまな路面状況下でも安心感を与えてくれるだろう。

レクサスRX

前出のNXと同様、新型RXはレクサス・セーフティ・システム+を搭載しており、歩行者検知および自転車検知対応の自動緊急ブレーキ、ジャンクションサポート、アダプティブ・クルーズコントロール、車線逸脱警報などを備える。また、アドバンスド・パーク機能により、縦列駐車やバックでの出庫を支援する。その結果、ユーロNCAPで大人乗員保護90%、子供乗員保護87%、創業評価5つ星を獲得した。

MG4

英国にルーツを持ち、現在SAIC傘下の自動車ブランドであるMGが全力投球で世に送り出した新型MG4は、ユーロNCAPの衝突試験で、大人乗員保護83%、子供乗員保護80%の安全スコアにより5つ星を獲得した。その兄弟車であり、2019年にテストされたMG ZS EVは、大人乗員保護90%、子供乗員保護で85%というさらに高いスコアを確保している。MG4は全車、6つのエアバッグ、車線維持支援、アダプティブ・クルーズコントロール、歩行者と自転車の両方を検知するアクティブ・エマージェンシー・ブレーキを搭載している。上位グレードの「トロフィー・ロングレンジ」を選ぶと、ブラインドスポット・ディテクションやリア・クロストラフィック・アラートが追加される。

スコダ・オクタヴィア

オクタヴィアは、チェコの自動車メーカーでフォルクスワーゲン・グループ傘下のスコダの主力モデルの1つ。2013年以降に生産されたオクタヴィアは安全性評価で5つ星を、2009年以前の車両は4つ星を獲得している。2022年モデルでは、前方の車両を検知して速度を調整するフロントアシスト、車線を逸脱した場合にドライバーに警告するレーンアシスト、リアパーキングセンサーを全車に搭載。追加オプションとして、衝突の危険が迫ると窓やサンルーフを閉めるクルー・プロテクト・アシストもある。大人乗員保護は89%、子供乗員保護は84%となっている。

ヒョンデ・アイオニック6

韓国の自動車メーカー、ヒョンデが満を持して投入したEVセダンのアイオニック6。ハイウェイ・ドライビング・アシスト2を含むヒョンデ最新の運転支援機能「スマートセンス」を備えているが、 これは前方の車両と安全な距離を保ち、近づきすぎた場合はその位置を調整できるというものだ。許可された一部の国・地域では、ウィンカーを出すと自動的に車線を変更することができる。アイオニック6はユーロNCAPで大人乗員保護97%、子供乗員保護87%という優れたスコアを示し、5つ星を獲得した。一方、フロントノーズが傾斜しているため、歩行者に対する保護性能は66%にとどまった。

キア・スポーテージ

ヒョンデ・グループ傘下のキアが販売するクロスオーバー、スポーテージには、フロント&リアパーキングセンサー、クルーズコントロール、リアビューカメラ、歩行者や自転車を検知する前方衝突防止機能、先行車に追従して他の車線の空いたスペースを特定し車線変更するレーンフォローアシストなどの優れた安全装備が標準搭載されている。他のキア車と同様、上位グレードの「GTライン」および「S」を選択すると、ブラインドスポットモニター、ハイウェイドライビングアシスト、駐車衝突回避アシスト、リモートスマートパーキングアシストが追加される。キア・スポーテージはユーロNCAPで5つ星を獲得し、大人乗員保護は87%、子供乗員保護は86%となっている。

テスラ・モデルS

発売から間もない2014年、モデルSはユーロNCAPの安全性評価で5つ星を獲得したものの、大人乗員保護は82%、子供乗員保護は77%、歩行者保護は66%とやや低めのレーティングだった。2022年モデルでは、より厳しくなった衝突試験に挑むためにアップデートされ、その結果、子供乗員保護は91%、大人乗員保護は94%となった。モデルSには、大人と子供の違いを検知する自動エアバッグ抑制機能や、ブレーキを作動させて二次衝突や衝突を回避するマルチコリジョンブレーキが搭載されている。

BMW 2シリーズ・アクティブツアラー

2シリーズ・アクティブツアラーは、ユーロNCAPの安全性評価で5つ星を獲得し、子供乗員保護85%、大人乗員保護保護84%という優れた性能が高く評価された。フルカーテンエアバッグを含む多くのエアバッグが標準装備され、オプションでドライビングアシスタント機能(シティブレーキ、車線逸脱警報、前方衝突警報)が付いている。これは、ドライバーが衝突の可能性に対応できなかった場合に、センサーを使って自動的にブレーキをかける機能だ。

メルセデス・ベンツEQE

EQEは、Cクラスと同様、交通標識認識機能、個人情報を安全に保管するための指紋認証、緊急通報システムを標準装備している。「AMGライン・プレミアム」を選ぶと、ブラインドスポットモニター、レーンキーピングアシスト、130km/hまで自動的にブレーキをかける機能を備えたドライビングアシスタンス・パッケージが装備される。

プラス・パッケージでは、ステアリングの回避操作支援や、コーナリング時に自動的に減速する運転支援機能が提供される。EQEはユーロNCAPで5つ星を獲得しており、大人の乗員保護は95%、子供の乗員保護は91%となっている。

ジェネシスGV60

ジェネシスはヒョンデの高級車ブランドであり、GV60は初のバッテリーEVである。8つのエアバッグ、車線維持支援、ブラインドスポット衝突回避支援、リア・クロストラフィック支援、自動緊急ブレーキシステムを標準装備している。また、従来のサイドミラーをカメラシステム(ドア設置のOLEDモニター)に交換するオプションも用意されている。GV60はユーロNCAPで5つ星を獲得し、大人乗員保護は89%、子供乗員保護は87%であった。

キア・ニロ

ニロは、他のキア車と同様、車線逸脱時にドライバーに警告するレーンキープアシスト、カメラで前方車両に追従し、それに応じてブレーキや加速を行うレーンフォローアシスト、後方支援用のリア・クロストラフィック衝突警告、ブラインドスポット衝突警告などの安全機能をすべて備えているのが特徴的だ。大人乗員保護91%、子供乗員保護84%、総合評価5つ星を獲得している。

ポールスター2

ボルボ傘下の高級EVブランドの主力モデル、ポールスター2は、3つのレーダーユニット、5つのカメラ、12個のセンサーで周囲の環境を監視している。そして、車載コンピューターが収集した情報を処理し、危険を察知して衝突を未然に防ぐ。フロントのパネルグリルの下には、ポールスターの「スマートゾーン」が内蔵されており、レーダーを使って他の道路利用者や潜在的な危険を検知する。

ランオフロード・ミティゲーションは、64km/hから140km/hの速度間で車線を逸脱した場合、車線内に戻すようサポートする。ユーロNCAPはポールスター2に5つ星評価を与え、大人乗員保護93%、子供乗員保護89%とした。

ルーシッド・エア

米国の新興企業ルーシッド・モーターズは、ハンドリングを向上させるだけでなく、事故につながるバランスの崩れを防ぐために、駆動用バッテリーを戦略的に配置した。エアのフレームはボンデッドアルミニウムで構成され、優れた構造剛性を実現。キャビンは9つのエアバッグに囲まれ、飛散を防ぐラミネートガラスを採用している。ユーロNCAPでは5つ星を獲得し、大人乗員保護90%、子供乗員保護91%を誇る。

オラ・ファンキーキャット

中国の大手自動車メーカー、長城汽車が新たに立ち上げたEVブランドのオラ(欧拉)。その欧州向け第1段がファンキーキャットで、ユーロNCAPでは大人乗員保護92%と子供乗員保護83%と高く評価され、同機関の2022年ベスト・スモールファミリーカー賞を受賞した。ルノー・ゾエやプジョーe-208をライバルとする小型EVで、交通標識認識やドライバー・モニタリング・システムなど、さまざまな安全装備を搭載。5つ星を獲得している。

スココダ・エンヤクiV

スコダのバッテリーEV、エンヤクiVは、フォルクスワーゲンID.3およびID.4と同じMEBプラットフォームを使用している。大人乗員保護94%、子供乗員保護89%、総合評価5つ星を獲得し、安全性が確認された。フロント、サイド、カーテンエアバッグを標準装備し、レーンアシスト、自動緊急ブレーキ、ISOFIXチャイルドシート取り付けポイントを助手席と後部座席(中央席を除く)に用意している。

日産キャシュカイ

新型キャシュカイに搭載されるプロパイロット・アシストとナビリンク技術は、車線を維持し、前方車両との車間距離維持を支援する。トムトム(TomTom)の地図を使ってカーブや交差点を先読みし、ヘッドアップディスプレイで地図情報と現在速度を表示する。また、低速走行時に歩行者や自転車の接近を検知するとブレーキをかけるインテリジェント・エマージェンシー・ブレーキや、リア・オートブレーキ、運転席と助手席の間で展開するセンターエアバッグも装備されている。ユーロNCAPでは5つ星を獲得し、乗車保護性能は大人と子供ともに91%であった。

スマート#1

ユーロNCAPでは、フォーツーとフォーフォーが4つ星を獲得するなど、長年にわたっていくつものスマート車がテストされてきた。最新の#1は、スマートとして初めて5つ星を獲得し、大人乗員保護96%、子供乗員保護89%のスコアを獲得している。小型ながら、高強度鋼を74%、プレス硬化鋼を19%使用し、バッテリーモジュール保護などのバッテリー安全技術とともに設計されている。前面衝突軽減、レーンアシスト、自動緊急ブレーキなどのインテリジェント・ドライビングシステムを搭載している。

BMW 3シリーズ

BMW 3シリーズには、ESCや自動緊急ブレーキのほか、デュアルステージ・フロントエアバッグ、フロントニーエアバッグ、フロント/リアヘッドエアバッグを含む合計8つのエアバッグが装備されている。また、リアビューカメラ、事故検知システム、前面衝突警告システムが搭載され、英国ではアクティブ・クルーズコントロールとレーンキーピングアシスタントは2000ポンド(約35万円)のオプションとなる。2019年以降の車両はユーロNCAP評価で5つ星を獲得し、大人乗員保護97%、子供乗員保護87%とされている。

テスラ・モデルY

モデルYは、大人乗員保護97%、子供乗員保護87%と優れた成績を収め、ユーロNCAPのスモール・オフロード部門でベスト・イン・クラス賞を受賞した。リアカメラ、サイドカメラ、フロントカメラを使って他車を検知し、衝突の可能性を予測する運転支援システム「オートパイロット」を標準装備している。総合評価では5つ星を獲得している。

スバル・フォレスター

フォレスターは、大人乗員保護97%、子供乗員保護91%と高い評価を得ており、ユーロNCAPが5つ星を与えたのもうなずける。前面衝突対策として、運転席ニーエアバッグやサイドエアバッグなど複数のエアバッグが備わっている。助手席にはISOFIXのシートポイントがないが、後席にはある。歩行者、自転車、自動車を対象とした自動緊急ブレーキ、スピードアシストシステム、レーンアシストアラートシステムを標準装備している。

アウディA1

A1は、ベーシックな安全技術を搭載しているように見えるかもしれないが、実際には緊急ブレーキやレーンキープアシストなどの上位キットを備えている。ただし、ブラインドスポットモニターや交通標識認識機能は用意されていない。フォルクスワーゲン・ポロとプラットフォームを共有し、大人乗員保護95%、子供乗員保護85%、ユーロNCAP総合評価で5つ星を獲得している。

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