3つのゴールデンルール
ロールス・ロイス・カリナン・シリーズIIとなった今回の改良、メインは内外装の変更である。その背景はロールス・ロイスのユーザー全体がドライバーズカーにシフトしつつあり、かつ、カリナンにおいてはショーファーカーとして使用される率は10%にも満たない状況であること。そして、顧客の平均年齢が2010年の56歳から43歳へと大幅に下がったことから、その意見を反映したものであり、カリナン・ブラックバッジが同時発売になったのも同じ理由だ。
【画像】シリーズIIとなったロールス・ロイス・カリナン 全106枚
ロールス・ロイス・モーター・カーズアジア太平洋のプロダクトマネージャーを務めるアイヴァン・カンさんによると、今回の改良のポイントについて、「お客様からよりモダンな見た目が欲しいという声をいただき、また、多くのお客様が都市部をご自身で運転しますので、その意見をベースにデザインの見直しを図りました。それを踏まえ、『Sheer Monolithic Beauty』というコンセプトのもと、アップデートしました」という。直訳すると『純粋な一枚岩の美しさ』となるが、大きな塊をいかに違和感なく美しく見せるかを目指したといえる。
ロールス・ロイスのデザインには3つのゴールデンルールがあるという。それをカリナンにあてはめると、スピリットオブエクスタシーは常にパンテオングリルの上に位置し、ヘッドライトは決してパンテオングリルの上に来ることはないこと。
次にサイドプロポーションは3本のラインの原則が適用されていること。最初のラインはスピリットオブエクスタシーから始まり、ボンネットに沿いルーフを抜けリアに向かって繊細に流れるシルエットライン。そしてパンテオングリルから始まり、アイコニックなコーチライン(ショルダーライン)と組み合わされるライン。そして3本目はリアを個性的に見せる、カリナン独自のバックデザインを強調するものだ。
現代的なミニマリズムを表現
それらはカリナンの普遍的なデザインと位置付けながら、カリナン・シリーズIIでは、フロントデザインを一新。基本的には垂直的なデザインを強調するもので、これはカリナンが多く走っているであろう、都会の摩天楼をイメージしたもの。例えば新デザインのデイタイムラインニングライトやLEDのマトリクスヘッドライトが、そのモチーフから生まれている。
また、パンテオングリルにも手が加えられた。ライトアップされたホライズンライン(グリル上部のRRエンブレムの下側の水平ライン)が加わり、グリルのサイドフレームが取り除かれた。その結果、「視覚的にカリナンの堂々とした幅が強調されています」とカンさんはいう。
3つ目の変更点は、新しいバンパーのデザインだ。バンパー下部は、「ヨットのデザインから着想を得ており、斜めの力強いグラフィックが特徴で、真正面から見た際に車高が低く見えるような視覚効果があります」と説明し、これらによりフロントから見た時の腰高感も減少した。
そのほかテールライトの内部がブラックインサートとなったほか、以前はオプションだったステンレススチールプロテクティブパッケージのハイグロスブラックバンパーとエグゾーストテールパイプフィニッシャーが標準装備となった。
因みに今回の展示車はエンペラドール・トリュフと呼ばれるもので、「茶色の大理石の模様からインスピレーションを得て、現代的なミニマリズムを表現しています」とのこと。
ホイールも新デザインで、「表面処理により、万華鏡のような反射を生み出しています」とし、そのサイズはカリナンとして初めて23インチを採用。これもユーザーからの声が大きかったからだという。
スペクターが23インチを採用したことから、カリナンにも23インチが市場から望まれたのだ。当然マジックライドカーペットを実現するために足回りに関するソフトウェアをアップデートするとともに、関係する部分を微調整したという。
こだわり満載のインテリア
インテリアはインパネ全体がガラスパネルで覆われた。これまではメーター、センターパネル、ダッシュボードまわりと独立していたが、それらが一体に見えるようになった。
そのメーター周りでは新しいデジタルインターフェイス、スピリットインストルメントパネルを採用。文字盤をカラーアクションから選択し、カスタマイズできるようになった。これはBEVのスペクターで初採用されたもので、内燃機関では初めてのものだ。
続いて、クロックキャビネットと呼ばれるはめ込み式ケースが装備された。アナログ時計の下にはライトで浮かび上がるスピリットオブエクスタシーを配置。カンさんは、「エンジニアとデザイナーは膨大な時間を費やし、スポットライトのような過剰な効果を避けるために、適切な照度へと入念に調整しました」と説明。
そして助手席側の正面にはイルミネーテッドフェイシアパネルを配置。このガラスパネルの裏側には最大7000個のレーザーエッチングドットが施され、そのドットはそれぞれ異なる角度で配されており、奥行きを感じさせるものだ。またこの縦のラインは、「大都市の高層ビル街、摩天楼からインスピレーションを受けてデザインが施されています」とのことで、フロント周りと共通のモチーフとなる。
また新たなウッドパネル、グレーステインドアッシュという木目パネルをドア周りに採用。近くで見ると繊細なきらめきを放っており、これは染める際に微小な銀の粒子を混ぜ込むことで実現させている。
あえてレザーではなくファブリック
シートのデザインも一新。そこに施されたのはプレースドパーフォレーションというパターンで、ひとりの職人の手で緻密に0.8mmと1.2mm のパーフォレーションが合計10万7000個施されている。これは、「ロールス・ロイスの本社があるグットウッドの上空に広がる雲の形からインスピレーションを得たもの」だそうだ。
最後にカンさんは、カリナン・シリーズIIで初採用したデュアリティ・ツイルについて説明する。これは、竹から作られたレーヨン生地で、創業者のひとり、ヘンリー・ロイス卿が冬季を過ごしたヴィラ・ミモザに隣接する、コート・ダジュールの「地中海の庭園」の竹林からインスピレーションを得たものだ。
ツイル織りのテキスタイルには、創業者のイニシャルである“R”の二重文字を抽象的に解釈したモチーフがあしらわれ、セーリングヨットのロープが織り成すラインを想起させる船舶のデザインとなっている。最大220万回のステッチと17kmもの長さの糸を使用し、20時間以上かけて作り上げられるもの(今回の展示車はレザーシートのため採用されていない)。
ここで気になったのはなぜあえてレザーではなくファブリックを採用したのかだろう。カンさんは、「オプションの中では最も高価なものになります。実は100年以上前、戦前のシルバーゴーストなどの運転席は、汚れを簡単に拭き取れてメンテナンスも楽なレザーを使用し、リアシートはファブリックで快適性を高めていました。その考えをもとに、高級なファブリックを初めて採用したのです」と説明してくれた。
エクステリアを見た瞬間、これまでの腰高感が大幅に減少し、どっしりとした風格を備えていることが伝わってきた。インテリアもロールス・ロイスならではのこだわりが満載である。果たしてここからどのようにビスポークしていくか、まさに、オーナーのセンスが問われるクルマといえる。
なおカリナン・シリーズIIの価格は4645万4040円からで、同時発売のカリナン・ブラックバッジは5415万4040円からとなる。
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ぱっと見似てるのに性能の低いトヨタ系
フラッグシップまでもうぱちもの揃いという感じ