2024年のWEC世界選手権のハイパーカークラスに『ティーポ6 LMHコンペティツィオーネ』で参戦を目指すイソッタ・フラスキーニは、ホモロゲーション取得までに1万5000kmのサーキットテストを完了すること目標にしているという。
ミケロットと提携し、ハイブリッド・パワーユニットを搭載する新型プロトタイプを開発したイタリアのコンストラクターであるイソッタ・フラスキーニは、3カ月前の初公開以来、これまで約4000kmを走破したと、モータースポーツ・マネージング・ディレクターのクラウディオ・ベッロは述べている。
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WEC第5戦モンツァでデモ走行も披露したティーポ6 LMHコンペティツィオーネは、今月複数のイタリア国内サーキットに出向き、その後はスペインのアラゴンで、夜通しの耐久テストが予定されている。
ベッロは以前、「必須ではない」としながらも2023年最終戦のバーレーン8時間レースに参戦する考えを示していたが、イソッタはこのアイデアを断念したという。ただし、WEC最終戦後に行われるルーキーテストや、その他のレースには参加するために今年後半に湾岸地域へと出向く可能性は残されている。
「アラゴンで3日間のテストを行い、いくつかのロングスティントを含む1500kmを走破した」とベッロは述べている。
「今月末にはバレルンガで2日間のテストを行う。それからモンツァに戻って2日間。ラップタイムを確認するために、非常に強力なパフォーマンステストを行う。そしてモンツァの後は、ムジェロに戻る」
「15日間で3つの異なるサーキットで6日間のテストを行う。その後、休暇のために15日間中断し、9月に再開する」
「現時点では4000kmを走行している。我々のターゲットは、3回のテストで最低でもあと4000kmか5000km走りたい」
「夏の終わりまでに10000kmに到達するとは思わないが、ホモロゲーション取得までにあと6000~7000kmは走らなければならない。合計で15000kmだ」
イソッタは、FIAとACOにいつマシンのホモロゲーションできるか確認中だが、バーレーンに向かう前に手続きが完了することを願っている。
ホモロゲーションには、これまでサーキットを走行してきたティーポ6 LMHコンペティツィオーネのシャシーが使用され、オーバーラップ期間中のテストには、モンツァでのデモ走行にも登場したサーキット走行仕様車『ティーポ6 LMHピスタ』が、LMH仕様に改造されるという。
ベッロによると、イタリアで行われるテストでは、LMHのオペレーション・ウインドウ内でマシンのパフォーマンスを検証し、その後、より長い距離での信頼性を磨くことに焦点を移すという。
「信頼性については、短いスティントでは問題ない」とベッロ。
「いま、我々はふたつのステップを踏もうとしている。ひとつはパフォーマンスで、8月のモンツァでチェックする」
「ふたつめの目標は長距離走行における信頼性だ。おそらくそのためには、24時間走行が可能なスペインにまた行かなければならない」
「今のところ、照明コントロールのセットアップのために走るだけだが、次のアラゴンでのテストは夜間になる」
「その(24時間テストの)前に、適切なレベルで競争力を発揮するためのパフォーマンスを設定したい。その後、信頼性を高める必要がある」
ベッロは、運営チームであるベクター・スポーツと協力して準備を進めているイソッタ・フラスキーニにとって、ドライバー選びは優先順位が低いままだと付け加えた。
ジャン・カール・ベルネ、アンドレア・モンテルミーニ、マルコ・ボナノミの3人がこれまでのサーキットテストに参加している。
ベッロはまた、ガブリエル・オーブリ、マティアス・カイザー、ライアン・カレンというベクター・スポーツのLMP2ラインナップが、間もなくティーポ6 LMHコンペティツィオーネのステアリングを握ることを示唆した。
「私にとっては、大きな経験を持つドライバーを起用するのがベストだ。モンツァでは、ベクターのドライバーを起用する。どのドライバーを起用するかは、チームと相談して決める」
ミラノに本拠を置くイソッタ・フラスキーニは、アレッサンドロ・ファッシーナ社長によると、ロードカー生産計画を強調するためにWECプログラムを計画しているという。
ティーポ6のラインアップには『ストラダーレ』と呼ばれる公道仕様も含まれるが、2026年に向けてイソッタ・フラスキーニの新しいスポーツカーを開発することも検討されている。
電動パワートレインを搭載するかどうかなど、その詳細は未定だが、国際的なマーケットを視野に入れており、ファッシーナは主要市場としてアメリカ、アラブ首長国連邦、中国、カナダを挙げている。
「WECはモータースポーツ界でF1に次ぐ重要性を持っている」とファッシーナは述べている。
「我々にとっては手頃な予算だと思ったし、マーケティングという面では、ブランドを知ってもらう最大のチャンスだ」
なお、北米でロードカーを販売するという目標があるにもかかわらず、イソッタはLMHマシンをWECで走らせることしか考えていないと、ファッシーナは明言している。
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