Volkswagen ID.3
フォルクスワーゲン ID.3
アウディの次世代バギーコンセプトに見る、EVとオフローダーの親和性【フランクフルトショー 2019】
ボディサイズはほぼゴルフ
フォルクスワーゲンは、第68回フランクフルト・モーターショーで市販EVの「ID.3」をワールドプレミアした。
ID.3は、電気自動車専用プラットフォームのMEB(モジュラーエレクトリックツールキット)をベースとした「ID.」ファミリーのプロダクト第一弾。Cセグメントに属する5ドアハッチバックで、車両価格は「ベーシックバージョンで3万ユーロ(約359万円)を下回る」と発表された。デリバリーは2020年夏から開始する。2019年5月から受注を開始している導入記念の限定車「ファーストエディション」は、すでに3万台を超える予約が集まっているという。
ID.3はCセグメントに属する5シーターのハッチバックで、ボディ寸法は全長4261mm、全幅1809mm、全高1552mmと、ゴルフに比べて4mm短く9mm幅広く72mm高い。一方でホイールベースは2765mmとゴルフより130mmも長く、センタートンネルもない室内には広大な空間が広がる。車重は1719kgで、最大積載量は装備仕様により異なるが416~541kg。荷室容量はゴルフを5リットル上回る385リットル。
インテリアは有機的なデザインを基調にし、ダッシュボード中央に配置した10インチのタッチディスプレイにすべての必要な情報を表示。ID.ライトと呼ぶ演出照明には、たとえば危険が迫った際にドライバーへブレーキを促す機能なども含まれている。「ハロー、ID.」と声をかければエアコンなどの調整ができる自然対話式音声認識機能や、オプションでAR(拡張現実)ヘッドセットも用意するなど、主要な先進システムが満載。一方で、ハザードやパワーウインドウのスイッチはコンベンショナルな物理スイッチを採用している点にも注目したい。
レーシングカーのように低い重心高
バッテリーの容量は3種類。ベーシックモデルが最大航続距離330km(WLTPモード。以下同)の45kWhを積み、ほかに420kmの58kWh、550kmの77kWhをラインナップする。45kWhと58kWhは100kWの急速充電に対応しており(オプション。標準はACの7.2kWとDCの50kW)、約290km分の充電を30分内で行うことができる。77kWhはACが最大11kW、DCが最大125kWまで対応する。電費向上を目して空力性能にも注力し、前面投影面積は2.36平方メートル、Cd値は0.267を達成している。
最高出力は150kW(204ps)、最大トルクは310Nmを発生するモーター(永久磁石同期電動機)は、1速固定のギヤボックスと一体化してリヤアクスルに搭載。ホンダ eと同様に後輪を駆動する。最高速は160km/h。バッテリーはフロア深くに積み込み、エアコンのコンプレッサーやステアリングラックなどはフロントエンドへ格納した。ゆえに、重心高は“レーシングカーのように低く”、前後重量配分も最適化できたという。
フォルクスワーゲンはこれまでにも電気のみで走るe-up!とe-ゴルフをラインナップしてきたが、ID.3は同社が純粋な電気自動車のために完全新規開発したMEBがベース。今後MEBを使ったEVシリーズを「ID.」ファミリーと呼び、すでに具体的な未来予想図として、クロスオーバーの「ID. CROZZ(クロス)」、MPVの「ID. BUZZ(バズ)」、セダンの「ID. VIZZION(ビジョン)」、3列シートSUVの「ID. ROOMZZ(ルームス)」を加えることを発表している。レーサーの「ID. R」やデューンバギーの再来「ID. バギー」という、MEBの汎用性の高さを示すコンセプトも提案している。
また、MEBはフォルクスワーゲンブランドだけでなく、グループ全体、さらにはグループを超えて用いていく基盤。アウディやセアト、シュコダ、商用車などに幅広く展開していく。すでにアウディは電動SUVの第二弾としてMEBベースのQ4 e-tronの導入を約束しているし、グループとしては今後3年間に33モデルの新型EVを生産する予定だ。また、 EVや自動運転分野で提携するフォードも、MEBベースの新型車を2023年に少なくとも1モデル投入する計画だ。
「国民のEV」になるか
導入記念の限定車「ファーストエディション」は、58kWhのバッテリーを積み、ナビゲーションシステムやシート/ステアリングホイールヒーター、前席アームレスト、18インチホイールなどを標準装備する。さらに装備充実の「プラス」にはACCとマトリクスLEDヘッドライト、そして19インチホイールを、最上級の「マックス」にはARヘッドアップディスプレイやチルト機構付きパノラマルーフ、20インチホイールを用意する。
ビートルとゴルフ。これまでフォルクスワーゲンを支え伸ばしてきたあまりにも太い2本の柱に加わるもう一本の柱になる。そういう期待を込めて「3」の数字が割り当てられたとも聞く「ID.3」。現代的にフラットデザイン化された新ロゴを装着する初のモデルでもあり、新時代のフォルクスワーゲンを象徴する1台だ。
フォルクスワーゲンは、5ヵ年の計画で228億ユーロ(約2兆7250億円)を投じ世界各地の工場を再編中。主な投資先のひとつが10億ユーロ(約1200億円)を投じるツヴィッカウ工場で、まずはここがMEBベースのEV生産拠点になる。当面は8000人の従業員が高圧バッテリーの取り扱いや電装系の安全で正確な処置を学び、ID.3の生産にあたっていく。かくも投資を惜しまず開発・生産されるID.3が「Volks(国民の、民衆の) EV」になる日は遠くないかもしれない。
ちなみに現在同工場で行われているゴルフとパサートの生産は、将来的にウォルフスブルクおよびエムデンの工場へ移管予定。とりわけ次世代ゴルフの生産には大きな能力を必要とするため、ウォルフスブルクには29億ユーロ(約3470億円)の設備投資を行うという。
ツヴィッカウ工場でのID.3の本格的な生産始動は2019年11月。2019年6月時点で、すでに400台のプリプロダクションモデルを生産している。
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