2023年シーズンの最終戦となるMotoGP第20戦バレンシアGPのプラクティスが行なわれた。トップタイムを記録したのはアプリリアのマーベリック・ビニャーレスだった。
バレンシアGPの初日は、前戦カタールGP決勝で急失速し、ポイントリーダーのフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)と大きくポイント差が広がってしまったホルヘ・マルティン(プラマック)がFP1で3番手。一方でバニャイヤは13番手と、マルティンが先行する形で始まった。
■マルケス、11年過ごしたホンダとの最後のレース迫る「作り話のようだ。皆と楽しむことをまず目指したい」
なおジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)はFP1で転倒があり、骨折こそなかったものの体に痛みを抱えていたことからプラクティスは欠場になった。
そんなプラクティスは、序盤にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)とマルコ・ベッツェッキ(VR46)が続けざまに転倒してしまう始まりとなった。なお両者とも自力で起き上がってコースを後にしている。また今回が復帰戦でホンダでの最終レースとなっているアレックス・リンス(LCRホンダ)も、序盤10分もしないうちに転倒してしまった。幸い、リンスは怪我などは無いようだった。
プラクティス序盤の走りが落ち着いた段階では、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(グレシーニ)が1分29秒924で暫定トップタイム。ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が2番手に続いた。
ディ・ジャンアントニオはその後、自己ベストを1分29秒805まで更新。トップタイムのままプラクティスの折返しを迎えた。
最終戦のプラクティスは珍しくセッション中盤もタイムアタックに入るライダーが見られた。中でもホンダでのラストレースとなっているマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が、残り30分を過ぎた頃に、1分29秒465と暫定トップを更新するラップを記録し、このセッションのサプライズとなるシーンを作った。
ただその後もトップタイム更新が続いた。マルティンがアタックに入ると1分29秒464、さらにビニャーレスが1分29秒392とマルク・マルケスを超えるタイムをマーク。特にビニャーレスのタイムは、2016年にホルヘ・ロレンソが記録して以来長く破られていなかったコースレコードを更新するものだった。
残り16分、ジャック・ミラー(KTM)がターン3で激しいハイサイドを喫し、路面に叩きつけられるクラッシュが発生してしまった。そしてミラーの転倒により、コース上にかなりのパーツが残されてしまったため、その回収のためにセッションは一時赤旗中断となった。なおミラーは無事だった。
プラクティスも終盤となり残り時間が少なくなる中、ライダー達は徐々にタイムアタックへ移行。その際バニャイヤとマルティンがランデブー状態でアタックに入り、好ペースを発揮しつつも計測せずに一緒にピットへ戻るというシーンもあった。
マルティンはラスト5分で一斉にライダーがコースに出る際も、バニャイヤの後ろをキープ。バニャイヤが一度コース外に逃げた時も変わらず後ろにつけるなど、マルティンがプレッシャーをかけようとしているようにも見えた。
コース上では暫定トップのビニャーレスがアタックをまとめあげ、1分29秒142をマーク。レコードタイムをさらに更新し、これがプラクティストップタイムとなった。
タイトル争い中のふたりが連れ立ってアタックに入ると、マルティンが1分29秒289をマークする一方、バニャイヤは1分29秒801止まり。マルティンはこれで2番手タイムとなり、Q2直接進出を確保した。3番手はチームメイトのヨハン・ザルコだった。
バニャイヤはアタックで自己ベストを更新したものの、最終的に15番手タイムに留まった。最後もう一度アタックを行なえるチャンスがあったが、転倒によるイエローフラッグがすぐに出てしまったため、バニャイヤが15番手のままセッションは実質終了した。
そのためタイトル争いの重要なレースで、バニャイヤは予選Q1スタートとなってしまった。2日目の予選でQ1敗退に終わるようなことがあれば、タイトル争いの行方もまだまだ分からなくなってきそうだ。
ホンダでのラストレースとなっているマルク・マルケスは、最終的に7番手タイム。予選Q2直接進出をホンダ陣営で唯一決めている。日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は16番手タイムだった。
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みんなのコメント
余裕で Q2に行くし、仮に 13番スタートでも、スプリントとファイル終了で 1ポイント、マルティンをリードしていればOK 楽勝だ
気を付けるのは 転倒だけ