F1チームはステファノ・ドメニカリCEOに対し、予算上限と分配金資金の大幅な見直しが行われ、より多くのレースに参加する費用およびレースチームがクルー全員をレース間で交代させられるよう2倍の人員を雇う費用が追加で補われない限り、1シーズンあたりのグランプリ数が現在の24イベントを超えることに反対であることを明確にした。
F1の分配金の多くを手放すことを望んでいないF1のCEOは、予算上限を引き上げようとする本格的な試みをFIA国際自動車連盟が阻止するつもりであることを認識している。同組織のモハメド・ビン・スライエム会長と戦う選択をする必要があることを鑑み、ドメニカリは将来F1をより多くの国に行かせるための代替ルートをすでに選んでいる。
海外ライターF1コラム:F1カレンダー24戦の椅子取りゲーム。新規参入を狙う国々と、既存GPの契約状況
グランプリをローテーション制で開催するアイデアは、ヨーロッパの国々で生まれた。ヨーロッパではF1レースの開催地候補はカレンダーの枠よりも多い。現在は10のグランプリがあり、そのうちのふたつはイタリアで開催されている。
しかし、有効な契約を結んでいる開催地の中には収支を合わせるのに苦労しているところもあり、2年ごとにグランプリを開催するという新たな計画を立て始めている。バルセロナの場合、マドリードが2026年からのスペインGP開催契約を結んだ後、既存の開催地であるイモラ、スパ・フランコルシャン、ザントフォールトのホストに加わった。
また、ホッケンハイムやポール・リカール、ポルティマオ、イスタンブールが、最近のグランプリを開催した経験からローテーションシステムへの参加に関心を示している。
しかし、チーム側が1シーズンあたりのグランプリ数の増加に反対しているため、ドメニカリはF1の開催候補に不足がないと思われるアジア地域のグランプリにもローテーションシステムを拡大することを検討している。
中東の4つのレースはそのままとどまるが、サウジアラビアは新しい専用サーキットの準備が整い次第、1シーズンにふたつのグランプリを開催することを実際に主張している。極東で行われるレースは中国、日本、シンガポールだけだが、マレーシア、タイ、韓国がF1を招致する意向を示している。マレーシアはセパンを開催地とし、タイはバンコク、韓国は仁川でのストリートレースを検討中だ。
中国でのF1の将来には疑問が残る。周冠宇(キック・ザウバー)のグランプリキャリアが2024年いっぱいで終了する可能性があることや、中国と欧米間の緊張が高まっていることも理由のひとつだ。そのなかでシンガポールは隣国とレースを交互に開催することを検討する可能性がある。
一方、日本の鈴鹿サーキットは毎年カレンダーに載ることが保証されている唯一の開催地のようだ。
決断のときが近づいている。ドメニカリが来年のカレンダーの決定を急いだのは、将来のローテーションシステムを整理するための自由な時間を確保するためであり、年末までに将来の計画を立てるために自分自身に猶予を与えた。
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