トヨタとNTT 突然の会見実施
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】トヨタとNTT それぞれが公開したプレゼンテーション時のスライド【サマリー】 全41枚
「トヨタとNTTが資本提携」
2020年3月24日朝、一部メディアが「本日中に会見がある模様」と第一報を発信した。
トヨタ広報部から同日午前10時45分、「新型コロナウイルス感染を考慮し、本日15時からオンライン会見を実施」とのメールがあった。
会見では、NTTの澤田純社長、トヨタの豊田章男社長が揃って登壇し、提携の証としてがっちりと握手した。
両社それぞれが2000億円を出資した業務提携を結んだことを明らかにした。
プレゼンと質疑応答の中で、両社長が何度も口にしたのは「スマートシティ」という言葉だ。通信を含む先進的な技術を使った町づくりを意味する。
会見での大筋は、トヨタとNTTがデータを活用した日本発のデータプラットフォームを世界に向けて発信する、というもの。
それをオープンマインドで行い多くの仲間を増やすと説明する。
その中で「社会が大きく変化した」「クルマは社会の一部」「人中心の社会へ」といった、抽象的な表現が多い印象がある。
さらには、地域のため、国のため、世界のためといった言葉の数多く登場。日本を代表するグローバル企業である2社としては、当然の言い回しだと思うが、あまりにも絵が大き過ぎて、質問する新聞系メディアの記者も、ちょっとやりにくそうな雰囲気があった。
一方、技術面で見ると、やはりキーワードはCASEだ。
改めて、CASEとは? 100年に一度とは?
豊田章男社長は2010年代半ば過ぎ頃から「自動車産業は100年に一度の大変革」という言葉を新車会見や決算報告、さらにはテレビのバラエティ番組での出演時など、様々な機会に多用するようになった。
この大変革の背景として、CASE(ケース)という言葉も使う。
改めて、CASEとはなにか?
Cは、通信によるコネクティビティ。
Aは、自動運転や自律走行を意味する、オートメイテッドやオートノーマス。
Sは、新しいサービスやシェアリング。
Eは、パワートレインの電動化の、エレクトリフィケーション。
つまり、CASEによって自動車の作り方、買い方、使われ方、そして修理の仕方までが、大きく変わる可能性がある、という考え方だ。
そもそもCASEは、ドイツのダイムラーが自社の事業方針を示すマーケティング用語として名付けた、造語である。
当初は、BMWやフォルクスワーゲングループ、アメリカのGMやフォードなども、CASEとは字面が違う略語を使っていた。
だが、メディアではCASEという言葉が一般名詞のように使われるようになり、日本でもトヨタをはじめCASEという呼び方が自動車産業界や経済界で浸透した。
そうしたCASEについて、2010年代は自動運転に見られるように、様々な実証試験が行われてきた。それが2020年代にはCASEの社会実装に入るのだ。
そこで重要になってくるのが、通信だ。
手始めに未来型都市「ウーブン・シティ」
社会実装を進む中で、実際の町での本格的な実験も世界各地で進んでいる。
米オハイオ州のコロンバスや、中国の上海郊外、さらには日本では東京2020を前提とした東京お台場地域での大規模実験が計画されている。
ただ、ご承知の通り、東京オリンピック・パラリンピックの延期が検討中。状況は変化する可能性がある。
そのうえで注目されるのが、トヨタが2020年1月に米ラスベガスで発表した、未来型都市「ウーブン・シティ」だ。静岡県裾野市にあるトヨタ所有の土地に巨大都市を作る。
自動運転車「eパレット」や、二人乗りの超小型モビリティ、トヨタが歩行領域EVと呼ぶ立ち乗り型移動体など。すでにトヨタが大筋での発売計画を発表している様々なモビリティが生活の中に自然に溶け込む居住空間を目指す。
ここに、NTTも参画する。
人、クルマ、モノなど、社会全体の移動を含む様々な情報をデータ化して、人中心の豊かな社会を目指すという。
2020年3月24日から実用化が始まる次世代通信5Gをフル活用することはもとより、「次の世代(6G)についても、ウーブン・シティを使った試験をしていきたい」(澤田社長)という。
豊田社長も「ソフトウエア・ファーストの時代、競争と協調がさらに大事になる」と指摘し、ウーブン・シティの意義を改めて強調した。
GAFAにどう対抗するのか? という問い
会見の中で「GAFAにどう対抗するのか?」という質問が出た。
GAFAとはグーグル、アップル、ファイスブック、アマゾンという、世界のIT巨人たちの総称だ。
トヨタとNTTがタッグを組み、周囲を優良日系企業で固めるオールジャパン体制となって、本当にGAFAに対抗できるのか?
この点について、豊田社長は「トヨタはすでに、GAFAとの連携を行っている事業もある」として、GAFA対抗というよりは、日本発の技術やサービスをGAFAを巻き込んで世界レベルで使われるよう体制作りを目指すと意欲を見せた。
また、トヨタはKDDIの株主であり、またソフトバンクとは次世代型移動サービスのベンチャー企業・MONETテクノロジーズを共同運用している。
そこに今回、NTTとの業務資本提携が加わる。
スマホユーザーとして見れば、トヨタは通信事業者に対して、八方美人に見えてしまうかもしれない。
逆の見方をすれば、日常生活の中で、データプラットフォームとなっているスマホを持つ通信業界に、トヨタが大きな横串を指したようにも見える。
「2年前(ラスベガスでのIT系見本市の)CESで、私はトヨタが自動車会社からモビリティカンパニーへのフルモデルチェンジする、と申し上げたが、今回のNTTとの業務資本提携で、その時が来たと感じている」と心境を語った。
トヨタの次の100年が、いまスタートを切った。
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