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ハースF1、今季マシンの開発継続「タイヤのオーバーヒート問題を解決することが先」提携先フェラーリの抱える問題と関係が?

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ハースF1、今季マシンの開発継続「タイヤのオーバーヒート問題を解決することが先」提携先フェラーリの抱える問題と関係が?

 ハースF1は、今季マシンVF-23の段階でタイヤのオーバーヒート問題に終止符を打とうとしているとチーム代表のギュンターシュタイナーは語っている。

 VF-23は予選で輝きを放ち、今季F1復帰のニコ・ヒュルケンベルグが12戦中6戦でQ3進出。カナダGPでは予選2番手タイムを記録した(グリッド降格ペナルティにより結果5番手スタートに)。

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 一方でVF-23はタイヤに厳しく、デグラデーション(性能劣化)が大きいレイアウトのサーキットや路面温度が高いコンディションでは1周のペースを決勝結果に結びつけることができていない。

 それにより入賞はヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンがそれぞれ2度ずつにとどまっており、ハースはコンストラクターズランキング7番手でシーズン後半戦を迎える。

 ただサマーブレイク前最後のベルギーGPでハースは、マグヌッセンが15位、ヒュルケンベルグが18位。未だにオーバーヒートの問題を解決できていないようだ。

 ハースのシュタイナー代表はmotorsport.comの独占インタビューに応じ、今シーズンここまでを「納得できない」結果だと認めている。

 シーズン前半の総括を求められたシュタイナー代表は、次のように語った。

「もちろん、スタートはかなり良かったが、タイヤのオーバーヒートという問題をすぐに解決することができなかった」

「そして今、我々は少し後退している。予選ではとても良い戦いができたが、決勝ではとても悪い結果になってしまった。チーム全体にとって、土曜日は絶好調、日曜日は絶不調というのはジェットコースターみたいなモノだ。納得するのは難しい」

「我々は一生懸命に取り組んでいるし、サマーブレイク後に何か見つけられると良いね。でも簡単なことじゃないし、マシンで試してみるまで分からない」

「シミュレーションや計算などはいくらでもできる。でもクルマに投入してみないと分からない。他と比べて我々は不思議な問題を依然として抱えているからね。とはいえ、諦めることはできないよ」

 中団グループのチームの多くは、開発リソースの大半を来季マシンに割いているが、シュタイナー代表はまずチームがタイヤ問題の原因を解明し、悪い面まで来季マシンに持ち越さないようにする必要があると指摘する。

「その前(2024年マシンにシフトする前)に、この問題を解決する必要があると思う。2024年まで平行線をたどることも可能だが、今この問題を無視して2024年を目指すことはできない」とシュタイナー代表は言う。

「もし問題を理解できていなければ、また2024年型マシンにそれが現れる可能性がある。そうなったらかなり馬鹿げている。我々は2023年マシンをより良くすべく、全力で取り組んでいるところだ」

 ハースはパワーユニットやギヤボックス、サスペンションをパートナーチームのフェラーリと共有しており、風洞も同じモノを使用している。そして奇しくも、フェラーリもまた予選パフォーマンスと決勝パフォーマンスの差に苦しめられている。

 一説によると、ハースが抱える問題はフェラーリのリヤエンドを引き継いでいるからだという。シュタイナーはふたつのチームが全く同じ問題に悩まされている訳ではないとしながらも、問題の類似性についてはさらなる調査が必要だと認めている。

「とても奇妙なことだ。彼らにも見られることだが、彼らはもっと上で走っているから、その影響は少ない。でも、仮に問題がなかったら、彼らはレースで勝てていただろうか? それは私が話すことではなく、フレッド(フレデリック・バスール/フェラーリ代表)が話すことだ」

 シュタイナー代表はそう続ける。

「フェラーリを見ていると、同じ問題ではない。そして、それによって我々の問題が改善するということはない。どこかのチームが悪い日を過ごしたり、私が悪い日を過ごしたりしても、私の1日が良くなる訳じゃない。まだ悪い日のままだ」

「ただ確実に、この問題にも目を向ける必要があるし、そうしている。座って何もしていない訳ではないし、具体的な部分に問題がある可能性はある」

 ハースの決勝ペース不足が特に悔やまれるのは、中団グループに位置していたライバルが低調だったシーズン開幕のタイミングで状況を活かせなかったことだ。

「もちろん、自分たちのことをきちんとできていれば、もっと上にいけたはずだ」とシュタイナー代表は言う。

「でもこういう時は、冷静に仕事を続けるまでだ」

「(マクラーレンは)良いステップを踏み出した。フェアプレーの精神から言って、彼らは良い仕事をした。でもこの件で良かったのは、それ(中団グループからの大きなジャンプアップ)が可能だということだ。可能性があると分かるだけで、モチベーションになる」

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