進歩は大きいって言ったよね……？ アルファタウリF1代表、期待外れの今季マシンを受けて「エンジニアを信用できない」

　スクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表は、F1の2023年シーズン開幕戦バーレーンGPを無得点で終え、今期型マシン『AT04』が現状期待に応えられていないことから、チームエンジニアの楽観的な姿勢を疑問視している。

　バーレーンGPでは、角田裕毅が予選14番手から決勝を迎えて11位、ニック・デ・フリーズは18番手から14位と、いずれもポイント獲得には届かなかった。

　第2戦サウジアラビアGPの金曜日では、角田がフリー走行1回目で10番手と健闘。フリー走行2回目では角田が13番手、デ・フリーズが17番手となった。

　しかしトストは、新シーズンに向けてテクニカルチームが約束した新型マシンでの「大きな進歩」が実現できていないと苦言を呈した。

「もっと良いマシンを期待していただけに、現状でこれがマシンパフォーマンスの限界だというのは残念だ」

　バーレーンGPについてトストに尋ねると、彼はそう答えた。

「バーレーンでは苦戦したが、ここ（サウジアラビア）では少し違うようだ。少なくとも予選で一台はQ3へ行ってほしいが、マシンを速くするために色々とやらなくてはいけないことがある。特に空力面では、色々なプログラムが進行している」

「エンジニアたちは『良く進歩している』と言ってくれているが、私はもう彼らを信用していない。ただ良いラップタイムが見たいのだ。それこそが、唯一意味のあることだからね」

　エンジニアを信頼していないと言うのは本当か、と問われたトストは否定しなかった。

「冬の間、彼らは私に『マシンは素晴らしい。大きな進歩を遂げた』と言ってきた」とトストは言う。

「そしてバーレーンに来てみたら、どこにも進歩はない。なんて言ったら良いんだろうね？」

　現在のマシンパッケージの弱点について、トストは次のように語っている。

「ダウンフォースが不十分だ。そのためにブレーキング時にマシンの挙動が不安定になったり、リヤタイヤがオーバーヒートしたり、エイペックスで流れてしまったり、トラクションが悪くなったり……良いラップタイムを出すために必要なモノが全て無くなってしまうのだ」

　なお予算制限がマシン開発や、さらにはコンセプト変更を妨げることはないとトストは語る。

「予算制限があるからと言って、開発作業ができなくなることはない」と彼は言う。

「問題は、我々が正しい方向に進んでいるのかどうかということだ」

「以前にも述べた通り、冬の間に少なくとも計算上、コンピューター上では、昨年のマシンと比べて大きな進歩を遂げていることが分かった」

「しかし、最近の数字はもう信用できないんだ」

「次のステップで、正しい方向に進むこと、マシンのパフォーマンスを向上させること、これが達成できたかどうかを確かめたい。これはフロアやブレーキダクト、その他全ての空力パーツに関する専門スタッフの仕事だ」

「バーレーンテストの後、そして開幕戦の後に得た全ての知識を活かして、エンジニアたちはそれを理解し、新しいパーツを考え出し、マシンのパフォーマンスを向上させることができるはずだ」

「今後数戦でアップデートが予定されている。メルボルン、その後のバクーに持ち込むことになる。ほぼ全てのレースでアップデートを細かく行なうのが我々のプログラムだ」

Comments

レッドブルと同じホンダPUなんだろ？
フツーに考えたら遅いはずないが
マックスに乗らせて
それでも遅いならマシンの責任だが