通算では2世代目となる「レクサスLM」
10月19日に発表、12月下旬の発売がアナウンスされた、レクサスのショーファードリブンMPVとなるレクサスLM。通算では2世代目となるLMだが、日本で正式に販売されるのはこのモデルが初ということになる。
ご存知の通りレクサスLMはアルファード/ヴェルファイア(以下アルヴェル)の兄弟車という関係ともなっており、先代型もアルヴェルをベースにLMの外板を移植して「LM化け」が作られているほど。
では新型となったLMはすでに販売中の40系アルヴェルとはどのような差異があるのだろうか。現在明らかになっている情報を比較してみたい。
まずボディサイズだが、兄弟車ということもあって3000mmホイールベースは共通。ただアルヴェルが全長4995mm/全幅1850mm/全高1935mmとなるのに対し、LMは全長5125mm/全幅1890mm/全高1955mm(17インチタイヤ装着車は1945mm)と、ボディサイズは若干ながらLMが大型化されている。
これはLMがアルヴェルを超えるフラッグシップミニバンであることはもちろんだが、より空力特性を重視したデザインを採用したことも影響しているかもしれない。
空力特性が向上すると、空気抵抗の低減はもちろん、風切り音なども必然的に軽減されるため、快適な車室空間を実現するためには必要不可欠な要素となるものだ。
また乗車定員は現在のところ4座のみとなっており、3列シート仕様となるアルヴェルとの差別化が図られているが、アルヴェルにも4座仕様の追加がウワサされており、装備差で違いを表すことになりそうだ。
エンジンはアルヴェルに設定のない仕様
搭載されるパワートレインは、2.4LターボのT24A-FTS型エンジンに、6速ATとモーターを一体化したフロントユニットと、リアにeアクスルと呼ばれる高出力モーターを組み合わせたハイブリッドシステムによる「ダイレクト4」というものが採用された。
ベースとなった2.4Lターボエンジンはヴェルファイアに搭載されているものと同型式となるが、そこにモーターがプラスされることでシステム最高出力は371psと大幅にパワーアップ。
車両重量は装備差もあってか、アルヴェルの最重量仕様の2310kgよりも150kgも重い2460kgとなっているが、その重量をものともしない加速を見せてくれることは間違いないだろう。
またそこに組み合わされる「ダイレクト4」と呼ばれる4WDシステムは、各センサーからの情報を用いて前後輪の駆動配分を100:0~20:80の間で制御し、最適な駆動配分を維持。
ただ発進時はダイレクトな加速感を得られつつも車両のピッチングを抑えるために60:40~40:60程度の範囲で制御し、直進加速時も同様に70:30~40:60の範囲で制御するというのは、ショーファーモデルならではの配慮と言えそうだ。
なお燃費性能はこのクラスの車両を購入する人はあまり気にならないポイントと言えるかもしれないが、13.5km/Lと、ヴェルファイアのターボモデル以上、ハイブリッド以下の数値に収まっている。
足回りなどにはレクサス初の装備を採用
足回りの形状自体はアルヴェルと共通となるが、ショックアブソーバーには粗面や走行状態に応じてより瞬時に減衰力の切り替えが可能なリニアソレノイド式アクチュエーターと周波数感応バルブを併用した「周波数感応バルブ付きAVS」をレクサスとして初採用。
また走行モードには後席の快適性を重視した「リア・コンフォート」モードをこちらもレクサスとして初採用している。
乗り心地に関わるこだわりはこれだけに留まらず、より自然で扱いやすいブレーキフィーリングを実現するために前後回生協調が可能な加圧ユニットを採用し、ブレーキング時の前後輪の制動力配分を最適化するブレーキ車両姿勢制御を実現。さらに停止間際の制動力配分をコントロールし、自然な停止をアシストするスムーズストップ制御も全車に標準装備されているのだ。
そして乗り心地にも影響するボディ剛性を高めるためにブレース類やガセット、リインフォースメントを設置し、骨格の接合にはレーザースクリューウェルディングや短ピッチ打点技術、構造用接着剤などを適材適所に使用し、従来比で約1.5倍のボディねじり剛性を確保。
さらにホイールには、17インチにはノイズリダクションホイールを、19インチには17インチ同等の質量を実現するために鍛造ホイールを採用するなど、余すことなくこだわりを散りばめてアルヴェルとの差別化を図っている。
それだけに価格はアルヴェルの最上級グレードの2倍以上、レクサスの現行ラインナップの中でも最高額となる2000万円というプライスタグが付けられているが、それに相応しいモデルに仕上がっていることは間違いないだろう。
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