2020年FIA F2選手権の第10戦がロシアのソチ・オートドロームで行なわれた。優勝したのはミック・シューマッハー(プレマ)で、ポールポジションスタートの角田裕毅(カーリン)は2位だった。
前日に行なわれた予選では、角田がチームメイトのユアン・ダルバラとの熾烈な争いを制し、ポールポジションを獲得。現在ポイントランキング6番手となっている角田だが、チャンピオン争いに向けて貴重な4ポイントを加算した。
■F2ソチ:角田裕毅、今季3度目の予選PP! チームメイトを0.006秒差で下す
2番手にはダルバラがつけ、グリッド2列目にはポイントランキングトップ2のシューマッハーとカラム・アイロット(ユニ-ヴィルトゥオーシ)が並んだ。佐藤万璃音(トライデント)は18番グリッドだ。
28周のレースがスタート。角田が好スタートを切って、最初のブレーキングポイントであるターン2をトップで抜けた。そんな中、後方では数台が絡む接触が発生。クリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)、ユーリ・ヴィップス(DAMS)がマシンを止めてリタイアとなり、セーフティカーが出動した。
その間に接触によってマシンにダメージを受けたマシンが続々とピットへと駆け込んでいったが、ロイ・ニッサニー(トライデント)とフェリペ・ドルゴビッチ(MPモータースポーツ)はダメージが大きく、そのままリタイアとなった。
レースは3周目から再開となり、角田はここでも首位をキープした。2番手以下にはシューマッハー、ダルバラ、アイロット、ジャック・エイトケン(カンポス)が続いた。
角田はファステストラップを記録して逃げを打とうとするが、翌周にはシューマッハーもそれを更新して応戦する展開に。さらにその次の周に角田が再度ファステストを更新するなど、トップ争いは白熱していった。
6周目、3番手のダルバラがライバルに先駆けてルーティンのピットストップ。タイヤをスーパーソフトからミディアムに交換した。
同じくスーパーソフトでスタートした角田、シューマッハー、アイロット、ルカ・ギオット(ハイテック)の上位4台は8周目にピットイン。カーリンのクルーはミスなくタイヤ交換作業を終わらせ、角田をシューマッハーの前でピットアウトさせることに成功した。
これで上位陣はミディアムタイヤスタートのマシンに。エイトケン、ニキータ・マゼピン(ハイテック)、周冠宇(ユニ-ヴィルトゥオーシ)というトップ3となった。タイヤ交換を済ませた中でトップにつける角田は10周目を終えた段階で8番手で、自身がソフトで記録したファステストラップを更新するなど、快調に飛ばしていった。
レースは前半の14周を消化。エイトケンと周は激しいトップ争いを展開したためお互いペースを上げられず、既にピットを終えたマシンに対してマージンを築けない。周はタイヤにダメージを与えてしまったのかペースダウンし、マゼピンに2番手を取り返されてしまった。
17周目、エイトケンがピットイン。18周目にはマゼピン、周らミディアムタイヤスタート勢もピットインし、ここで角田は前方が開けた。しかし角田は直前までアーテム・マルケロフ(HWA)に数周にわたって引っかかる形となっており、シューマッハー、アイロットがすぐ後ろまで迫っていた。
そして19周目、シューマッハーがDRSを使い角田に接近。角田はターン2に向け、なんとか先にターンインするが、シューマッハーがアウト側から角田をオーバーテイクし、トップに浮上した。失速した角田はアイロットにも交わされ3番手に落ちた。
その後、角田は一時大きくペースを落としているように見えたが、数周でペースを回復し、前を行くシューマッハー、アイロットと同等もしくはそれ以上のペースで終盤戦に向かっていった。
レースは残り5周に突入。シューマッハーの1.9秒後方にアイロット、その1.5秒後方に角田だ。
角田は徐々にアイロットとの差を詰めていき、26周目には自己ベストを更新しながらプッシュ。アイロットのDRS圏内に入った。そしてファイナルラップ、大きく左に回り込むターン3でアイロットをオーバーテイクし、2番手に浮上した。
シューマッハーはそのままトップでチェッカーを受け、今季2勝目。ポイントリーダーの座を盤石なものとした。2位には角田が入り、3位は最終コーナーのギオットからの追撃をなんとか交わしたアイロットだった。
これで角田は18点を加算。今季のポイントを145として、シューマッハー、アイロット、ルンガーに次ぐランキング4番手に浮上した。なお3番手のルンガーとは同ポイントとなっている。
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