11月16~17日に静岡県の富士スピードウェイで開催されるENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第7戦『S耐ファイナル富士』は11月15日、専有走行日を迎えたが、ST-ZクラスにNANIWA DENSO TEAM IMPUL Zで参戦するTEAM IMPULのピットに豪華なゲストが訪れた。2006年のフォーミュラ・ニッポン王者、2008年のスーパーGT GT500クラス王者で、ル・マン24時間で3回の優勝を誇るブノワ・トレルイエだ。
1976年生まれのトレルイエは、2000年から日本でキャリアを積み、2001年に全日本F3選手権のチャンピオンを獲得。2002年、引退した星野一義に代わりJGTC全日本GT選手権でTEAM IMPULに加わると、フォーミュラ・ニッポンでは2006年にチャンピオンを獲得。スーパーGTではNISMOに移籍した2008年に本山哲とともにチャンピオンを獲得した。
ブノワ・トレルイエが自身のレーシングチーム『トラジェクトゥス・モータースポーツ』を立ち上げ
2011年には、アンドレ・ロッテラーとマルセル・ファスラーと組み、アウディ・R18 TDIでル・マン24時間の総合優勝を飾った。ロッテラーとともに東日本大震災に沈む日本を元気づけようと、日本のライセンスでル・マン制覇を成し遂げた思い出もある。その後も2012年、2014年とル・マン優勝を成し遂げた偉大なドライバーだ。
そんなトレルイエが、ひさびさに日本のサーキットに姿をみせた。専有走行がスタートしたスーパー耐久第7戦富士に訪れ、TEAM IMPULのピットを訪問。家族同然の仲である元チームメイトの星野一樹監督、長年チームを支える高橋紳一郎工場長と再会を喜んだ。そして、ふたりが驚いたのが、トレルイエとともに来日したジュール・カズキ・トレルイエ。ブノワがまだ日本で戦っていた頃は幼かったジュールが、大きく成長していたのだ。
今回の来日の目的についてトレルイエに聞くと「まずは日本が大好きだからだよ。なるべく日本に来るようにしているんだ」と笑った。
「コロナ禍までは本当に頻繁に来ていたんだけどね。だけどコロナ禍以降、自分のチームを結成してヨーロッパでたくさんの仕事があったので、あまり時間がとれなかったんだ」
トレルイエは2020年、フランスで高級車コンシェルジュサービスを立ち上げ、2024年には自らのチーム『トラジェクトゥス・モータースポーツ』を立ち上げリジェJSカップ・フランス、ヨーロッパで人気のファンカップ、ERCヨーロッパ・ラリー選手権といったさまざまなカテゴリーに参戦しているが、今回息子ジュールとともに来日した理由は、ジュールの新たなキャリアを探るためだ。
「ジュールはレーシングドライバーとして2年間キャリアを積んできたんだけど、新しい経験を求めているんだ。もちろんジュールも日本が大好きだ。彼は日本で生まれているしね。そこで僕たちは話をして、来季どこで走りたいかを相談したら、日本が良いのではないかという話になったんだ。だから今回、日本でシートを見つけられるかどうか、少し調べに来たんだよ」
さっそくトレルイエ親子は一樹監督とともにパドックを歩き、柳田真孝ら同年代の旧友との出会いを喜びながら、さまざまなチームのピットを訪れた。
「ジュールは良いレースをしているし、タイムも良くなっているんだ。彼がプロフェッショナルドライバーになろうとする良いタイミングになりつつあると思うし、成熟してきていると思う。だからこのタイミングでトライしているんだ」とブノワ。
2025年、父ブノワが華々しいキャリアを築いてきた日本で、ジュールが戦うことができるかどうか気になるところだ。
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