2nd・TTはアウディ流スポーツカーの理想像を追求
TTクーペは、「技術による先進」を掲げるアウディの象徴的な存在だ。とくに2006年7月に登場した2ndモデルは完成度が高く、再評価が始まっている。1stモデル、そして現行車が、「手軽なスポーティクーペ」というキャラクターなのに対し、「アウディの考えるスポーツカー像」を具現化した存在だからである。
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3.2リッターの狭角V6DOHC24V(250ps/320Nm)を搭載した上級版3.2クワトロのライバルはポルシェ・ボクスターやBMW・Z4。自慢のクワトロ(4WD)システムにより、路面状況や速度を問わず圧倒的な安定性を見せつけ、ワインディングロードでのフットワークも一級品だった。
トランスミッションは6速DCT。0~ 100km/h加速は5.7秒で駆け抜けた。
メカニズム面の注目点は、ASF(アウディ・スペースフレーム)。アルミ69%、スチール31%のハイブリッド構造の導入で、大幅な軽量化と剛性アップ、そして前後重量配分の適正化を実現した。
空力特性も高水準である。ボディはCd値0.30のエアロフォルム。さらにリアエンドに可変式リアスポイラーを装着し、超高速域でも優れた安定性を確保する。1st・TTは高速域のダウンフォースが不足し、対策として後にリアスポイラーが装着されたが、2ndモデルは当初から完璧だった。
気持ちのいい爽快な速さ。クルマとの一体感が味わえる
そのスポーツカー性能を、現在の評価軸で測るとどうか。2007年モデルを連れ出した。取材車はSラインパッケージ装着車。フライハイト(Freiheit)製マフラーに交換されている以外は、オリジナル状態をキープした車両である。
乗り込んで、すぐに実感するのが絶妙なサイズ感。全長×全幅×全高4180×1840×1390mmのボディと、適度にタイトな2+2キャビンの組み合わせは「人車一体感」抜群。街中はもちろん、ワインディング路でも自信を持ってドライビングが楽しめる。
パフォーマンスは鮮烈。3.2リッターユニットは、全域パワフルで右足の踏み込みに即答する。マフラーが快音を奏でることもあって、瞬時にドライバーを非日常の世界へと誘う。
6速DCTも絶品である。カタログで「わずか 0.2秒でシフトチェンジ」と謳うように、変速はシャープ。パドル操作に即応するレスポンスは「快感レベル」。走りの楽しさを盛り上げる大きな要素になっている。
2nd・TTは、気持ちのいいスポーツカーだった。クワトロ・システムの開発を主導し、アウディを牽引したピエヒ博士はTTをこよなく愛したといわれるが、その理由がわかった気がした。
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みんなのコメント
スタイルは良い!ただ、MTが無いのが惜しい。