11月30日~12月1日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1大会。今季の最終大会で全3戦中2戦を制し、2024年のチャンピオンを獲得した小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が、第3戦の後に新チャンピオンとして記者会見に臨んだ。
小出は1999年大阪府東大阪市生まれ。レーシングカートを経て、2019年に鈴鹿サーキットレーシングスクール(現ホンダレーシングスクール鈴鹿)のスカラシップを獲得。FIA-F4では2年目の2022年にチャンピオンを獲得すると、2023年にTODA RACINGからスーパーフォーミュラ・ライツにデビューを果たした。
小出峻と野中誠太の戦いは思わぬ結末に。明暗分かれたSFライツの2024年王座争い
2024年はB-MAX RACING TEAMに移籍し、TOM'S勢との戦いを制し見事2年目でチャンピオンを獲得した小出は、一夜明け第3戦までレースを終えた後に2024年チャンピオンとしての喜びを語った。
「自分にとって2年目のスーパーフォーミュラ・ライツでしたが、使用する道具も新しくなって初めての感覚が大きく、チャレンジャーの気持ちで挑んできました」と小出はシーズンを振り返った。
「本当に一年間楽しいことも苦しいこともチーム内ではありましたが、最終的に本当に大切なのは人の支えだと思いました。自分ひとりだけでは絶対にこの場には立てないですし、今年一年、(アドバイザーの)武藤英紀さんをはじめチームの皆さん、本当にすべての方々が僕を助けてくれたと思っていますので、このチャンピオンは僕ひとりだけではなく、みんなで獲ったものだと思っています」
今季は第5大会の岡山で2勝、2位1回と大きくポイントを稼ぎ、その時点でランキング2位だった野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)との差を広げていた。「自分としては岡山を終えて点差が広がったことで『タイトルを獲れるんじゃないか』と思う自分が嫌でしたが、まわりからもそう言われて、多少『いけるのかも』と思った部分もありました」と小出。ただ、続く鈴鹿ではわわずか4点の獲得に留まり、2勝を挙げた野中に9ポイント差まで迫られての最終大会だった。
「でもその鈴鹿があったからこそ、今回のもてぎでダブルポール、2勝という結果に繋がったと思うので、やはりシーズンは最後まで気を抜かずに、最後までやり切ることが大事だと思いました」と小出は語った。
若手登竜門であるスーパーフォーミュラ・ライツのチャンピオンは、国内トップカテゴリー、あるいは海外への“切符”とも言える。小出は2025年に向け「こうしてチャンピオンを獲って、来シーズン以降はもちろん上のカテゴリーに上がって、そこでしっかり戦うことができればと思いますが、そこはもちろんどうなるかはまだ分かりません」と来季のフィールドはまだ決まっていないことを語りつつも、どのカテゴリーで戦うにしろスーパーフォーミュラ・ライツでの経験が活きると強調した。
「2年間スーパーフォーミュラ・ライツを戦ってきて、いろんな経験を積むことができましたし、このクイック&ライトなクルマでいろいろなことを学ぶことができました」
「自分自身としても大きく成長することができた自信があるので、来年以降どのカテゴリーにいったとしても、自分が全力で戦えばまわりのドライバーに引けをとらない速さで戦えると思っています。来年以降のステージで、しっかり活躍したいと思います」と小出は将来に向けて笑顔をみせた。
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