MotoGP2023年シーズンに向けてはライダーのメーカーを跨いだ移籍がいくつかあった。そのひとりが撤退するスズキからLCRホンダへ移るアレックス・リンスだが、チーム側は彼に大きな期待を抱いているという。
リンスはこれまでスズキ一筋でMotoGPに参戦してきたライダーだ。彼は最終戦バレンシアGP終了後のポストシーズンテストで、初めて直列4気筒ではない、V4のホンダ・RC213Vをテストした。
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LCRを率いるルーチョ・チェッキネロ代表は、Motorsport.comの独占インタビューに応じるとテストでのリンスの様子などについて答えた。
「HRCは(2023年型の)プロトタイプを持ち込んでいたが、我々はテストしなかった」
ポストシーズンテストでの新型マシンの様子について聞かれたチェッキネロは、そう答えた。
「リンスにとってはホンダの初乗りだったし、彼を混乱させることなく、適切な仕事を可能にするためにも、2022年型を試させるようにしたんだ」
「そしてライディングポジションや電子制御を彼のスタイルに合わせたりといったことをテストした。プロトタイプはテストしていないから、新型についての印象は伝えられないな」
新型マシンについてはそう語る一方で、チェッキネロはリンスとの初仕事を通じての印象は非常に良いと評価している。
「印象としては非常に、非常にプロフェッショナルなライダーに会えたことを嬉しく思っているよ。アレックスは献身ぶりや集中力を示してくれたし、非常に真面目でよく気がつくライダーだった」
「1日しか取り組んでいないため、細かい部分にまで手を回すことは難しかった。ただ第一印象としてはかなりポジティブだった。100%のプロフェッショナルだった。もちろん、我々のライダーはこれまでも皆、プロフェッショナルだったがね」
なおスズキとリンスの契約は12月末まで続いているため、テスト後に彼から詳細なコメントはされていない。ただ、チェッキネロによるとリンスはマシンのいくつかの面でポジティブであったという。
「スズキとの合意で、我々とライダーは技術的なコメントはしない、もしくはあまり詳細を語らないことを決めているんだ」
「私から言えることは、アレックスはマシンのいくつかの面ではかなりポジティブだったということだ。もちろん、彼の意見として改善が必要なポイントもあった」
「テスト結果には興味は無いよ。重要なのは彼をバイクで適切なポジションにつけることだ。そのために、ハンドルやシートなど、いくつか変更を加える必要のある部品もあった」
「最初の目標は彼がこのバイクを快適に感じられるようにすることで、それにはもっと時間が掛かる。他の面では電子制御も対処が必要だ。ライダーはそれぞれが独自のアクセルの使い方をするし、できる限り右手の動きが正確になるようにする必要がある」
LCRホンダで近年最も実績を残してきたライダーは間違いなくカル・クラッチローだ。リンスという実績豊富なライダーがクラッチローの再来になると思うかと聞かれたチェッキネロは、リンスと共に再び好結果を出せるようになりたいと語った。
「間違いなく、それが我々の目標だ。この2年間、我々は表彰台を獲得することができなかった。ランディ・ド・プニエ(2009)、ステファン・ブラドル(2013)、クラッチロー(2015~2019)のようにね。残念ながら、アレックス・マルケスとは成功する事ができなかった。だが、両者ともに100%を出し切ったんだ」
「リンスとは、できればより競争力のあるホンダのマシンと共に、よりしっかりとした結果を出せればと思っている。チームとしての歴史に一致するような、ね」
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