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FL5型シビックRのTCR UK実戦デビューは表彰台&クラッシュの結末に。イタリア王者もスイッチへ

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FL5型シビックRのTCR UK実戦デビューは表彰台&クラッシュの結末に。イタリア王者もスイッチへ

 世界のどこよりも早く『FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR』の実戦デビューが決まり、話題を集めたTCR UKシリーズ開幕戦が4月8~9日にスネッタートンで開催され、昨季チャンピオンを獲得したクリス・スマイリー(リスタート・レーシング)が新型デビュー戦で3位表彰台を獲得。しかし続くレース2では勇足からの単独クラッシュを喫するなど”天と地”を味わう週末となった。

 一方、その新型『FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR』は、今季2023年に向け順次デリバリーが開始されており、製造を担うJASモータースポーツの地元でも昨季TCRイタリア王者となったニールス・ラングフェルドがドライブすることも発表されている。

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 このTCR UK開幕を控え、TCR規定を統括するWSCは最新のBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)のリストを公開し、ホモロゲーション承認を経た新型シビックの数値もアナウンス。最低重量は1265kgでバラストなし、エンジン出力は100%のパワーを使用することが許可され、最低地上高は80mmとされた。

 改訂に際しては4台のモデルにも数値の変更が適用され、ヒョンデi30 N TCRはバラストが-10kg(40kg→30kg)と10mmの車高ダウン(90→80mm)、同じくヒョンデのヴェロスターN TCRも-10kg(40kg→30kg)に。そして小排気量モデルとしてライトウエイトを武器に戦うプジョー308TCRと、マイナーチェンジの後期型が世界戦に投入されるリンク&コー03 TCRの”Gen1”モデルも、それぞれ-10kgの措置を受けた。

 その発表とときを同じくして、現TCRイタリア王者であるラングフェルドは、タイトル防衛に向けヒョンデからホンダにスイッチし、新たにMMモータースポーツとの契約締結を発表。今季は新型シビックRのステアリングを握ることが決定した。

「ツーリングカーレースにおいて、最も競争が激しいシリーズのひとつでチャンピオンシップを獲得すると、当然、強力なオファーに大きな期待を寄せたくなる」と語ったオランダ出身のラングフェルド。

「今季に向けてはヒョンデとの契約を継続するつもりだったが、残念ながら交渉は失敗に終わった。それでも、前向きな気持ちで一緒に過ごした時間を振り返りたいし、それは素晴らしい冒険だった」とヒョンデ・エラントラN TCRで4勝を挙げ、ともにタイトルを獲得したターゲット・コンペティションに惜別の辞を贈った。

「そしてJASとMMモータースポーツは当初から非常に決意が固く、彼らが提供したパッケージは非常に有望に見えた。僕は素晴らしいチームのために、真新しいクルマをドライブすることになったんだ! この機会を与えてくれた彼らに非常に感謝しているし、No.1であり続けるモチベーションが湧いているよ」

■レース1で新型シビックが表彰台獲得も、レース2ではクラッシュ
 迎えたFL5型のグローバルデビュー戦には、総勢24台のTCR車両が集結し、土曜早朝のセッションからスネッタートンのロング版レイアウト『300』を使用しての走行に。この週末を前にドニントンパークで成功裡にシェイクダウンを終えたディフェンディングチャンピオンとFL5型シビックRは、プラクティス開始から長らくタイムボードのトップに居座り続けたが、最終的に18歳のアレックス・レイ(エリア・モータースポーツ/ヒョンデi30 N TCR)がタイムを更新してみせた。

 続く予選ではブラッドリー・ケント(エセックス&ケント・モータースポーツ/ヒョンデ・ヴェロスターN TCR)が最速となったものの、速度超過のペナルティで降格。代わって、週末直前に代役起用で招集された元TCRヨーロッパ王者、ジョシュ・ファイルズ(エリア・モータースポーツ/ヒョンデ・エラントラN TCR)がレース1のポールポジションを射止め、5番手タイムだったスマイリーのFL5は4番グリッド発進へと変わった。

「本当にガッカリだ。残念ながらホイールスピードセンサーの断続的な読み取り不良により、僕らの過失ではない技術的違反で速度超過があったようだ」と、最後尾スタートに回ったケント。

 明けた日曜のレース1はスタートで勝敗が決し、出遅れたファイルズは3番手発進の僚友ブルース・ウィンフィールド(エリア・モータースポーツ/ヒョンデi30 N TCR)に飲み込まれると、同じく先行されながらもマシントラブルで戦列を去ったアダム・シェパード(エリア・モータースポーツ/ヒョンデi30 N TCR)に代わって2番手に復帰。そのままチームのワン・ツーを維持してチェッカーを受けた。

 その背後、ルイス・ブラウン(カメレオン・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)との3番手争いを繰り広げたスマイリーは、背後からのプレッシャーを受け続けたブラウンが10周目にワイドとなり、新型シビックに表彰台をプレゼントする結果に。

 続いてトップ10リバースグリッドで争われたレース2では、後方8番手から上位進出を期したスマイリーが、コーナーのインカットで姿勢を乱しガードレールにクラッシュ。セーフティカー出動の引き金となってしまう。

 3周目のリスタート以降、立て続けのオーバーテイクで首位を奪ったのはファイルズで、元欧州王者は追い縋るブラウンとのマージンもコントロールし、完勝パターンに持ち込んだ……かと思われた。

 しかし背後のブラウンがファステストで詰め寄った残り2周の段階で、ファイルズのエラントラは白煙を上げてストップ。マーシャルを呼び消火器でエンジンのダメージを軽減すべく奔走したファイルズを尻目に、ファイナルラップを首位で周回したブラウンが勝利を手にし、レイとウィンフィールドのヒョンデ勢が続く表彰台となった。

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