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壮絶な同門対決。最終周にクラス優勝を失ったKCMGのファントール「赤ん坊のように泣いた」/デイトナ24時間

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壮絶な同門対決。最終周にクラス優勝を失ったKCMGのファントール「赤ん坊のように泣いた」/デイトナ24時間

 KCMGからIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間レースのGTDプロクラスに参戦し、最終ラップまで続いた激闘の末に勝利を失ったローレンス・ファントールは、チェッカー後のクーリングラップで「赤ん坊のように泣いた」と語った。

 最終スティント、ファントールがドライブした2号車ポルシェ911 GT3 Rは、パフ・モータースポーツ9号車ポルシェ911 GT3 Rを駆るマシュー・ジャミネと、クラス優勝を懸けた壮絶なバトルを展開していた。

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 コツコツと互いのポルシェを接触させながらバトルを演じていたふたり。残り4分のタイミングでファントールが一度はトップに立つが、最終ラップのターン3でジャミネがインにマシンをねじ込んで再逆転を果たす。

 その後のインフィールドセクションでも2台はぶつかり合いながら走り、オーバルのバックストレッチ上に設けられたル・マン・シケイン進入でサイド・バイ・サイドにもつれ込んだ。

 互いに引けない争いとなるなか、2台はマシン側面同士で接触。ジャミネがそのままチェッカーまで逃げ切った一方、スピンを喫したファントールは3位に転落してしまった。

「僕にとっては、これがまだ勝っていない唯一の24時間レースだった。だから、僕が成し遂げたいとても大きな目標だった」と、パトリック・ピレ/デニス・オルセン/アレキサンドレ・インペラトーリとともに3位表彰台に立ったファントールは語っている。

「チームにとっては、今回がスポット参戦だったので、僕らにとっては勝つか打ち砕かれるか、だった」

「できる限りのことは試みたけど、残念ながらそれだけでは充分ではなかった。僕はおそらく、このレースを頭のなかで200回は再生するだろう。嘘ではなく、チェッカー後のラップでは赤ん坊のように泣いた」

「だけど、こういうものだ。これがモーターレーシングなんだ」

 ファントールのオーバーテイクの試みは、すべてインフィールドセクションで行われてきたが、最終ラップに限ってはそのセクションでオーバーテイクを許したため、残るオーバルのバンク部分か、シケインでジャミネをパスする選択肢しかなかった。

 KCMGのポルシェがブレーキングとコーナリングに優れると信じたファントールは、バックストレッチ上のシケイン進入でジャミネに挑むことを決意した。

「僕はトップスピードを得ることができなかった」とファントール。

「僕らはインフィールドで速く、彼ら9号車はストレートでより速かった。僕はどこでも仕掛けていった」

「僕はマシューが好きだ。彼のところに行き、おめでとうと言ったよ。僕らは互いに大きな敬意を持っているし、同僚でもあることは明白だからね」

「僕はこのレースに勝ちたいと思ってドライブした。彼もまた、同じだった。そのことについては、まったく問題を感じていない」

「僕らはとても、とても、とても激しくレースをし、文字どおり互いをトラックから追い出しもした。僕らはともに同じ方法でそれをやり、彼らはトップに立った。彼らに対して、嫌な感情はまったく持っていないよ」

 一方、マット・キャンベル/フェリペ・ナッセとともにクラス優勝を果たしたジャミネは、「ストレスが溜まるものだった」と最終盤を表現したが、最後の3時間を5秒以内の差で走る状況のなか、チェッカー間際が接近戦になることを予期していたという。

「彼は何度も僕らにチャージしてきたので、最終ラップまで厳しい戦いになるだろうと思っていた」とジャミネは語っている。

「彼が僕を追い抜いたとき、僕はまだチャンスは来るものと分かっていたけど、それは1度しか来ないだろうと思っていた。彼が僕にしたように、僕も勝負に出たんだ」

「素晴らしいバトルで楽しくもあったけど、それは確かにストレスが溜まるものだった」

「マットと僕にとって、そしてチームの若者たちにとっても、僕らが何を成し遂げられるかを示せたのは、素晴らしいことだった」

 ファントールにとって興味深い偶然の一致は、自身が昨年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDクラスタイトルを獲得したパフ・モータースポーツを相手に、勝利を争ったことだった。

 パフ・モータースポーツは今季、GTDプロカテゴリーでジャミネとキャンベルを擁しフルシーズン参戦するが、一方でファントールはル・マン24時間とニュルブルクリンク24時間で同チームのラインアップに加わる予定となっている。

「僕は事前に彼らに伝えていたんだ、『ベストを尽くした者が勝つだろう』、そして『申し訳ない』とね。なぜなら、こういう(展開)になるだろうと感じていたからだ」とファントール。

「だけど、今日は彼らがそれを成し遂げたんだ」

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