社内コードネームは「ラムダ」
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
【画像】モデルX、Iペイス、UX300e、アリア【ロータス・エヴァイヤと電動SUVを写真で見る】 全175枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
ロータスは、その歴史の中で最も重要なモデルの1つであるSUVの開発に着手している。これは、中国の親会社であるジーリーによる「ロータスを世界をリードするラグジュアリーブランドへと復活させる」というコミットメントの一環だ。
AUTOCARの得た情報によると、社内コードネーム「ラムダ」と名付けられた新型SUVは、ハイブリッドではなく完全なる電動パワートレインを採用するという。また、高級EVの需要が依然として高い中国での生産も予定されている。
ロータスの元CEO、ジャン=マルク・ゲイルズの下で構想されたこのプロジェクトは、2016年に初めて表面化した。その時点では、当初はジーリー傘下の兄弟ブランドであるポールスターやボルボが採用しているような高性能のハイブリッドシステムが使われるものと考えられていた。
当時と比べてEV市場は成長し、特に昨年120万台が販売された中国などではEV化を促進するための奨励金制度が一般的となっている。そのため、当初の計画を覆し、完全EVにすることが決定されたのだと思われる。
ロータスが期待するのは、中国や米国といった大きな市場での販売拡大だ。目標は、今後数年で販売台数を3倍以上にすることで、年間1500台から約5000台への増加を目指す。
販売増に向けた最初のステップが、来年デビューが予定されているV6エンジンのハイブリッドスポーツカー、「エスプリ」である。
英ノーフォーク州ヘテルの生産拠点は大規模な改装を受けており、理論的には年間1万台の生産能力があるため、新型SUVの生産もそこで行われる可能性がある。しかし、ヘテルはスポーツカー生産の中心地である。
ロータスは中国の武漢に最近完成した、年産能力15万台を誇る10億ポンド(1358億円)の工場を利用することで、スケール・メリットを得ようとしている。そこで作られるのは大部分が国内市場向けのジーリー製品だが、ロータスのSUVを製造するために特別なセクションが設置される予定だ。
需要に応じて、世界各地のジーリー工場でも生産される可能性がある。
シャシーやパワートレインは独自開発
新型SUVの基本構造は、最近発表されたジーリーの「サステイナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャ(Sustainable Experience Architecture)」を応用したものだ。
コンポーネントは基本的にジーリーグループで共有することになるが、エンジニアリングはヘテルの開発陣に委ねられている。スパーカーのエヴァイヤで得た経験も生かされるだろう。
ロータスは、重いバッテリーを搭載しても軽量を維持できるように、素材の研究に長年取り組んできたと思われる。2017年、ジーリーのデザイン責任者であるピーター・ホーバリーは次のように語っている。
「エヴォーラのような軽さになることは絶対にありません。しかし、ロータスのモデルである以上、SUVで最も軽量でなければなりません」
テスラ・モデルXの重量が、最も軽いP100Dで2500kg強であることを考えると、ロータスは2000kgを目指しているのかもしれない。
そうなれば、走行性能にも期待できる。AUTOCARは、2つのバリエーションが設定されると考えている。2基の電気モーターを搭載した600psのベースモデルと、最大750psのフラッグシップモデルだ。
これにより、モデルXに対抗するために必要なパフォーマンスを得ることができるはずだ。
航続距離も競争力があると予想されている。ロータスの目標は580kmだが、それ以上も目指せるだろう。
ロータスは新型SUVについてコメントを避けたが、「継続的な多額の投資」により「非常に明るい未来」を見据えているとし、「最高のドライバーズカーを提供することに焦点を当てている」と述べた。
発表イベントは、2023年の販売開始に先立ち、2022年に開催される予定だ。
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みんなのコメント
いつか乗ってみたいと思っていたボルボやロータスなど中国企業傘下になったことで購買意欲がなくなった。
日本ブランドが中国企業傘下にならないことを切に願う。