現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 2026年の新規則導入に備えるアストンマーティンF1、リソース分配に加えて“風洞の移行”が悩みの種に

ここから本文です

2026年の新規則導入に備えるアストンマーティンF1、リソース分配に加えて“風洞の移行”が悩みの種に

掲載
2026年の新規則導入に備えるアストンマーティンF1、リソース分配に加えて“風洞の移行”が悩みの種に

 グリッド上のほとんどのチームと同様に、アストンマーティンF1は2025年と2026年に向けて異なるマシンを開発するなかで最適なバランスを見出そうとしている。しかしアストンマーティンの場合、いくつか固有の要因によって計算は複雑になっている。

 来年のレギュレーションはほぼ変わらないが、チームが現在のパフォーマンスを向上させるために行える微調整は今もある。今年、マクラーレンとメルセデスが進歩を遂げて、レッドブルの覇権に食い込んだことが示しているようにだ。

イモラからの不調を打開したアストンマーティンの地道な努力【2024年F1前半戦アップデート総括】

 しかし2026年シーズンには、可動式空力パーツ、ホイールベースの短縮、幅の狭いデザインなど、非常に広範囲にわたって技術仕様が刷新される予定だ。つまり、来年の“通常通り”のマシンに費やされる作業の多くが、12カ月後に新レギュレーションが施行されるとほぼ即座に放棄される可能性があるということだ。

 一方でFIAは、早まったチームが限られた予算と技術資源を使い、1月1日より前に2026年型マシンの開発を始めることを防ぐために、厳しい規則を設けている。これは、チームができるうちに2025年に向けた作業を押し進めていることを意味する。『Motorsport Week』の報道によると、アストンマーティンのテクニカルディレクターを務めるダン・ファローズは、最近メディアにそのように語ったという。

 2025年型F1マシンの開発の完了に向けたさらなる取り組みについて尋ねられたファローズは、「多くのチームが同じことをするだろうと確信しているが、我々はAMR25をできるだけ早く最高の状態にすることに集中している」と語った。

「これは誰にとっても大きな挑戦となる。リソースの分割は、特に来年両方に向けた作業ができるようになると、大きな課題となるだろう。2025年型マシンにどれだけの労力を注ぎ、2026年型マシンにどれだけのリソースを投入するのかということだ」

「エンジニアに対して最も避けたいのは、彼らに同時にふたつの課題を与えることだ。彼らは、自分がどのマシンを扱っているのかといったことを忘れ始めてしまう。我々にとって重要なのは、彼らが明確な目的を持ち、何に取り組んでいるのかを正確に理解できるようにすることだ」

「しかしリソースの移動に関しては、しっかり適応できるようにする必要がある」

 関係する重要なリソースのひとつは風洞だ。アストンマーティンは現在、空力開発テストのためにブラックリーにあるメルセデスの施設を使用しているが、シルバーストンに独自の新しい風洞を建設しており、その作業が最終段階に入っている。そして、これはファローズと彼のチームにとってさらに大きな頭痛の種となる。なぜなら、一方から他方への移行には、ふたつの並行した開発プログラムの間に明確な終了日を設ける必要があるからだ。

「一度に指定できる風洞はひとつだけなので、ひとつの風洞から別の風洞に移る日付について合意する必要がある。もちろん、その日付を選ぶのは重要なことだ。それは、新しい風洞を準備し、新しいモデルを用意しなければならないということだ」

「我々が何をすべきかは非常に明確で、その日付を決めなければならないだけだ」

 理論的には、AMR25の開発を途中でブラックリーから自社の最新鋭の風洞に移管するなど、他の選択肢を取ることもできる。しかし、あらゆる選択にはリスクとコストが伴う。この時点でファローズが言えるのは、「もし望むなら、そうしたことをするための選択肢はすべてそろっている」ということだけだった。

 アストンマーティンは2023年シーズンに好調なスタートを切り、その年のレッドブルと肩を並べる強豪チームとなったが、シーズンが進むにつれて後退した。今年はマクラーレンやメルセデスなどのライバルと比べて進歩を維持するのに苦戦していて、アストンマーティンは現在コンストラクターズランキングで5位につけており、4位のメルセデスに約200ポイント差をつけられている。

 伝説的デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイがレッドブルを退団するにあたって、2025年にアストンマーティンが彼と契約しようとしているとのうわさが今もささやかれ続けている。イタリアのメディア『Autosprint』は、契約が締結されたと報じたが、この件に関してはF1のサマーブレイクが終わるまで公式発表は行われないだろう。またアストンマーティンはすでに、元メルセデスのエンジンの第一人者アンディ・コーウェルと、フェラーリのシャシー担当テクニカルディレクターを務めていたエンリコ・カルディレとの契約を確保している。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

地上を転がって移動できるドローン!? DICが「CES 2025」で発表へ
地上を転がって移動できるドローン!? DICが「CES 2025」で発表へ
レスポンス
FIA/WRCがラリージャパンのSS12キャンセル理由を説明「許可されていない車両が進入し、スタートラインを塞いだ」
FIA/WRCがラリージャパンのSS12キャンセル理由を説明「許可されていない車両が進入し、スタートラインを塞いだ」
AUTOSPORT web
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
くるまのニュース
F1ラスベガスGP決勝速報|フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇! 優勝は盤石ラッセルでメルセデス1-2。角田は9位入賞
F1ラスベガスGP決勝速報|フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇! 優勝は盤石ラッセルでメルセデス1-2。角田は9位入賞
motorsport.com 日本版
[F40]だって夢じゃねぇ! [中古車]バブルが崩壊したらあなたは何を買う
[F40]だって夢じゃねぇ! [中古車]バブルが崩壊したらあなたは何を買う
ベストカーWeb
突如裏切る日本の路面。「あちこちでスライド」「一体どこでパンクしたのか」/ラリージャパン デイ2コメント
突如裏切る日本の路面。「あちこちでスライド」「一体どこでパンクしたのか」/ラリージャパン デイ2コメント
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが2024年チャンピオンに輝く。これで4連覇! 優勝はラッセルでメルセデス1-2。角田も耐えのレースを凌ぎ9位入賞|F1ラスベガスGP決勝
フェルスタッペンが2024年チャンピオンに輝く。これで4連覇! 優勝はラッセルでメルセデス1-2。角田も耐えのレースを凌ぎ9位入賞|F1ラスベガスGP決勝
motorsport.com 日本版
勝田貴元、3度目のWRCラリージャパンは総合4位。トヨタのメーカータイトルに安堵も「来年は表彰台の一番上で」
勝田貴元、3度目のWRCラリージャパンは総合4位。トヨタのメーカータイトルに安堵も「来年は表彰台の一番上で」
motorsport.com 日本版
災害時&過疎地の新ヒーロー? 「移動ATM車」をご存じか
災害時&過疎地の新ヒーロー? 「移動ATM車」をご存じか
Merkmal
[Pro Shop インストール・レビュー]メルセデスベンツ GLC(根本俊哉さん)by イングラフ 後編
[Pro Shop インストール・レビュー]メルセデスベンツ GLC(根本俊哉さん)by イングラフ 後編
レスポンス
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
乗りものニュース
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
motorsport.com 日本版
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
WEB CARTOP
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
くるまのニュース
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
Auto Messe Web
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
AutoBild Japan
ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
レスポンス
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村