12月21日、スバルテクニカインターナショナル(STI)は静岡県の富士スピードウェイで、2024年のADAC・ラベノール・24時間(ニュルブルクリンク24時間レース)に挑むSTI NBR CHALLENGE 2024のお披露目会、シェイクダウンを行った。2023年はトラブルで悔しい挑戦となったが、2024年は「なんとしても勝ちたい」という強い思いのもと、入念なトラブル対策とともに必勝を期する。
2008年からニュルブルクリンク24時間への挑戦を続けているスバル/STIは、2020~21年こそコロナ禍のため参戦が叶わなかったものの、2022年から挑戦を再開。22年はクラッシュを喫するレースとなったが、その悔しさを晴らすべく、2023年は新型2.4リッター直噴ターボエンジンを積んだWRX S4をベースとしたSTI NBR CHALLENGE 2023で挑んだ。
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ただ、2023年はエンジン冷却水回路不良、発電の不具合、サスペンショントラブルによる接触、エキゾーストマニフォールド排気漏れなど度重なるトラブルにより、レース中ピットでの大改修を強いられてしまい、SP4Tクラス2位という結果に終わっていた。
迎える2024年の挑戦は、辰己英治総監督が「2023年には新しい技術も投入してきたにもかかわらず、ドイツに忘れ物をしてきてしまった。それをどうしても取り返したい。2024年になんとしても勝って帰ってきたい」という強い思いをもって臨むレースだ。
そんな強い思いに向け、STIはノートラブルでの完走を目指し、技術開発の推進、人材育成などを実施した。技術面での信頼性向上では、フロントスタビライザーブラケットの締結軸力アップ、エキゾーストマニフォールドはインコネル系材料の採用や形状の見直し、さらに発電不具合の対策として代替品のオルタネーターを採用するなど改良を行ってきた。また冷却水についても、水配策の見直し、エアボリューム式タンクの新設、さらにエンジン主機もさまざまな強化を行うことで、パワーユニット全体の強化を行った。
もちろん、これらの改良は信頼性向上に加え、軽量化もあわせて実施。また空力面でも各種ガーニーの追加やトランクリッドの追加、翼端板拡大などを行った。また将来の市販車への採用を見据え、BBSジャパンとともに『STIフレキシブル・パフォーマンス・ホイール』というホイールを開発。微少舵反応、限界性能の向上を図った。
また車体だけでなく、2024年も全国のスバルディーラーからディーラーメカニックが参加。ドライバーについてはこの日、開発ドライバーとして佐々木孝太に加え、新たに久保凜太郎が紹介されている。
カラーリングについては、2023年同様WRブルーにSTIのチェリーレッドが採用されるが、2024年はよりシンプルに。クラス優勝のチェッカーを受けることをイメージしたチェッカー柄が、日本の象徴である桜模様に変化するものとなった。またユニークなのが、スマートフォンゲームアプリ『アズールレーン』とのコラボレーションだ。詳細はまだ明かされていないが、今後STIとアズールレーンでさまざまなコラボを行っていくという。
スバル/STIの市販車にも繋がる挑戦が続けられているニュルブルクリンク24時間への挑戦。2024年は予選での8分50秒達成、SP4Tクラスのポールポジション、決勝ではクラス優勝、さらにWRX史上最多ラップとなっている2019年の145周を超える146周走破、上位ターボ車クラスのSP8Tを含めたトップフィニッシュを狙っていく。
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