ベース車は現行Eクラス
1968年型のメルセデス・ベンツW115をイメージしたコンセプトカーが、デザイナーのデイビッド・オーベンドルファーの手によって発表された。彼が「控えめなラグジュアリー」と呼ぶデザイン思想が内外装から確認できる。
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この1960年代のメルセデスを思い起こさせる縦目のヘッドライトを備えたデザインはW115のオマージュではあるが、そのベースとなっているのは最新型Eクラスだ。オーベンドルファーはベース車の寸法には「実用上の変更を加えていない」と説明している。
内装にも手が加えられ、華美な装飾は可能な限り排除されているとのことだ。メタル部品が使われたステアリングのデザインはまさしくクラシック・メルセデスに通じるものだ。ダッシュボードはミニマルな造形で、スピードメーターなどにも使われる大型スクリーンが目立つ。
このモデルはメルセデスの歴史上重要な立ち位置を占めるチーフデザイナーでありW115をデザインしたポール・ブラックやブルーノ・サッコへの敬意を表するものでもある。
オーベントルファーはデザインスタジオに所属してはいるものの、彼のプロジェクトの多くは個人的に行なっているものだ。最近ではシトロエン・タイプHにインスパイアされたシトロエン・リレー・バンなどが発売されている。他にもルノー4やフィアット600など、彼の手がけるコンセプトカーは数十年前のモデルと現代のモデルの融合を目指すものだ。
「レトロ」という表現を使いたくなるデザインだが、彼自身はその説明を好まないようだ。「わたしは創作過程において、新たな発想を取り入れています。デザイナーとしては、単に『レトロ(復古的)』と考えて欲しくはありません」と語った。
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