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「オコンはチームプレイヤーになれない」その悪評が生まれた過去の遺恨と改善策。場合によってはF1シート喪失の可能性も?

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「オコンはチームプレイヤーになれない」その悪評が生まれた過去の遺恨と改善策。場合によってはF1シート喪失の可能性も?

 F1モナコGP決勝の1周目、アルピーヌのエステバン・オコンはターン8“ポルティエ”でチームメイトのピエール・ガスリーにオーバーテイクを仕掛けて接触し、チーム内部で波紋を生んだ。

 これまでも度々チームメイトとイザコザが起こったオコン。彼は今、変化を求められているのかもしれない。

■オコン&ガスリー同士討ち、激怒アルピーヌは「思い切った対応」を検討……懲罰的なドライバー交代の可能性も?

 モナコでは接触によりオコンのマシンが宙を舞い、着地の衝撃でサスペンションとギヤボックスを破損。レースをリタイアすることとなった。一方でガスリーはパンクやサスペンション破損のダメージを追ったが、後方での大クラッシュ発生による赤旗中断中に修復を終えリスタートを切ることができた。

 ただ最悪の状況では1周目に2台ともリタイア、ガスリーが10位で持ち帰った貴重な1ポイントもゼロになっていた可能性があったことから、チーム代表のブルーノ・ファミン代表は激怒。Canal+に対して「エステバンの飛び込みは完全に場違いだった」と語り、接触の“報い”を示唆した。

 アルピーヌは現在、ガスリーとオコンの間でこれ以上争いが起きないよう、選択肢を熟考しており、その中にはオコンを懲罰的に少なくとも1レースは“ベンチ送り”にするという可能性もあるようだ。

 アルピーヌとファミン代表が「思い切った措置」を検討することさえいとわないと公言するということは、ふたりのドライバーの仲がどれだけ険悪になっているかということを示唆している。ただ、長い間不仲と言われてきたこのふたりを組ませれば、いずれ必ず衝突することになるとは思われていた。

 ふたりの関係性は、ひとつの側面として考慮すべきモノだが、オコンがF1キャリアを通して向けられてきた「チームプレイヤーになるのに苦労している」という批判を証明することになる。

 オコンは、今はなきマノーで2016年に印象的なF1デビューを果たした後、2017年にフォースインディア(現アストンマーティン)へと移籍してセルジオ・ペレス(現レッドブル)とコンビを組んだ。

 当初オコンとペレスのふたりはより良い関係性を築けていたように見えたが、その年のカナダGPで関係性は一変した。前を走るダニエル・リカルド(当時レッドブル/現RB)を追いかけるため、オコンはペレスが自身を前に行かせるべきだったと主張したのだ。

 その2週間後、オコンはアゼルバイジャンGPでペレスをウォールに押しやり、ペレスはその場でリタイアとなった。当時ペレスは、レース展開も考えれば、フォースインディアにF1初優勝を届けることがあったかもしれないと考えていた。

 シーズン後半、オコンとペレスのふたりはハンガリーGPでも再び接触。ベルギーGPでも2度接触した。ペレスはスパのオールージュへの進入での接触については全責任を認めたものの、28周目のラソース出口での接触は、オコン側が「限界を越えていた」と語り、フォースインディアは残るシーズンでのコース上でのバトルを禁じた。

 しかしオコンとペレスの関係性には、2018年のシンガポールGPでも緊張が走った。オコンがターン3のアウトサイドからペレスを抜こうとした際、ホイール同士が当たり、このケースではオコンが最悪の結果に終わった。

 これほど激しいバトルを繰り広げたコンビも少なく、ペレスは後に、チームメイトとして特にオコンと仲が良かった訳ではないと認めた。

 オコンがリカルドとコンビを組んだルノーでの2020年シーズンは、リカルドの方がずっと前を走っていることが多く、オコンとコース上でバトルを繰り広げるようなことはなかったが、2021年にフェルナンド・アロンソ(現アストンマーティン)がアルピーヌからF1復帰を果たした際は時折緊張が走った。

 アロンソは当初、オコンとのコンビを歓迎。ハンガリーGPではメルセデスのルイス・ハミルトンを相手にオコンのF1初優勝に貢献したが、翌2022年の同GPではレーススタートでオコンに行く手を阻まれたことを苦々しく思っていた。

 サウジアラビアGPでオコンにウォールへ押しやられかけたり、サンパウロGPスプリントでのバトルでコース外に追いやられて縁石でマシンコントロールを失いかけたりと、アロンソはオコンの行動には満足していなかった。

 サンパウロGPでアロンソはオコンへのやり返すためオーバーテイクを仕掛けたが、ホームストレートで接触。アロンソはその責任を認めたものの、シーズンを通してのオコンのディフェンスに憤りを感じていた。

 サンパウロGP後、ふたりは話し合いで決着をつけるのかと尋ねられたアロンソは「いや、そうじゃない。そんな必要はない。あと1レースだ。ようやく終わる」と吐き捨ててアストンマーティンへと移籍していった。

 そして2024年現在、オコンはまたしてもチームメイトとの不和を生んだ。ファミン代表がどのような決断を下すかはまだ分からないが、ふたりのドライバーに警告を発し、分別のある行動ができないのであればコンビ間でのバトルを禁ずることになるだろう。

 仮にオコンがベンチ送りになれば、アルピーヌでのキャリアに終止符が打たれるだけでなく、他チームからのドライバー候補リストから外されることになるかもしれない。

 来季のシートが確定していないチームでは、キック・ザウバー/アウディやハースがオコンに興味を示していることが知られているが、チームプレーができないという評判が高まれば、彼らの興味を削いでしまうかもしれない。

 オコンは以前、2019年のようにドライバー市場の外に追いやられたくはないと話していた。2025年のシートを確保するためには、残りのシーズンでガスリーと協力し、より慎重なアプローチができることがカギとなる。

 オコンはチームメイトの意見を完全に受け入れるなど、正確を180度変える必要があるわけではないが、時に慎重であるに越したことはない。

 ガスリーとの仲直りはその手始めであり、もしオコンが1段階成長してチームのために調和の取れたコンビネーションを見せることができれば、アルピーヌはふたりをチームに残留させても問題ないと感じるだろう。そうでなければ、2024年限りでシートを喪失するのはオコンになる可能性が高いかもしれない。

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みんなのコメント

1件
  • tak********
    まあ、このままクビじゃネ?代わりは居るし。オコンでなければならない理由は無い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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