10月6~9日の開催が迫った南半球を代表するシリーズの祭典『レプコ・バサースト1000』のレースウイークを前に、来季2023年のRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップへの投入が予定される新規定車両“Gen3”版の『フォード・マスタング・スーパーカー』が世界初公開された。また、シリーズに参戦する各陣営は、週末の耐久カップ戦に向けた“スペシャル・リバリー”を続々と披露している。
9月14日に世界初公開された量産モデルの“第7世代”刷新に合わせ、最新フェイスを採用することがアナウンスされた“Gen3”マスタングは、豪州大陸を代表する“聖地”マウントパノラマのイベント会場で、世界に先駆け「現実に存在する第7世代ベース初のレーシングカー」としてアンベイルされた。
第7世代『フォード・マスタング』の世界初公開を受け、2023年投入“Gen3”も最新ルックで登場へ/RSC
この新型車両は現地時間木曜15時30分より実施されるデモンストレーション・ランで初めてコースインし、現在はフォード陣営のホモロゲーション登録を担当するディック・ジョンソン・レーシング(DJR)の代表を務め、自身もドライバーとして『バサースト1000』3勝を挙げているディック・ジョンソン御大がステアリングを握る。
北米フォード・パフォーマンスのモータースポーツ部門で、グローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは「計画どおり、世界で初めて“レーシング・フォーム”の第7世代マスタングをお見せできたのは素晴らしいこと」だと喜びを語った。
「このスーパーカー・バージョンの発表は、我々の第7世代“S650”モデルがこれから主戦場として勝負に挑むGT3、GT4、NASCAR、NHRAの先陣を切る記念すべき車両になる。マスタングは過去58年間、トラックの内外でアイコニックなブランドであり続けて来たし、その伝説はこれからも世界中で続くはずだ」と続けたラッシュブルック。
「私個人としても、マスタングはレースのために生まれてきたといつも言って来たが、それは今日、これまで以上に真実として響く。このフォード・マスタング“Gen3”スーパーカーは、2023年にレースを戦う準備ができているよ!」
既報のとおり、ここまで旧型モデルとなった“S550”のエクステリアで『VCAT』と呼ばれるホモロゲーション適正検査を受けて来たマスタングは、改めてこの“S650”のエアロダイナミクスで承認登録申請に向けた作業を開始。すでに来季よりフォードへのスイッチを表明済みのウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)を加え、少なくとも9~11台のマスタングが3月の開幕戦グリッドに並ぶ目算だ。
「この新しいGen3マスタングを、世界に紹介できることを非常に誇りに思う。ここマウントパノラマで開催される“グレート・レース”ほど、それを行うのに適した場所はないからね」と語るのは、フォード・オーストラリアとニュージーランドの社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるアンドリュー・ビルキッチ。
■ライバル陣営もバサースト1000に向けてスペシャル・リバリーを続々と公開
「すべてのスーパーカー・ドライバーたちと一緒に、情熱的なフォード・ファンの前でこのクルマを目撃できるのは特別な瞬間だ。それに今日の午後、ディックが最初のラップでマシンに乗るのは非常にふさわしいよね。彼はこのスポーツ界のレジェンドであり、フォードの素晴らしいアンバサダーなのだから。センセーショナルに見えるし、ラウドで、ファストなこのクルマが、トラックに出るのが待ち切れないよ」
そのDJRは、2022年の『レプコ・バサースト1000』で出走1000レースを迎えるのを記念したトリビュート・カラーリングを発表。ディック・ジョンソンが息子のスティーブンと初めてタッグを組んだ、1998年のELファルコンを模したスキームを採用している。
「(創設の)1981年にDJRがどうなるかは予想もつかなかったが、こうしてバサーストで参戦1000レースを祝えるなんて、信じられないほどだ。1年で最大のイベントで、こうしてトリビュート・スキームをまとう日が来るなんて……」と喜びを語ったディック・ジョンソン代表。
「1998年のELファルコンのカラーリングは、私にとっても非常に特別なものだ。息子のスティーブンと一緒にバサースト1000でドライブした最初の年だったからね。今からこのクルマで『山登り』するのが待ち切れないよ」
一方、ライバル陣営のトリプルエイト・レース・エンジニアリングも、来季の『シボレー・カマロZL1スーパーカー』投入を前に、最後のホールデン・コモドアZBのスペシャル・リバリーを公開。ルーキーのデクラン・フレイザーと組み、クレイグ・ラウンズがワイルドカード枠からエントリーする888号車のスーパーチープ・オートカラーを披露した。
「この瞬間をファンのみんなと共有できてうれしい。これは今年最大のレースであり、それを皆と分かち合い、文字どおりデクランと一緒に“ザ・マウンテン”をドライブすることは、本当に思い出に残るものだ」と語った、バサースト7勝、シリーズ3冠を誇るラウンズ。
このカラーリングにはコンテストを通じて画像を提出した何千人ものレースファンの顔が描かれ、サイドにはファンの情熱を反映するために心拍を表現したラインが走る。
そのほか、普段はDEWALT(デウォルト)のイエロー&ブラックで戦うスコット・パイ(チーム18/ホールデン・コモドアZB)や、前戦のクラッシュからモノコックごと修復を果たしたウィル・ブラウン(エレバス・モータースポーツ/ホールデン・コモドアZB)、新興プレミエアーや、デビッド・レイノルズ(ペンライト・レーシング/フォード・マスタング)との来季契約延長を発表したグローブ・レーシングも、特別カラーで週末の“グレート・レース”に挑む。
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