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厳しいペナルティに不満。僅差で3位を逃したJOTAのダ・コスタ「あれはひどい」/WECバーレーン

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厳しいペナルティに不満。僅差で3位を逃したJOTAのダ・コスタ「あれはひどい」/WECバーレーン

 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタは、11月4日(土)に行われたWEC世界耐久選手権第7戦『バーレーン8時間レース』の決勝レースで、ハーツ・チーム・JOTAから3位表彰台を奪った「ひどい」ドライブスルーペナルティに不満を示した。

 このポルトガル人ドライバーは、ホームストレートエンドで38号車ポルシェ963のタイヤをロックさせた後にターン1ではらみ、後方からDステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMRが近づくなかコースに復帰した。

カスタマー『963』を駆るダ・コスタのWEC離脱。背景に「100%集中」を求めるポルシェの決定

 スチュワードの報告書によると、ダ・コスタ、ウィル・スティーブンス、イーフェイ・イェがシェアするJOTAのマシンは、「安全でない方法でターン2に再合流した」と判断された。

 この件で科せられたドライブスルー・ペナルティにより、ダ・コスタはトヨタ勢に次ぐ総合3番手から総合5番手への後退を余儀なくされた。

 その後ダ・コスタはアントニオ・ジョビナッツィ駆る51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)から4番手のポジションを取り戻したものの、もう一台のフェラーリをドライブするニクラス・ニールセンの厳しいディフェンスに遭い4番手で自身のスティントを終えることに。38号車はこのレースの最終盤まで50号車フェラーリと順位を争ったが、最終的に0.962秒差で3位表彰台を逃している。

 ペナルティを受ける前、ダ・コスタは2番手を走る7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA AGZOO Racing)に約12秒差まで迫っていた。

「ストレートエンドのいくつかのポイントでは、ペチート(ホセ-マリア・ロペスの愛称)を視界に入れることができた」と語ったダ・コスタ。

「でも正直なところ、2番手は僕たちの目標ではなかった。3番手のポジションがコントロール下にあるとわかったときからは燃料をセーブして、最後のスプラッシュ(燃料補給)を避けるために1スティントをできるだけ長くすることに狙いを定めたんだ」

「その時点で僕たちは3番手を確保し、トヨタの順位はターゲットにしないことにした」

「その後あのようにひどく、理解しがたいドライブスルーで打撃を受けた。僕には理解できないよ」

「(ブレーキングで)ホイールをロックさせてしまい、(ターン1)でオーバーシュートしてしまった。レーシングカーだから、誰が来るかは見えない。それにコースに再合流したけれど真ん中に行ったわけじゃない。(トラックに復帰したターン2では)コーナーの一番左側に残ったんだ」

■ドライブスルーは厳しすぎる

「コース上の誰もが、自分が何をしているのかわかっている」と続けたダ・コスタ。彼は自身への裁定が厳しすぎると感じている。

「アストンマーティンが文句を言ったとも思えない。それからしばらくして『ドライブスルー・ペナルティがある』と言われたんだ。僕はそれを理解できなかった。本当に理解不能だ」

「申し訳ないけれど、これは厳しすぎる。僕は誰もヒットしていないし、誰かを危険にさらしたわけでもない。ましてや誰かのレースを台無しにしたわけでもない。自分を傷つけただけだ」

「もしよければピットストップ時に5秒間、余計に止まっているよ?」

「F1では、お互いにぶつかってピットストップでプラス5秒のペナルティをもらう人がいる。それなのに僕はドライブスルー? 言葉を失ったよ。とても悲しく、非常に腹立たしい」

「この週末が(当面のところWECでの)最後のレースだったから、今日はチームに表彰台をプレゼントするために全力を尽くしていて、そのためのすべてがあったのに……」

■WEC参戦休止前“最後”のレースは「楽しかった」

 32歳のポルトガル人ドライバーは、ペナルティの原因となったコースアウトの責任が自身にあると認めた。

「あのとき、僕たちは左フロントを除いて3本のタイヤを交換したんだ」と彼は説明した。

「だからグリップレベルが違っていた。僕はそれに対して少しミスジャッジをしてしまった。あのブレーキングポイントは少しバンピーで、僕が掛けたブレーキプレッシャーに対してタイヤのグリップが足りず、ロックアップしてしまった」

「それは自体は僕の責任だ。速く走るにはプッシュが必要なクルマだからね。ハイパーカー・クラスでは多くの人がミスを犯していて、僕もそのうちのひとりだった」

「あのミスは自分自身をひっぱたくようなものだった」

 ペナルティを受けたもののダ・コスタは、JOTAが初のハイパーカー・シーズンを力強く終えたため、今シーズン途中からポルシェ963のステアリングを握ってレースを戦ってきたなかでもっとも楽しい時間だったと感じていたという。

「とても楽しかった」とダ・コスタは述べた。

「このサーキットで競争力を発揮して戦えたことは、この1年でこのクルマに乗っていた中で一番楽しい時間だった」

「ポルシェは日々改善され、良くなってきている。来年はもっと楽しくなると思うよ」

 なお既報のとおり、彼はポルシェの決定により2024年シーズンはWECに戻らずABB FIAフォーミュラE世界選手権に専念する予定だ。

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