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王者ディクソンに立ち向かうのは? 大物ルーキーも参戦のインディカーは2021年もハイレベルバトルが展開

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王者ディクソンに立ち向かうのは? 大物ルーキーも参戦のインディカーは2021年もハイレベルバトルが展開

 4月8、9日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイの2.5マイルオーバルで行われた2日間のオープンテストでオフのテストはすべて終了。NTTインディカー・シリーズは開幕を待つばかりとなった。

 今シーズンもアメリカ最高峰シングルシーターでは非常にハイレベルかつ熾烈なバトルが繰り広げられそうだ。

開幕直前のインディカー・テストは、ニューガーデンがトップ。琢磨は2番手もトラブルに苦しむ

 毎年”空前絶後”と書いて来ているが、驚くほど競争のレベルが向上して来ているのは、2012年にワンメイクシャシーでの戦いとされて複数年に渡って同じマシンを使って戦う状況となったことから全チーム、ドライバーのマシンに対する理解度が深まり、実力差が縮まる一方となっているのだ。

 そんな今シーズンの注目は、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が史上最多タイの7回目のタイトル獲得がなるか。

 競争が激しくなってもライバルたちに対する差を見つけることに成功して来ているのがガナッシとディクソンのコンビネーション。彼らの強さは今年も変わらないだろう。


 ただし、今年もその戦いぶりが孤軍奮闘となるのもまた間違いなさそうだ。彼とフルシーズンを一緒に戦うチームメイトたちが、マーカス・エリクソンと新加入のアレックス・パロウという若いふたりだからだ。

 彼らのインプットを大きな助けに……という期待をディクソンとしては抱きにくい。ロード&ストリートにのみ出場のNASCARチャンピオン=ジミー・ジョンソンが加わって体制が4カーに拡大されるものの、JJがいきなりトップレベルで戦えるとは考えにくく、彼の加入もディクソンにとってはメリットにはならないだろう。アシストをすることが負担にはなることはあっても……。

 しかし、マイナス要素ばかりではない。ジョンソンのマシンをオーバルで走らせるために雇われたトニー・カナーンは、ディクソンと同じハイレベルでの話ができる元チャンピオンでインディ500優勝経験者。

 ディクソンとすれば、特にインディ500で彼の貢献が期待ができる。そのカナーンもインディで勝つ意欲満々だろう……。いずれにせよ、インディカー3シーズン目、ガナッシでの2シーズン目となるエリクソンは初優勝がマストで、パロウは2シーズン目だが、昨年幾つかのレースで見せた走りからして、ガナッシ入り1年目に優勝する可能性がある。

 チーム・ペンスキーは昨年惜しくもランキング2位に終わったジョセフ・ニューガーデンがチャンピオン候補の最右翼。彼は3回目のタイトルと、インディ500初優勝が目標だ。
 ウィル・パワーとシモン・パジェノーのふたりは2回目のタイトル、インディ500での2勝目を目指す。ただし、ベテランふたりより注目を集めるのは、南半球のV8スーパーカー王者スコット・マクラフランかもしれない。

 新参のニュージーランド人ドライバーがどれだけの爆発力を見せるか。ベテランふたりはウカウカしていられないだろう。


 アンドレッティ・オートスポートは共同経営者を複数招き入れて4台体制を維持。ラインアップはライアン・ハンター-レイ、アレクサンダー・ロッシ、コルトン・ハータ、ジェイムズ・ヒンチクリフとなり、マルコ・アンドレッティはフルシーズン出場ではなく、インディ500のみか、それプラス数戦と活動を縮小する。

 メイヤー・シャンク・レーシングとの提携は続き、そちらのレギュラーとしては今年もジャック・ハーベイが走る。インディ500ほか何戦かにはエリオ・カストロネベスが加わる。アンドレッティとカストロネベスのコンビネーションは初めてのことだ。


 ハンター-レイのパフォーマンスは下り坂と見えているが、インディ500での強さは変わらない。昨年のロッシはインディ500以外ではハータの大活躍の影に完全に隠れていた。脱却はなるだろうか? ロッシがスピードを取り戻し、ハータが走りにさらに磨きをかければ、またアンドレッティ全盛期が訪れそうだ。

 ペンスキー、ガナッシ、そしてアンドレッティ。強豪3チームだけで12台。今年もインディカーシリーズ各戦ではトップ10入りさえも非常に難しい。

■インディカー参戦12年目に挑む佐藤琢磨

 上記の3チーム以外でも、佐藤琢磨とグレアム・レイホールを走らせるレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは昨年のインディ500ウィナーであり、チームとしての全体的なレベルを着々と上げている。

 レイホール2世は4シーズン勝利がないが、ふたり揃って勝てるチームへ今シーズンはワンステップ上げることが目標だろう。

 インディカー参戦12年目となる佐藤琢磨。連覇を狙うインディ500では優勝候補の筆頭だ。


 昨年の勝ちっぷりは圧倒的だった。レースの大半をリードしたのはディクソンだったが、ゴール前のスピード、燃費の良さで相手に衝撃を与えての勝利となっていた。

 インディで琢磨のライバルとなるのは、そのディクソンとアンドレッティのロッシとハンター-レイ。ペンスキーのパジェノー、パワー、ニューガーデン。メイヤー・シャンク・レーシングで走るエリオ・カストロネベス、アロウ・マクラーレンSPから出場のファン・パブロ・モントーヤといったチャンピオンふたりも注目される。

 シュミット・ピーターソン・モータースポーツから体制変更したアロウ・マクラーレンSPは、昨年実力を急伸させたが、このオフにさらにステップアップを果たしたようだ。

 パトリシオ・オーワードはオフのテストでも速さを見せ続けていた。今季加入したフェリックス・ローセンクビストとのコンビ、将来有望な若手ふたりがどれだけ暴れてくれるのか、楽しみだ。

 さらに、エド・カーペンター・レーシングは昨年度ルーキー・オブ・ザ・イヤーのオランダ人ドライバーでまだ20歳のリナス・ヴィーケイの成長にも期待したい。

 インディ500ではエド・カーペンター、コナー・デイリーも速いだろう。デイリーは去年実力を伸ばしたドライバーのひとりで、ロード&ストリートでも上位で戦えるところを見せていた。

 セバスチャン・ブルデーをフルシーズンで起用するAJ・フォイト・レーシングも上位を戦うレースが何戦かで見られそうだ。

 デイル・コイン・レーシングもチーム規模は小さいながらコンスタントに速さを発揮してきており、今年はドライバーラインアップが全面入れ替えになるが、F1経験豊富なロマン・グロージャンのインディカー参戦はおおいに楽しみな存在だ。

 彼はロードコースとストリートだけの出場。オーバルにはピエトロ・フィッティパルディが起用される。

 開幕戦のホンダ・グランプリ・オブ・アラバマ(バーバー・モータースポーツ・パーク)は、大物ルーキーとなるグロージャンとジミー・ジョンソンのデビュー戦になる。二種類のタイヤを使いこなしての予選の戦いぶり、ピットストップを複数回行なう決勝レースでの走り、そしてチームメイトたちとのパフォーマンス比較など、注目したい。

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