アルピーヌは、サンパウロGPでまったく予想外のダブル表彰台を獲得した。また、土曜日のスプリントレースではピエール・ガスリーが7位に入ったことで、11月最初の週末を通して合計35ポイントという驚異的な選手権ポイントを獲得してみせた。
これは先週末のインテルラゴスで1チームが獲得した最高得点であり、今シーズンこれまでの20回のグランプリでアルピーヌが獲得したポイントの2.5倍に匹敵する。
フェルスタッペンが17番手から今季8勝目。アルピーヌ歓喜のダブル表彰台【決勝レポート/F1第21戦】
チームが水曜日にアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェに到着したとき、彼らの主な目標はコンストラクターズ選手権の8位争いでウイリアムズを追い抜くことだった。
ウイリアムズは、グランプリが始まる前までアルピーヌを3ポイントリードしていたが、ガスリーが土曜日に7位入賞を果たしたことでその差はわずか1ポイントに縮まった。そしてアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が予選での大クラッシュのせいで日曜日のレースに出場できなくなった一方、エステバン・オコン(アルピーヌ)が予選で4番手を確保したため、フランスのメーカーが順位を上げるチャンスはこの時点で充分にあった。
最終的には、コンディションに合わせて完璧にセットアップされたマシン、ふたりのフランス人ドライバーの素晴らしいドライビング、そしてレース中盤にコンディションが悪化した際に、両方のマシンにかなり使い込まれたインターミディエイトタイヤを履かせ続けるというリスクはあるが賢明な決断によってオコンが2位に。そしてガスリーは14番グリッドから挽回し、レース終了時にはチームメイトとレース優勝者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とともに表彰台に立つことができた。
彼らにとって明らかにサプライズだった35ポイントの加算により、アルピーヌはマニュファクチャラー選手権で6位につけ、ウイリアムズだけでなくRBやハースよりも上位となった。アルピーヌは現在、ハースに3ポイント、RBに5ポイントの差をつけている。
なお、この結果に対する“誇り”を上回ることが進行している。マニュファクチャラー選手権の順位には何百万ドルもの分配金が懸かっており、シーズンを6位で終えるか9位で終えるかの差は3600万ドル(約54億8000万円)にもなると推定されている。
そのため新チーム代表のオリバー・オークスが週末の結果に大喜びし、次のように語ったのも不思議ではない。「チームにとって素晴らしい結果だ! エンストンとビリー全体ではここ数年、あるいは今年の初めから見ても大きな成果だ」
彼はチームにとって2012年の韓国GP以来となるダブル表彰台獲得の即時的な効果に注目することにし、次のように付け加えた。「これはチームの自信を維持するのに役立つ。私はシャットダウン後に着任したので、オースティンに向けて期待が和らぎつつあるのがすでに見えていた。なぜなら、とくにシーズン中はマシンの開発が本当に大変だったからだ」
しかし、アメリカGPはアルピーヌにとって目覚ましい好転の始まりとなった。『A524』に導入された新しい技術パーツがマシンのハンドリングを大きく変えたのだ。
「オースティンでは、マシンにパフォーマンスがもたらされたという事実が大いに称賛されたが、メキシコでポイントを獲得してそれを別のかたちで裏づけることができたのは良かった」とオークス。
「そして、ここブラジルではさらに改善が見られた。それは間違いなく我々のさらなる前進に役立つだろう」
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