2019年のWRC世界ラリー選手権は6月14日、第8戦イタリアのSS2~9が行われ、ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合首位に浮上した。トヨタ陣営はオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3番手につけている。
■トヨタ
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合3番手
「困難な1日だったが、持てる力をすべて出し尽くせたと思う。先頭走者のリタイアにより、午後のステージは1番手で出走することになり、さらに難しい状況になった」
「問題のないセクションもあったけど、道幅が狭いところでは轍(わだち)がルーズグラベルで埋まり、まったくトラクションがかからなかった。また、午後は多くのライバルより1本多くステージを走ることになり、摩耗が進んだタイヤで彼らと渡り合うのは大変だったね」
「とはいえ良いリズムで1日を走れたし、すべてのステージを攻め切った。明日はきっと激戦になると思うけど、出走順が今日よりも良くなるから、状況が大きく変わることを期待している」
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合49番手(デイリタイア)
「朝は本当に好調だった。とても気温が高くタイヤの摩耗に関して厳しいコンディションになると考え、ハードタイヤを5本選んだんだけど、これは正しい選択だったと思う」
「午後の最初のステージでは、ヘアピンコーナーでハンドブレーキを早く引きすぎ、その結果コーナーのインに深く切り込んでしまい横転した。本当に愚かなミスだった。横転したクルマを元の状態に戻すために、自分とミーカ(アンティラ)は相当な力を使ったよ」
「幸いにも次のステージでもクルマは調子が良くタイムも良かったけど、最後のステージのヘアピンコーナーの立上がりでステアリングが左側にロックし、コースアウトしてしまった。非常に厳しい状況だけど、明日競技に復帰し、ふたたび走れるようになることを楽しみにしている」
●クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合6番手
「自分にとって、今日は初めて走るステージばかりだったから、朝は少し苦戦した。また、昼前の時点で気温がかなり上がり、自分が選んだミディアムタイヤには厳しいコンディションだったね。きっとベストなタイヤ選択ではなかったと思う」
「午後は状況が好転し、走りのリズムも良くなった。クルマはほぼパーフェクトで、全体的にとても満足できる仕上がりだった」
「明日はこのラリーの伝統的なステージが続き、過去の経験と知識があるから、よりいいフィーリングで走れるのではないかと期待している。少しでも順位を上げられるように、頑張るよ」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合7番手
「最高の1日を過ごすことはできなかったけど、今日一番重要なのは生き残れたことだよ。今朝はベストなタイヤチョイスができなかったけど、トップに引き離されることはなかった」
「ただスペアタイヤを積みすぎて車重が重くなったことは失敗だったね。コース上の石でマシンが跳ねて、ストレートでまっすぐ走るのが大変だった」
「午後はペースノートについてコミュニケーションミスがあり、コース脇の溝に落ちてしまった。誰かを責めるようなアクシデントではないし、ラリーにはつきものなことだけど、かなり多くのタイムを失ってしまった」
「このあとも僅差の戦いが続くだろうけど、諦めるつもりはまったくない。まだ表彰台には手が届くからね」
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合4番手
「今朝は間違ったタイヤチョイスをしてしまい、最悪なスタートを切った。走り始めから厳しい戦いになると直感したよ」
「自分のドライビングには問題なかったし、(午後に入り)タイヤ選択がコンディションにマッチしたときはマシンのフィーリングも最高だった」
「午前中の問題さえなければ、もっといいポジションで競技3日目を迎えられたはずだから、その点だけが残念だね」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合首位
最高の形でラリーをスタートさせることができたけど、大会はまだ2日目だということを忘れてはならない。金曜日(競技2日目)で勝負が決まるわけじゃないんだ」
「出走順のアドバンテージもあって、ヒュンダイi20クーペWRCで強力なペースを発揮できている。今日は明日(土曜日の競技3日目)に有利な走行順を手にできるよう、最大限に努力した」
「特に午後の走行は少しのミスが大きなタイムロスにつながりかねない状況だったから、本当に集中して戦っていたよ。最終ステージ(SS9)は少しスピードを犠牲にしても走り切ることにした」
「ラリーをリードしていること自体はうれしいけど、まだ先は長い」
■Mスポーツ・フォード
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/デイ2総合5番手
「道の状態がいいときはスピードがあったけど、午前中はいくつかのSSでマシンのフィーリングがしっくりこなかった。そのことがかなり影響してしまった」
「午後には状況が上向いてきたけど、後続ドライバーたちは第2ステージをキャンセルされたから、彼らよりタイヤを酷使することとなった。その後、次のSSで小さなミスをして、最後のSSでは掃除役のインパクトが大きかった」
「望んでいたよりはるかに順位を落としてしまったけど、まだ僅差の戦いだ。明日は前進するよ」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)/デイ2総合2番手
「今日のパフォーマンスには満足している。チーム一丸となって素晴らしい仕事をしたと思うよ。ただ、午前中のミスだけは残念だった。スピンして10秒以上ロスしてしまったからね」
「ヤルモ(レーティネン)が一日中指導してくれたから、また学生に戻ったようで楽しかったよ。僕はまだ若いから、彼のような経験豊富なコドライバーがとなりにいるのは心強い」
「明日は誰もがスピードを出してくると思う。引き続き、自分たちのパフォーマンスに集中しなければならない。表彰台か、トップ4入りできたらうれしいけど、ベストを尽くすよ」
■シトロエン・レーシング
●セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)/デイ2総合68番手(デイリタイア)
「リタイアは明らかに僕のミスだ。かなりタイトな左コーナーをカットしすぎて、大きな岩にぶつかり、ステアリングアームを壊してしまった。岩のある場所は正確に分かっていた。シェイクダウンで3回も同じところを通ったからね」
「わずかな起伏があったので少し分かりづらかった。おそらく早く曲がりすぎてしまったんだ。その場しのぎの修理を試みたが、うまくいかず、リタイアする以外に選択肢がなかった」
「今ではこの週末に期待できることはほとんどない。出走順が早いので、パワーステージで5ポイントを獲得できるチャンスはないと思う。路面はルーズで砂が多いので、ライバルたちがどう戦うか、動向を見守りたい」
●エサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)/デイ2総合8番手
「少々浮き沈みのある区間だった。午前中のパンクと、センサーのトラブルのせいで、エンジンのパワーが上がらなかったから、走りをうまくまとめるのに苦労した」
「残念ながらグラベルでは、オープニングの区間が常に結果を大きく左右してしまう。今日の結果から明日は有利な出走順にはならない。ランキングを上げるチャンスを掴むためには、もっと持久力に頼る必要がある」
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