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メルセデス・ベンツEQB 詳細データテスト 成熟の走り 航続距離は不足 7座不要なら必然性は低い

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メルセデス・ベンツEQB 詳細データテスト 成熟の走り 航続距離は不足 7座不要なら必然性は低い

はじめに

大家族の移動手段となりうる電動車は少ない。7人乗りのゼロエミッション車となると、選択肢はかなり限られる。テスラ・モデルXは6座と7座を設定している。プジョー/シトロエン/ヴォグゾールは2021年、パートナー/ベルランゴ/コンボに、ロングホイールベース版を追加した。しかし、テスラのそれは最低でも9万ポンド(約1395万円)はする高級SUVで、旧PSA系の3台は商用バンがベースのMPVである。

【画像】写真で見るメルセデス・ベンツEQBとライバル 全15枚

とはいえ、刻々と変化をしているのがいまのEVのマーケットだ。今回テストするメルセデスEQBのような、新たな7シーターが増加すると思われる。

内燃エンジンを搭載するGLBをベースにしたEVであるEQBは、成長を続けるEQブランドの中では2番目に小さいモデルだ。EQAと同じく、メルセデスの既存の小型車用アーキテクチャーを改修して使用し、全長は5座のスコダ・エンヤックiVより50mmも長くはないが、そのパッケージングは7座キャビンを実現している。

EQのラインナップにおいては2番目のSUVで、急場しのぎ的にメルセデスの電動車向けデザイン言語を当てはめたクルマだが、それがうまくいっているように思える。その辺りは、後ほど詳しく触れることにしよう。

まず発売されたのは2モーターの4WDモデルのみで、出力の異なる仕様が用意されるが、バッテリーのサイズは1種類のみ。ただし、今後は安価な1モーター仕様や、ロングレンジ仕様も追加される見込みだ。現在の価格帯は5万4000ポンド(約837万円)弱から。テストしたEQB 300 4マティックは、その安価なほうのバージョンだ。

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

ガッチリした角形のホイールアーチから短いオーバーハング、立ち気味のグラスハウス、盛り上がったボンネットやボリュームのあるショルダーラインまで、まさしくメルセデスのSUVらしいスタイリングのEQB。電動であろうがなかろうが、GLEやGLS、そしてGクラスにも通じる遺伝子のようなものを感じさせる。

ディテールには無駄に目新しさを狙ったようなところがあり、突き詰めれば見栄えがイマイチに感じてしまうかもしれない。とはいえ、もっと空力を追求し、特徴に欠けるスタイリングとなったEQSやEQEのウケがいいことを考えると、ラインアップを整えつつあるEV第一波の外観において、シュトゥットガルトが自信を得たのだろうと、このEQBを見ると思える。

ベースとなるのはEQAと同じMFA2プラットフォームで、基本設計は内燃エンジンを積むAクラスやBクラス、CLAやGLA、そしてGLBと共通だ。つまり、スティールのモノコックで、サスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンクの四輪独立式となっている。

前後に搭載するモーターは、種類が異なっている。リアは一般的な永久磁石同期モーターで、効率に優れ高トルクを発生する。クルージング時には、ほぼこちらが動力をまかなう。

フロントは非同期電動機を採用する。インダクションモーターとも呼ばれるそれは、かつてのテスラがしきりに使っていたものだ。構造がシンプルで安価なそれは、エネルギー効率では劣るが、ピークパワーは高い。

メルセデスは初期段階のEVを通じて、この2タイプのモーターを試してきているが、これらを併用しているのはコスト面の理由も大きそうだ。前後合計での最高出力は、EQB 300が228ps、EQB 350が292psで、最大トルクはどちらも37.7kg−mとなっている。

駆動用リチウムイオンバッテリーはやや段のついた形状で、キャビン床下に加え、後席下は2段積みとなっている。電圧は420Vで、実用容量は66.5kWhと、競合するアウディQ4 E−トロンやテスラ・モデルY、オールスター2などより小さい。航続距離の公称値は414kmだ。

しかし、その小ささは、ライバルに対するウェイト的なアドバンテージを得られるほどではない。テスト車の実測重量は2235kgで、諸元表の数字を200kg以上上回る。今年初めにテストしたテスラ・モデルYロングレンジAWDに比べると、250kgも重い。

内装 ★★★★★★★★☆☆

英国仕様のEQBは、3列7座が全車標準装備となる。しかし、諸元表を詳細に検分すると、小型のMPVやSUVはほとんどがそうであるように、3列目は子ども用と思ったほうがいいサイズだということがわかる。

メルセデスが自ら、3列目の乗員は身長165cmまでに制限されるとしているが、この見立てはなかなか正確だろう。ヘッドルームの実測値はGLBと同じく840mmで、これはスコダ・コディアックの820mmは上回るが、フォルクスワーゲン・トゥーランの880mmには及ばない。

2列目シートが前方へチルトできるので、3列目へのアクセスは、ローティーンくらいまでなら問題はないだろう。また、前後に140mmスライドできるので、荷室を犠牲にすればレッグルームを拡大できる。

ISOFIXのチャイルドシート用アンカーは、後方5席のうち4席に備わる。これは、もっと大きな7シーターでも珍しいことだ。いっぽうで、その5席をすべてたたんだ2名乗車アレンジでは、前席直後までに1.8mの長尺物を積むことができる。ちなみに、コディアックは1.9mだ。

運転席からの視界は良好で安心感があり、高さのあるグラスハウスは全方位の視認性を高めている。標準装備のシートはクッションの長さ調整があり、脚が長くてもサポートしてくれる。ステアリングコラムはマニュアル調整式で、ポジション合わせは楽だ。

マテリアルの質感は、見栄えも手触りも良好だ。メルセデスが好んで使うサテン仕上げのクロームや艶のあるブラックのプラスティック、色を選べるアンビエントライトが備わり、豪華できらびやかなラグジュアリー感を好むユーザーにはぴったり。ピカピカした派手さに満ちている。

ドアポケットやセンターコンソールの小物入れは多く、キャビン中央のそれはフタ付きなので、置いたものを周囲の目から隠せる。そうしたもろもろを考えれば、インテリアは雰囲気が魅力的なだけではなく、大人数の家族で使える便利でフレキシブルでもある。

この価格帯においては、もっとも広いスペースを持つ7シーターとはいえないかもしれない。しかし、ボディサイズと考え合わせれば、室内のスペースと使い勝手は大きなセールスポイントだ。

走り ★★★★★★★★☆☆

もし、先日テストしたテスラ・モデルYが、5万ポンド(約775万円)台で走り志向のファミリーカーを探しているユーザーに適しているとすれば、EQB 300はまったく違う印象で、もっと穏やかなやり方でユーザーにアピールする。

急速に拡大しつつあるファミリー向けEVマーケットにおいて、どちらのアプローチであっても余地は十分にある。EQBにも、より速いモデルを望むユーザーを狙ったパワフルなバージョンは存在しており、さらなる拡大も予想されている。

テスターの大半が、EQB 300は、7座ファミリーカーが本当に必要とする加速力を備えていると認めている。しかしながら、メルセデスらしくゆったりした、トーンを抑えた快適志向なところがあるのも確認している。テスラのような硬くてノイズの大きい、飛ばしたくなる感覚より、日常使いにはなじみやすいはずだ。

ドライコンディションでのテストでは、乱れることなく、しかし実用に足るだけの速さで発進すると、8秒をわずかに切るところで97km/hに達する。ツインモーターのEVとしては遅いが、このタイムそのものが遅いというわけではない。

最近テストしたシングルモーターのEVと比較すると、キアEV6とポールスター2の間に位置し、スコダ・エンヤックiVよりも速い。公道上に出ると、パワーを求めると鋭く反応してくれるように感じられるのと同時に、市街地の速度域から上ではあふれるようなパワフルさを味わえる。

また、高速道路への合流も、法定速度内での追い越しも、自信を持って行える。エキサイティングさより楽さが上回り、日常使いしやすいパフォーマンスだといえる。

操作モードの調整範囲の幅広さは、シンプルな操作を求めるドライバーにはイージーでシームレスな運転をもたらすが、スロットルを抜いてのセーリングとエネルギー回生をマニュアルでコントロールできる領域も拡大できる。

ステアリングコラムに取り付けられたギアセレクターレバーでDを選べば、自動プログラムに基づくエネルギー回生を行い、渋滞やコーナーで減速する際には織りまぜ、路上がクリアなときには控えるかオフにする。ひどい渋滞の場合を除けばかなりうまく機能しているが、レーンチェンジでは制御に戸惑うようなこともある。

しかし、競合ブランドとは違って、メルセデスはステアリングホイールにマウントされたシフトパドルを用いてマニュアルでセレクトできる回生のプリセットも用意している。そのため、一貫したエンジンブレーキのような直感的な効き方に固定することも可能だし、原則が必要な時にだけ使うこともできる。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

EQBのMBUXインフォテインメントシステムは、ダッシュボード上に並ぶ2面の10.0インチディスプレイを用いる。ふたつの画面は、まるで一体のワイド画面のようだ。

片面はメーターパネルとして、もう片面はナビやインフォメーション、エンターテインメント用に使われる。最上位グレードのローンチエディションには、ヘッドアップディスプレイも加わる。

どちらも、操作はかなりイージーだ。メルセデスはセンターコンソールにインフォテインメントシステムの実体入力デバイスを残しており、これでカーソルを動かせるので、ディスプレイに腕を伸ばして操作する必要はない。

同じ操作は、ステアリングホイール左側のサムパッドでもできる。おかげで、画面をつついたりスワイプしたりして指紋まみれにしなくて済む。

メニューはすぐに慣れることができ、ショートカットが用意されているおかげで、2~3度操作すれば目当ての機能を見つけられる。スマートフォンのミラーリングは、Apple/Androidとも標準装備だが、純正ナビは十分実用に足るもので、ルート上の充電施設をしっかり見つけてくれる。

燈火類

ハイパフォーマンスLEDが標準装備で、メルセデスの最上位装備であるデジタルライトへアップグレードするオプションはない。パワフルで、対向車検知時の減光はクイックだが、先行車は眩惑してしまいそうだ。

ステアリングとペダル

両ペダルとも、右足で操作するには上々の配置で、フットウェルは広く、十分なサイズのフットレストを備える。ステアリングコラムの調整範囲は広い。

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

EQBはミディアムサイズの7座SUVだが、その乗り味やハンドリングはもっと大きなクルマのようだ。サスペンションレートはミディアムソフトで、控えめだが明らかに長距離走行に向いた動き方をする。操縦系はほどほどのペースと手応えで、クルージング時にはリラックスした空気感と安定感を生んでいる。

取り回しも悪くない。ステアリング入力に対して、取り立てて俊敏でレスポンスがいいわけではないが、ステアリングのリニアさは良好で、ハンドリングには一貫性がある。そのため、路上での位置決めが楽だ。また、たいていの駐車場なら、車体のサイズを気にせず容易に停めることができるが、これには短いオーバーハングが寄与するところが小さくない。

いっぽうで、ボディコントロールとハンドリングの精確さには、速度域の高いコーナーでも意図した走行ラインをきっちりなぞれるものがある。速度が上がるとロールやバネ上の動きが出るものの、乗員の快適性を犠牲にするほどではなく、グリップレベルや全体的なスタビリティに悪影響を及ぼすようなこともない。

グリップ限界まで攻めるとわかるのは、横荷重が増すほどにロールは大きくなり続けるが、手に負えなくなることはないということ。そしてハンドリングは、常時作動しているスタビリティコントロールが徐々に駆動力を絞りはじめるまで、正しいバランスが残るということだ。タイヤは経済性重視の銘柄だが、グリップは十分に力強い。

コーナーの脱出では、フロントが引っ張るより、ほぼリアのトルクで押し出されているはずだが、それをはっきりと感じさせることはない。ハンドリングが感じさせる熱さは、たとえあったとしてもわずかだ。

それでもEQBはたいていの場合、狙うポイントを通すことができる。そして、おおむねステアリング操作のペースに見合った動きの速さを感じられる。非の打ちどころはなく、予想しやすくて楽しい。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆

EQBの多少引き上げられた地上高が、ツーリングの洗練性にとって悪いことではないのは明らかだ。ノイズを反響させてしまいそうな大きくてスクエアな乗員スペースと、空気抵抗の大きそうな立ち気味のピラー、風切り音を引き起こしそうな大きいドアミラーを持つにもかかわらず、80km/h巡航での室内騒音は抑えられている。

かつて計測した同価格帯のEV、例えばポールスター2ロングレンジ・シングルモーターやスコダ・エンヤックiV 80、キアEV6 RWDなどより1dBA小さい。2021年にテストしたフォード・マスタング・マッハE RWDと比べれば、その差は2dBA、テスラ・モデルYロングレンジAWDとなら3dBAに広がる。速度が上がればロードノイズも風切り音も大きくなるが、この車に不釣り合いなほど大きくはない。

街乗りの速度域では、ボディはフラットに保たれ、スピードバンプも吸収する。波打ちや上下動が気になりはじめるのは、平坦でない幹線道路の直線で制限速度をちょっと超えてしまったくらいから。しかし、重心が低いので、乗員が跳ねるような大きい動きにはならない。

運転席は横サポートがしっかりあって、普通のドライバーが出すような速度でなら腰がずれたりはしない。ほぼ全面的にアジャストが効いて快適でもある。

メルセデスのアクティブセーフティデバイスのうち、トップレベルのものはオプションで、テスト車には搭載されていなかった。標準装備のレーン逸脱警告と自動緊急ブレーキはほとんどでしゃばることがない。とはいえ、前者は高速を降りたら切りたくなるだろうが、その操作も簡単だ。

購入と維持 ★★★★★☆☆☆☆☆

EQBの価格は安くないが、現状はまだその全容が明らかになっているわけではない。エントリーレベルのシングルモーターモデルが、まだ登場していないからだ。

廉価版の価格は、5万ポンド(約775万円)前後になるだろう。それでも、競合車に劣らない残価が見込まれたとしてもやはり、ファミリー向けEVとしてはかなり高価だ。

7座の競合モデルは今のところ少ない。とはいえ、テスラ・モデルYやアウディQ4 E−トロンなど、2列目までのスペースが同等で、積載スペースは広々としているライバルが存在することを考えると、価格を正当化するには、2名分の3列目シートにかなりの重きを置くことが求められる。

電費の大幅な向上も必要だろう。英国の高速道路で一般的な最高速度の113km/hほどでクルージングした際、テスト車の計測値は5.1km/kWhで、計算上の航続距離は343kmとなる。ひどい数字だとはいわないが、ファミリー向けEVのツーリングテストの平均値が400kmほどになりつつある中では見劣りする。しかも、それらの価格は5万ポンドを切るのだ。

問題はエネルギー効率ではなく、バッテリーの実用容量にある。クラス水準より10~20%程度少なく、100kWという急速充電のピークも、EQBより安価なライバルが150kW以上に対応しはじめていることを考えると物足りない。そこは、割高な価格に見合った内容を期待したいところだ。

スペック

レイアウト

EQBのプラットフォームは、メルセデスのコンパクトカーに用いられるMFA2で、内燃エンジンを積むGLBとはホイールベース長も同じシャシーだ。

キャビンの床下は動力用バッテリーが占め、フロントを非同期モーター、リアを同期モーターが駆動する。テスト車の前後重量配分は、実測で48:52だった。

パワーユニット

駆動方式:フロント・リア横置き四輪駆動
形式・前/後:非同期電動機/永久磁石同期電動機
駆動用バッテリー:液冷式リチウムイオンバッテリー、−kWh(グロス値)/66.5kWh(ネット値)
最高出力:228ps/-rpm
最大トルク:37.7kg-m/-rpm
許容回転数:-rpm
馬力荷重比:113ps/t
トルク荷重比:18.5kg-m/t

ボディ/シャシー

全長:4687mm
ホイールベース:2829mm
オーバーハング(前):917mm
オーバーハング(後):941mm

全幅(ミラー含む):2020mm
全幅(両ドア開き):3680mm

全高:1667mm
全高:(テールゲート開き):2120mm

足元長さ(1列目):最大1070mm
足元長さ(2列目):最大630mm
足元長さ(3列目):最大560mm
座面~天井(1列目):最大990mm
座面~天井(2列目):最大990mm
座面~天井(3列目):最大840mm

積載容量:495~1710L

構造:スティールモノコック
車両重量:2030kg(公称値)/2235kg(実測値)
抗力係数:0.28
ホイール前・後:9.0Jx19
タイヤ前・後:235/50 R19 103T
コンチネンタル・エココンタクト6 MO
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:1速リダクションギア
ギア比
最終減速比:-
リダクション比:9.6:1
1000rpm時車速:14.2km/h

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:4.8km/kWh
ツーリング:5.1km/kWh
動力性能計測時:2.4km/kWh

メーカー公表値:消費率
混合:5.3~5.5km/kWh

公称航続距離:402~414km
テスト時航続距離:322km(平均)/343km(ツーリング)
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:3.0回転
最小回転直径:11.4m

ブレーキ

前:330mm通気冷却式ディスク
後:320mmディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:自動(ステアリングコラム右側にスイッチ配置)

静粛性

アイドリング:-dBA
全開走行時(145km/h):71dBA
48km/h走行時:58dBA
80km/h走行時:63dBA
113km/h走行時:68dBA

安全装備

ABS/ESP/HBA/ALKA/ASLA
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人95%/子供91%
交通弱者保護性能:78%
安全補助装置性能:74%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温15℃
0-30マイル/時(48km/h)3.1秒
0-40(64):4.2秒
0-50(80):5.8秒
0-60(97):7.7秒
0-70(113):9.9秒
0-80(129):12.7秒
0-90(145):16.3秒
0-402m発進加速:16.1秒(到達速度:144.4km/h)
0-1000m発進加速:29.8秒(到達速度:158.8km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アウディQ4 E−トロン 40 スポーツ(2021年)
テスト条件:雨天/気温12℃
0-30マイル/時(48km/h)3.1秒
0-40(64):4.4秒
0-50(80):6.0秒
0-60(97):8.1秒
0-70(113):10.9秒
0-80(129):14.6秒
0-90(145):19.7秒
0-402m発進加速:16.5秒(到達速度:135.5km/h)
0-1000m発進加速:30.7秒(到達速度:160.5km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):2.2秒

30-50(48-80):2.7秒

40-60(64-97):3.4秒

50-70(80-113):4.2秒

60-80(97-129):5.1秒

70-90(113-145):6.2秒

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温15℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):23.5m
70-0マイル/時(80km/h):47.3m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.84秒

ライバルの制動距離アウディQ4 E-トロン 40 スポーツ(2021年)
テスト条件:雨天/気温12℃
30-0マイル/時(48km/h):10.1m
50-0マイル/時(64km/h):27.4m
70-0マイル/時(80km/h):55.5m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

ラグジュアリー性重視のSUVで四輪駆動を標準装備し、7人乗りで、ファミリーユースに適したキャビンスペースと使い勝手のいい積載性を備え、さらに短距離ながらもトレーラーテントよりやや重いものも牽引できる。メルセデスEQBは、マーケット待望のクルマだと言えるかもしれない。

カルトでバカげたものではなく、合理的で機能的なクルマだ。イージーに走れて、使う人それぞれのニーズに応えてくれる。自動車生活に革新をもたらすようなものではない。実用的で、商品力が高く、全般的に機能的なEVだ。しかし、無条件で誰にでもすすめられるものではない。

メルセデスの値付けは、他社の電動SUVに比べて、あからさまに高い。それでいて、航続距離はセグメントにおける上位にあるとは言えず、急速充電性能でもほかに勝るものではない。おそらくそれらが、このクルマの購入を検討する上での主な障害となるだろう。

そうはいっても、EQBにしか望めない要素があるのもまた事実だ。なんといっても7シーターであること。それが必要なら、洗練されていてバーサタイルな、完成度の高いファミリーカーとして受け入れられるだろう。

しかし、3列目シートをめったに使わないというのであれば、同程度かそれ以下の価格帯に、おすすめできる5シーターを見つけることができる。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースメルセデスはEQBのデザインを、エッジーでキャラクターに満ちていると説明する。諸手を挙げて賛成、とはいかないが、EQブランドのほかのモデルに比べれば、わざと悪目立ちさせるようなところは確かに少ないし、われわれが想像するメルセデスに多少なりとも近いのはこちらだ。少なくとも、走る石鹸のようなものには見えないEVだ。

イリヤ・バプラート1200kgもの牽引能力を発揮させた上で、屋根に自転車ラックも積んだら、ツーリングテストでの343kmという航続距離がどれくらい目減りするのかは、ぜひとも知りたいところだ。ないよりはマシといったところだろうが、トレーラーハウスを引っ張って実用に足るEVが、今のところそれほど多いとは思えない。

オプション追加のアドバイス

高額なEQB 350を選ばなくても、300で十分に速い。選ぶべきグレードはAMGライン・プレミアムで、1495ポンド(約23.2万円)のドライビングアシスタンスパッケージと、895ポンド(約13.9万円)のダーク系のメタリック塗装を追加したい。

改善してほしいポイント

・バッテリーのエネルギー密度向上を。リアルな航続距離は20%くらい引き上げないと、ライバルとの競争力が劣ってしまう。
・自動回生システムは、さらなる改良を続けてもらいたい。

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