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岩佐歩夢がポール・トゥ・ウイン。ランキングトップ浮上【FIA F2第3戦メルボルン レース2】

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岩佐歩夢がポール・トゥ・ウイン。ランキングトップ浮上【FIA F2第3戦メルボルン レース2】

 4月2日、2023年FIA F2の第3戦メルボルンのフィーチャーレース(決勝レース2)が、オーストラリアのアルバートパーク・サーキットで開催され、レッドブル&ホンダ育成の岩佐歩夢(ダムス)がポール・トゥ・ウインで今季2勝目、FIA F2通算4勝目を飾り、ドライバーズランキングトップに浮上。タイトル獲得へ向け大きな前進を果たした。

 第3戦レース2のグリッドは、3月31日に行われた予選結果順となり、大雨の予選で後続を0.614秒引き離す抜群のアタックを決めた岩佐が今季初のポールポジションを獲得し、同時に2ポイントを獲得。ドライバーズランキングでトップのラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)と同じ33ポイント獲得のランキング2位に浮上した。

【ポイントランキング】FIA F2第3戦メルボルン終了時点

 フロントロウ2番手には岩佐と1ポイント差のランキング3位につけるテオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)が並び、セカンドロウ3番手にビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)、4番手にアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)、3列目5番グリッドにはゼイン・マロニー(ロダン・カーリン/レッドブル育成)、6番グリッドにオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)、4列目7番グリッドに岩佐のチームメイトのアーサー・ルクレール(ダムス/フェラーリ育成)が続いた。

 フォーメーションラップ直前の計測で、気温15度、路面温度27度というコンディションのもと、タイヤ交換義務を有する周回数33周の決勝レース2は現地時間9時35分(日本時間10時35分)にフォーメーションラップが開始された。岩佐を含む上位7台はソフトタイヤスタート、8番グリッドのクッシュ・マイニ(カンポス・レーシング)をはじめ、後続の数台がミディアムタイヤでのスタートを選択した。

 岩佐は完璧なスタートを決め、ターン1のホールショットを守る。3番手マルタンスも蹴り出しはよかったものの、ターン1でわずかにコースオフ。その間にプルシェールが2番手を取り戻す。オープニングラップでは大きなアクシデントもなかったが、8番手ミディアムスタート勢最上位のマイニがターン9で接触もありコースオフ、10番手に後退。これでミディアム最上位は11番手のジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)に変わった。

 岩佐は3周目にはプルシェールに1.1秒のギャップを築いてDRS圏外に突き放す。一方のプルシェールはマルタンス、ハジャルに追い立てられる展開に。ただ、プルシェールもプッシュし、岩佐とのギャップを縮める。今季タイヤデグラデーションによりスティント後半に一気にペースダウンするケースも少ないくはないが、岩佐もクリーンエアのなか、プルシェールとほぼ同タイムを刻み続けて0.7~0.8秒のギャップをキープ。

 そんななか、ターン11でドゥーハンとジャック・クロフォード(ハイテック・パルスエイト)が接触し、弾き出されたクロフォードがクラッシュ。これでセーフティカー(SC)が導入される。その瞬間、7周目終わりに3番手のマルタンスが真っ先にピットイン。後続のロマン・スタネ(トライデント)、ユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)も続いた。

 8周目終わりに岩佐、プルシェール、ベアマン、ルクレールらがピットイン。岩佐はタイヤ交換済のトップを守り、プルシェールとの間にステイ組・タイヤ交換義務未消化のアムーリ・コルデール(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)が入るという抜群のポジションを確保。そんななか、ベアマンがピット作業エリアからピットレーンへ出る際にハジャルのノーズとヒット。ベアマンはこのアクシデントで右リヤタイヤをパンクし、再びピットインすることに。

 フレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング)を先頭に5台がSC中のタイヤ交換を見送り、以下、ロイ・ニッサニー(PHMレーシング・バイ・チャロウズ/タイヤ交換未消化)、エンツォ・フィッティパルディ(ロダン・カーリン/タイヤ交換未消化))、マイニ(タイヤ交換未消化)、岩佐、コルディール(タイヤ交換未消化)、プルシェール、ハジャル、マルタンス、デニス・ハウガー(MPモータースポーツ)というトップ10に。

 レースは13周目に再開を迎え、見た目上ベスティがリード。その直後、14周目のターン10でフィッティパルディとニッサニーが交錯。さらに、続くターン13ではニッサニーとハジャルが接触し、ハジャルはコースオフ。これでマイニが2番手、岩佐が3番手、以下、プルシェール、フィッティパルディ、コルディール、ニッサニーと順位は変わった。

 3番手岩佐は16周目にその時点でのファステストを更新。タイヤ交換済2番手のプルシェールに1.4秒のリードを築き、プルシェールにDRSを使わせない。ただ、19周目には見た目上トップのベスティがプッシュし、2番手マイニを4.6秒突き放す。

 一方、岩佐はマイニのペースに付き合うかたちとなるも、決して無理をせずペースをコントロールし、20周目のターン11でマイニを攻略。この時点でベスティは6秒先行している状況だったこともあり、岩佐はクリーンエアを取り戻す。しかし、21周目のターン9でプルシェールがマイニを攻略し、岩佐の1.6秒後方に続く。

 残り10周となった22周目に岩佐はセクター3全体ベストを更新。プルシェールとのギャップを2秒まで広げる。その一方、プルシェールの背後にはハウガーが接近。24周目にはハウガーが1分31秒041のファステストを更新し、プルシェールの1.2秒背後まで接近する。

 岩佐歩は一時6秒あったベスティとのギャップを3.8秒まで縮める。そんななか、ニッサニーがターン2立ち上がりのストレート区間でクラッシュ。これで26周目に2度目のSCが導入されることになり、このタイミングでベスティ、マイニ、フィッティパルディらがピットイン。ベスティはソフトタイヤに履き替え、7番手でコースに復帰するが、ピットアウト早々にターン1でコースオフし9番手に後退。

 さらに同じくピットアウト早々のフィッティパルディがターン2でスピン。コース復帰の際に足回りを損傷したのか、フィッティパルディはニッサニーのマシンのすぐそばでウォールにクラッシュ。これでSCは長時間導入されることになった。

 レースは31周目に再開、岩佐は早めの蹴り出しを見せる。しかしその背後、ターン13でマルタンスがハウガーに追突し2台がコースオフ。2台ともに優勝戦戦を離れることに。これでフレッシュタイヤのベスティが5番手に浮上。さらにベスティはターン1でマロニーをかわし4番手に浮上。3番手のルクレールの背後に続く。ただ、ベスティは32周目に1分30秒712とファステストを大幅更新も、ファイラルラップとなる33周目でもオーバーテイクには届かず。

 33周目を終えて、岩佐歩夢がトップチェッカーを受け、ポール・トゥ・ウインで今季2勝目、FIA F2通算4勝目を飾った。この勝利で岩佐はドライバーズランキングトップに浮上し、FIA F2タイトル獲得という目標へ向け大きく前進を果たした。2位にプルシェール、3位に初表彰台獲得となるルクレールが続いた。

 次戦となる第4戦バクーは、4月28日~4月30日に、アゼルバイジャンの首都バクー市街地に特設されたバクー・シティ・サーキットで開催される。






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