Z1000Mk.IIレプリカ、ドレミコレクションの「Z900RS Mk.2 Style」
ドレミコレクションと言えば、カワサキ空冷Z系リプロパーツなどの豊富なラインアップで有名だが、人気旧車の難点と言えば、台数に限りがあり良質なコンディションの実車が時とともに減っていくこと。そんな状況ゆえに、良品があれば価格はうなぎ上りに高騰。庶民にはどんどん手の届かない価値が付いていくばかり。
【画像7点】カワサキZ900RSをZ1000Mk.IIに「アイディア商品で2本サスも再現」元ネタMk.IIとの比較も!
そこで、ドレミコレクションが提案しているのが、現行車を旧車ルックに仕立てること。カワサキのヒットモデルで、そのベース車としても人気が高いZ900RSをZ1ルックに仕立てるパーツが豊富に揃えられて販売中だが、今回ショー会場で注目を集めたのがZ1000Mk.II風に仕立てられたZ900RS Mk.2 Style。
なお本家のZ1000Mk.2は、Z1(903cc)から排気量アップされた1015ccエンジンを搭載し、1979年の海外向けモデルとして登場(国内版には同意匠のZ750FX-Iがあった)。角型フォルムをまとった空冷Zの花形機種として人気沸騰し、現在中古車相場では、良質なものでは軽く500万円を超えるプライスタグが付けられている。
角Zルックのスチール製燃料タンクは純正同様に容量約17L
そんな絶版人気旧車のレプリカ外装をまとったZ900RS Mk.2スタイルは、東京モーターサイクルショーの会場で市販予定の試作品として展示されていた。
第一の注目ポイントは、造形から緻密にMk.2ルックとされたスチール製タンク。従来からのZ1スタイル用タンクは、14L容量の角張ったインナータンクに丸みを帯びたZ1風のFRP製タンクカバーを被せる構成だったが、Mk.2スタイルでは専用のスチールタンクを開発。
角型の外観にこだわったほか、Z900RSのSTDタンク(17L容量)から容量を減らさず、純正のタンクキャップとポンプを移植可能な構造とした。試作品段階のため確定の容量ではないが、Z900RSと同等かそれ以上の容量を確保しているという。
動かなくたって目を引く「フェイクツインショック」実はフレームとタンデムステップを繋いでいるだけ
そのほか、ABS+樹脂製のMk.2 Style・サイドカバーやメッキ仕上げのフロントフェンダー、サイドカバーや角型テールセクションのほか、フェンダーレスキットなどで、ほどよくカスタムされた空冷角Zフォルムを見事に再現している。
中でも個人的に目を引いたのが、フェイクツインショック。近年ネオレトロ系やネオクラシック系モデルは根強い人気ながら、何か物足りないと思うのは、車体後部の造形。機能的には現代版モノショックのほうが断然性能は高いものの、2本ショックの不在でスカスカしている感じが……。
そこでドレミコレクションが開発したのがフェイクツインショック。これはZ1 Styleでもラインナップされているが、ショックの上側はシートレール部に取付け、下側はタンデムステップ部から伸びたステーに取付ける仕様。つまりリヤのスイングアームの動きとは関係がなく、ショック自体が伸び縮みしない位置に付く文字通りフェイク(ニセモノ)のツインショックだ。
とはいえ「アウタースプリングもちゃんとあり、ショックボディも可動するものです」とドレミのスタッフが語るとおり、ニセモノには見えない造形が好ましい。そしてZ900RS Mk.2 Styleのそれは、オリジナルの雰囲気を漂わせた黒スプリング仕様。硬派な角Zのイメージを引き立てている。フェイクではありながら、真面目にフェイクと取り組む中から生まれたアイデア製品に、機能とは別の特別な魅力を感じたのは筆者だけではないかも。
これら人気の角Zを演出するレプリカアイテムは、まだ試作品というが、スチール製燃料タンクと同様に、間もなくドレミコレクションのカタログラインアップに掲載されることだろう。
レポート&写真●モーサイ編集部・阪本 資料提供●ドレミコレクション
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