現地時間3月5日、2023年F1開幕ラウンドとなる第1戦バーレーンGPの決勝レースが行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が自身通算36勝目をポール・トゥ・ウインで飾った。2位にセルジオ・ペレス(レッドブル)、3位にフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が続き、角田裕毅(アルファタウリ)は11位でチェッカーを受けた。
ついに迎えた2023年F1開幕。今季初のレギュラーシートを掴んだ3名のうち、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)にとっては今回のバーレーンGPが初のグランプリレースとなる。スタートタイヤは17番手スタートのケビン・マグヌッセン(ハース)のみハード(C1)、そしてその他のドライバーはソフト(C3)を選択。
ソフトスタート勢のうち、フェルスタッペン、ペレス、カルロス・サインツ(フェラーリ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)はユーズドでのスタートとなった。
57周の決勝レース開始直前のコンディションは気温は27度、路面温度は31度。日没から約20分後に迎えたスタートで、抜群の蹴り出しを見せたのは新品ソフトタイヤでスタートを迎えたシャルル・ルクレール(フェラーリ)だった。フェルスタッペン、ルクレール、ペレス、サインツ、ハミルトン、ラッセルというトップ6でターン5を通過。5番手スタートのアロンソはターン4でストロールとわずかに接触するシーンもあり、メルセデス勢に先行を許すかたちに。また、角田も15番手にポジションを下げてしまう。
スタートは大きなアクシデントもなく、フェルスタッペンは3周目にはルクレールに2秒のギャップを築いて以降は単独走行。一方、新品ソフトを装着したルクレールはペレスの前2番手を守る。ただ、先行するフェルスタッペンには毎周0.4~0.6秒ほどギャップを広げられる展開に。
18番手を走行していたピエール・ガスリー(アルピーヌ)が9周目終わりという最も速いタイミングでピットイン。ハードタイヤに交換する。その動きに呼応してかランド・ノリス(マクラーレン)、角田は10周目終わりと、早めのタイミングでのタイヤ交換を選択。ライバル勢に対しアンダーカットを狙う。そこから中段勢を中心にソフトスタート勢が続々とハードに交換。
12周目のターン4でアロンソがラッセルを攻略し、5番手に浮上。そして12周目終わりにルクレール、そしてサインツ、ラッセルが続けてピットイン。ただ、ラッセルは左リヤタイヤの交換でタイムロス。そんな中、14周目にピアストリがピットイン。タイヤ、そしてなんらかのトラブルが起きたか、ステアリングを交換するも再スタートは叶わず。これでピアストリはデビューレースをリタイアで終えることとなった。
14周目終わりに首位フェスルタッペンがピットインしソフトタイヤへ、16周目終わりにペレスがピットインしソフトタイヤを装着した。全車が1回目のピットストップを終えた時点で、角田は11番手。速いタイミングでのピットストップが功を奏し、ポイント圏内目前まで浮上する。
レースは20周目を迎えるとフェルスタッペンはルクレールに対し、10.6秒差。一方、ルクレールの3.6秒後方からペレスが追う展開に。ソフトタイヤを履いたレッドブル2台のペースはハードタイヤを履くルクレールをわずかに上回るも、3台はほぼ同じペースとなりギャップはなかなか縮まらず。
ただ、22周目にペレスが1分37秒240のファステストをマーク。ルクレールを捉えるべく、ここでスパートをかける。ペレスは23周目に1分37秒169と、3周続けてファステストを更新。そして25周目、ついにペレスがルクレールのDRS圏内に入ると、2台は接近戦を展開。26周目のターン1でインに入ったペレスがルクレールを攻略し、レッドブルが1-2体制を取り戻すことに成功した。
その間、首位フェルスタッペンは自己ベストを更新しつつ、約14秒先行しペースをコントロール。レース後半に差しかかかろうかという27周目、11番手アルボン、12番手角田が2度目のピットイン。ポイント獲得を狙って早めの動き出しを見せる。ピットアウト後には昨年までのチームメイト、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)を追う展開に。
また、テストから注目を集めたアストンマーティン勢のスピードは決勝でも健在だった。コース上ではメルセデスと真っ向勝負を展開する。
32周を過ぎると、上位勢も続々とピットイン。トップ3で最も早くピットに入ったのはハードタイヤで20周を走行したルクレールだった。その翌周にはペレスがピットインしともにハードタイヤに交換した。一方のフェルスタッペンは2セット目のソフトタイヤで22周を走行。37周目にコースに復帰すると、ペレスとの差は約12秒まで広がっていた。
その後方では5番手ハミルトンに6番手アロンソが接近。37周目のターン4でアロンソがハミルトンのインを指すも、ハミルトンが差し返す。チャンピオン経験者同士の見応えあるバトルを展開しつつ、アロンソはファステストを更新して、ハミルトンの背中を再度追う。そして38周目のターン10でアロンソがハミルトンをインからかわし、5番手の座を取り戻す。
そのアロンソの3秒先にはサインツがいたが、サインツのペースはアロンソから0.2~0.4秒遅く、その差は確実に縮まる。ポジションを下げたハミルトンもアロンソの背後からは離れず。
41周目、ターン13を立ち上がったストレートでルクレールがマシンを止めた。その際の無線は「ノーパワー」。これによりバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入されることになり、アルボン、ガスリー、角田、サージェント、マグヌッセン、ヒュルケンベルグといった中段勢が3度目のピットストップを敢行する。ソフトタイヤに交換した角田は41周目にデ・フリースを攻略。
そして、44周目に差し掛かると3番手サインツのDRS圏内にアロンソが入り、表彰台争いが白熱。フェラーリの表彰台を死守するべくブロックラインをとるサインツだったが、ペースは0.4秒ほどアロンソが上回っており、サインツはなす術がない。46周目、アロンソがターン11でサインツをかわし、3位に浮上する。
続いてハミルトンもサインツを攻略にかかるが、オーバーテイクには至らず。一方、3番手に浮上したアロンソのペースはフェルスタッペンと遜色ないタイムだったこともありサインツとの差を53周目には7秒まで広げた。
57周目、フェルスタッペンが圧巻の走りでポール・トゥ・ウイン。11.9秒差の2番手にペレスと、レッドブルは開幕戦から1-2と、幸先のいいシーズンのスタートを飾った。3位には2年ぶりの表彰台獲得となったアロンソが続き、4位はサインツ、5位ハミルトン、6位ストロール、7位ラッセル、8位ボッタス、9位ガスリー、10位アルボンまでがポイント獲得。角田はアルボンから0.653秒差の11位でチェッカーとなった。
次戦となる2023年F1第2戦サウジアラビアGPは3月17~19日に、ジェッダ・コーニッシュ・サーキットで開催される。
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