F1カナダGPのフリー走行3回目が行なわれ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がトップタイムを記録した。後続に0.4秒近い差をつける、圧倒的な速さだった。RBの角田裕毅は15番手だった。
初日とは打って変わって、晴天に恵まれたカナダGPの2日目。FP3はドライコンディションでスタートした。雨の確率は20%となっていた。
初日はウエットコンディションに見舞われるタイミングが多かったため、ドライタイヤでの走行データが不足……そのため、FP3ではセッション開始と同時に、多くのマシンがコースインした。
そんな中でセッション開始早々、キック・ザウバーの周冠宇がターン1の立ち上がりで挙動を乱して、ターン2アウト側のウォールにクラッシュ。赤旗中断となった。他の各車にとっても、貴重なドライ路面での走行機会を失うことになったが、もっとも痛いのはもちろん周。これでほぼぶっつけ本番の形で予選に挑まなければならなくなった。
5分ほどの中断期間を経て、セッション再開。セッション序盤は、ハードタイヤを選択した者、ミディアムタイヤを選択した者と、二手に分かれた。なおマクラーレン、アストンマーティン、RBは、ハードとミディアムの皮剥きを行なった。
そんな中折り返し時点で首位に立っていたのはアストンマーティンのフェルナンド・アロンソ。ハードタイヤを履いて1分14秒445を記録した。2番手にはダニエル・リカルド(RB)がミディアムタイヤで続いた。
セッション後半迎えようという頃から、ソフトタイヤを履くマシンが登場し始めた。するとウイリアムズのローガン・サージェントがアロンソのタイムを抜いて1分14秒355を記録し、タイムシートの首位に浮上してみせた。
その他のマシンも続々とソフトタイヤを投入し、ジョージ・ラッセル(メルセデス)やアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)などが首位を次々に塗り替えていき、最終的にルイス・ハミルトン(メルセデス)が首位に立った。
ただ今回のセッションはいつもと異なり、初日のFP1とFP2が共にウエット宣言されたため、FP2終了後に返却予定だったタイヤ1セットが、FP3にも保持できていた。そのため各車、3セット目の新品タイヤを投入し、積極的に走行を重ねた。
そんな中ラッセルがハミルトンから首位を奪い返すと、再びハミルトンがペースを上げて首位に。メルセデスが1-2体制を築いた。このメルセデス勢にリカルドが続いた。
このハミルトンのタイムは、ラッセルに0.7秒もの差をつける圧倒的なモノ。セッション最終盤にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)やランス・ストロール(アストンマーティン)、ラッセルらがタイムを縮めるも、ハミルトンは0.3秒差でリードを保った。
結局ハミルトンが首位でFP3を終了。タイムは1分12秒549だった。カナダで7勝と同地での歴代最多勝記録を保持している巧者ぶりを見せつけた格好だ。フェルスタッペンが2番手、3番手にラッセルが入り、地元グランプリとなっているストロールが4番手だった。
マクラーレン勢は5&7番手だったが、心配なのはここ最近戦闘力を上げていたはずのフェラーリ勢で、ルクレール10番手、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)が12番手と、中団に沈んだ。
ただ、首位ハミルトンは2番手フェルスタッペンに0.374秒差と大きく抜け出したが、2番手フェルスタッペンから18番手アルボンまでは、1秒差以内にひしめく大混戦である。
なおRB勢は、リカルドが6番手だった一方、角田は15番手止まりだった。
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