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レッドブル&HRC密着:レイアウト変更でも追い抜きは難しいままか。苦戦覚悟のシンガポールで初日は7&8番手

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レッドブル&HRC密着:レイアウト変更でも追い抜きは難しいままか。苦戦覚悟のシンガポールで初日は7&8番手

 レッドブル・ホンダRBPTが開幕から14連勝で迎えたF1第16戦シンガポールGPは、レッドブル・ホンダRBPTにとって、今シーズンの後半戦で最も厳しいレースだ。シンガポールGPの舞台であるマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットが曲がりくねった市街地コースだからだ。

 しかし今年、シンガポールGPの主催者はコースを改修し、レイアウトが一部変更された。変更されたのは、コースの後半部分のセクター3にあったターン16~19のエリアだ。そのエリアの再開発工事が行われるため、2008年にクラッシュ・ゲート事件の舞台となった『コ』の字型のレイアウトが姿を消し、ターン15から旧ターン20(新ターン16)までが1本のストレートとなった。

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 これによって、ラップタイムは最大10秒短縮すると言われている。

 昨年はシンガポールGPのフリー走行1回目のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の自己ベストタイムが1分43秒117で、今年のフリー走行1回目の自己ベストが1分33秒476だったから、コースレイアウト変更がラップタイムに及ぼした影響はシミュレーション通りといっていいだろう。

 このレイアウト変更によって、今年のシンガポールGPは例年よりも、オーバーテイクが増えるのではないかと期待されている。だが、あるチーム関係者は「昨年までなら、そうなっていたかもしれないが、今年は必ずしもオーバーテイクが増えるということはないだろう」と悲観的に見方をしている。

 その最大の理由は、エアロダイナミクスの進化だ。

 2021年までのF1マシンの空力は、アウトウォッシュと呼ばれる特殊な方法でフロントタイヤ周辺で起きる乱気流を軽減させることでより多くのダウンフォースを得ていた。

 しかし、アウトウォッシュは後方への乱気流を発生させるため、オーバーテイクの難しい状況を作り出していた。そこで国際自動車連盟(FIA)は2022年から新レギュレーションを導入し、グラウンドエフェクトカーを復活させた。これにより、アウトウォッシュに頼らずとも、安定してダウンフォースを得られ、オーバーテイクを促進させるためだった。

 だが、アウトウォッシュはレギュレーションで禁止されてはいないため、グラウンドエフェクトカーでもさらに多くのダウンフォースを稼ぐために、今年に入ると各チームがアウトウォッシュを活用した空力を開発してきた。

 ミディアムハイ・ダウンフォース・サーキットであるザントフォールト(オランダGP)では、約1秒もラップタイムが向上し、ロー・ダウンフォース・サーキットであるモンツァ(イタリアGP)でもコンマ数秒速くなったのは、こうした空力の開発によるものだった。

 しかし、アウトウォッシュの復活によって、前車に追従することが再び難しくなった。それが今シーズンのF1でオーバーテイクが少なくなった要因であり、ストレート区間が増えたにもかかわらず、シンガポールは依然としてオーバーテイクが難しいサーキットとなるだろうと予想されている。

 そのため、レッドブル・ホンダRBPTがシンガポールGPでも連勝を続けるには、予選ポジションが重要になるとレッドブルのチーム関係者は語る。

 しかし、レッドブル・ホンダRBPTの2台は初日セルジオ・ペレスが7番手、フェルスタッペンも8番手に終わった。フェルスタッペンはこう語った。

「もちろん、今回もベストは尽くす。僕たちは勝つためにここにいるし、連勝は続けたいとは思っている。でも、ストリートサーキットは僕たちのマシンには少し厳しいと思う」

 土曜日に向けて、レッドブル・ホンダRBPTの2台はどこまでセットアップを改善できるのか。レッドブル・ホンダRBPTにとって、金曜日の夜はいつもよりも長くなりそうだ。

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