最長58kmをEVモードで走れるPHEV
フルモデルチェンジしたプジョー308。今回試乗したのはシステム総合で225psを発揮する、トップグレードのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)だ。180psの1.6Lの4気筒ターボガソリンに、駆動用の電気モーターが組み合わされている。
<span>【画像】新型 プジョー308 ハッチバックとSW 欧州で競合となるハイブリッドモデルと比較 全106枚</span>
駆動用バッテリーの容量は12.4kWh。フル充電なら最長58kmを電気モーターだけで走れるという。充電能力は最大3.7kWまで。300ポンド(約5万円)のオプションで、7.4kWに高速化することもできる。
トランスミッションは8速ATで、前輪を駆動する。ちなみに試乗車は左ハンドル車だったが、運転したのは英国の一般道だ。
2023年には、純EV版の308も英国にやってくる見込み。現在の英国では試乗した225psのPHEVのほかに、180psのPHEVと、129psの1.2Lガソリンターボと1.5Lのディーゼルターボが選べる。
新しいプジョー308に乗り込んでみると、運転席まわりの上級な印象に感心させられる。用いられている素材の質感は高く、デザインも良い。
小さなステアリングホイールが低い位置に伸びるレイアウトを、プジョーはiコクピットと名付けている。ステアリングホイールの上部がフラットに切り取られ、モニター式メーターパネルの視認性を確保してある。
情報が立体的に重なっているように見える3D効果は、208のものと同様だ。筆者は、このプジョーのメーターが好きではある。でも、ステアリングホイールを丸くできないのなら、位置を改めた方が良いと思う。
車内は少々狭目ながら、印象の良い走り味
ダッシュボードの中央上部には、インフォテインメント・システム用の大きなタッチモニターが据えられる。その下に、ピクトグラムが記されたタッチセンサーが並び、さらに実際に押せるハードボタンもある。
見た目はこちらも良いものの、エアコンの温度調整などは視線をそらさずにできた方が良い。反応も、今ひとつに感じた。
プジョー308のライバルとなるのは、フォルクスワーゲン・ゴルフやルノー・メガーヌといったCセグメントのハッチバック。新型は先代より全長が105mmも長くなり、4367mmある。ちなみに8代目ゴルフは、4284mmとなっている。
ホイールベースも伸ばされたが、リアシート側の空間は見た目ほど広くはないよう様子。荷室容量は大きく、412Lある。
車内には気になる部分もあるものの、運転した印象はとても良い。車重は、このクラスとしては多めの1687kgで、操縦性はフォード・フォーカスなどと比べるとその重さを感じる。だが、乗り心地は適度にしなやかで、しっかり姿勢も制御できている。
PHEVのパワートレインは滑らかクルマを引っ張り、レスポンスも良好。バッテリーの残量が少ない状態でもエンジンは驚くほど頻繁に停止し、燃費を伸ばしてくれていた。
電気モーターによる回生ブレーキと、ディスクとパッドによる摩擦ブレーキとの調和は、もう少し改善できそうだ。英国では1月から販売が始まるが、それまでに調整を受けることを期待したい。
308のスイートスポットは別にあり
新しく生まれ変わった、プジョー308のPHEV。システム総合で225psのパワートレインはたくましく、好感触なドライビング体験を得られる。ただし、リアシートの広さやインターフェイスなど、ライバルに及ばない部分もなくはない。
英国での価格設定は魅力的といえ、2万4000ポンド(約369万円)からフランス製ハッチバックのオーナーになれる。今回試乗したPHEVの225の場合は、3万7135ポンド(約571万円)へ膨らんでしまうけれど。
最新のプジョー308のスイートスポットは、今回試乗したハイブリッド225 GTではないかもしれない。英国仕様として調整を受けた、右ハンドル版を改めて試乗してみたいと思う。純EV版も気になるところだ。
プジョー308 ハイブリッド225 GT プレミアム E-EAT8(欧州仕様)のスペック
英国価格:3万7135ポンド(約571万円)
全長:4367mm
全幅:1852mm
全高:1441mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:75.8-94.2km/L
CO2排出量:24-30g/km
車両重量:1687kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:12.4kWh
最高出力:225ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:8速オートマティック
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