現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 2021年WTCRも22台のフルエントリーが確定。新型ヒュンダイのBoPには疑問の声も

ここから本文です

2021年WTCRも22台のフルエントリーが確定。新型ヒュンダイのBoPには疑問の声も

掲載 更新 1
2021年WTCRも22台のフルエントリーが確定。新型ヒュンダイのBoPには疑問の声も

 2021年はドイツ・ニュルブルクリンクでの開幕を予定するWTCR世界ツーリングカー・カップは、新たなシーズンに向け22台のフルエントリーが集まったことを公表。3名の元WTCRチャンピオンと、同じく3名のWTCC世界ツーリングカー選手権王者が名を連ねるなど、経験と若さが混ざり合う実力派揃いの顔ぶれとなった。

 エントリーリストに登録された22名のうち9名が25歳以下で、うち4名がFIA WTCRジュニアドライバータイトルの資格を持つという活発な新陳代謝が図られた上、名門Target Competition(ターゲット・コンペティション)から初参戦のジェシカ・バックマンが開幕戦公式セッションに登場すれば、WTCRに参戦する最初の女性ドライバーになるなど、フレッシュなラインアップが実現した。

2012年世界王者ロブ・ハフがWTCR復帰。ゼングー加入でアズコナ、ジェネらと強力布陣に

 TCR規定車両を製造する参戦マニュファクチャラーでは、5社がカスタマープログラムの支援という形で実質的なファクトリー活動を継続し、グリッドにはヒュンダイ・エラントラN TCRと2代目アウディRS3 LMSと、2021年投入の新規車種も並ぶ。また、イベントごとにワイルドカード枠としてさらに参戦台数が追加される可能性も残されている。

「2021年のWTCRに向けたフルシーズン・エントリーリストは、メンバーの多さだけでなく質の面でも非常にハイレベルであり、25歳以下の9名とジェシカに代表される女性ドライバーの参戦という、とても歓迎すべき方向性となった」と語るのは、シリーズプロモーターのEurosport Events(ユーロスポーツイベント)でWTCRディレクターを務めるハビエル・ガヴォリ。

「彼らに対し重要なサポートの役割を果たすのは、非常に専門的で献身的な11のチームだ。彼らは5社のカスタマーレーシング部門を代表し、ワンメイク供給されるグッドイヤー・タイヤを装着しつつ、P1 Racing Fuels(P1レーシング・フューエル)の持続可能なバイオ燃料が初めて使用されるシーズンを戦うことになる」と続けたガヴォリ。

「新シーズンの開幕まで残り数週間というところだが、6月のニュルに向け材料はすべて揃ったと言えるね」

 その2021年シーズンに向け、TCRのライツホルダーであるWSCグループの技術部門は、この4月末に新型ヒュンダイとアウディRS3 LMSの最新バージョンに対するBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)を発行したが、そのうちヒュンダイ製のサルーンに対しては、従来のハッチバック車両であるi30 N TCRと比較して“40kgの軽量化、2.5%のパワーアップ、車高10mmダウン”など「有利なBoPを受け取っている」との声が挙がっている。

■ヒュンダイのBoPに関してライバル陣営から驚きや懸念の声
 その代表格として、シリーズでリンク&コー03 TCRを走らせるCyan Racing(シアン・レーシング)CEOのフレデリック・ヴァーレンは「2021年に先駆け、いくつかの新型TCRモデルが開発されたことを嬉しく思うが、正直に言ってヒュンダイのBoPには驚いている」と述べた。

「総体的にWSCグループのTCR規約は合理的に見えるBoPを採用しており、このWTCRでも継続的にハイレベルな競争の場が確保されてきた。とはいえ、新型エラントラのBoPには率直に驚いたよ。セダンボディで明らかにi30より優れた運動性能と空力を有しながら、従来よりはるかに有利なBoPを受け取ったんだからね」と続けたヴァーレンCEO。

「この適用数値は、エラントラの出発点に過ぎないことを願っている。新型車が最初にレースを戦うTCRヨーロッパ開幕戦後に各数値が詳細に評価され、WTCR開幕前に再調整されることも期待している」

 そのTCRヨーロッパ開幕戦のスロバキアリンクでは、リバースグリッドのレース2でSebastién Loeb Racing(セバスチャン・ローブ・レーシング/SLR)の王者メディ・べナーニが早くも勝利を飾っているが、約2週間が経過した現時点ではBoPレベルに関する話題は出てきていない。

 一方、今季からWTCRで新型アウディを走らせるComtoyou Racing(コムトゥユー・レーシング)からも懸念の声が挙がっている。

「我々の2代目アウディRS3 LMSが、新型のヒュンダイより40kg多いバラストを受け取り、WTCRでこれより重いのはリンク&コーだけ……という状況は驚くべきことだね」と語るチームマネージャーのジャン-ミシェル・ベアト。

「パフォーマンス調整の計算は、各車の可能性を評価するいくつかの数値や性能に基づいていることを念頭に置けば、アウディが受け取ったBoPを説明するために、彼らは新型RS3 LMSで素晴らしい開発作業を行ったに違いないね」と皮肉を込めたベアト。

「つまり、現時点で我々のマシンは将来に向けて有望だと結論付ける必要があり、最初のレースを楽しみにしている」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
motorsport.com 日本版
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村