12月18日、2024年からWEC世界耐久選手権に導入されるLMGT3クラスにシボレー・コルベットZ06 GT3.Rを投入し参戦することが決まっているイギリスのTFスポーツは、そのうちの82号車のドライバーラインアップを発表した。すでにアストンマーティンからコルベットへのスイッチが決まっているTFスポーツだが、その2台のうちの82号車のドライバーとして、2023年にミシュラン・ル・マン・カップに挑戦していた小泉洋史が抜擢されることになった。
2024年から新設されるLMGT3に向けて、新たにコルベットZ06 GT3.RにスイッチすることになっているTFスポーツは、すでに81号車のドライバーとしてルイ・アンドラーデ/トム・ファン・ロンパウ/チャーリー・イーストウッドというラインアップを発表しているが、82号車についてはダニエル・ジュンカデラ以外のラインアップが未定だった。
“世界”への次なるステップへ。WEC第6戦富士に小泉洋史とケイ・コッツォリーノがスポット参戦
その82号車について18日、TFスポーツはラインアップを発表したが、新たな日本人ドライバーがWECのレギュラーシートを射止めることになった。2023年からAFコルセのシートを獲得し、ミシュラン・ル・マン・カップに挑戦、WEC第6戦富士にもスポット参戦した小泉が、ブロンズドライバーのシートを獲得することになった。
小泉は1969年神奈川県生まれ。フォーミュラトヨタや全日本F3、スーパーGT GT300クラスにも挑戦し、一時モータースポーツ活動を休止していたものの、2022年にGTワールドチャレンジ・アジアでドライバー活動を再開させると、旧知のケイ・コッツォリーノとともに世界への挑戦を開始。憧れだったAFコルセからミシュラン・ル・マン・カップに参戦し、優勝、そしてランキング2位を獲得。さらにWEC第6戦富士にもスポット参戦し速さをみせた。
「モータースポーツの頂点がFIAが定めるF1、WRC、WECといった三大世界選手権であり、今の自分がレーシングドライバーとしてチャレンジできる最高の舞台がWEC、つまり世界耐久選手権です。2024年、ついにWECにフル参戦できることを光栄に思っています」と小泉はコメントを残した。
チームメイトとなるのは、DTM等でも活躍したダニエル・ジュンカデラ、そして2023年にGTワールドチャレンジ・ヨーロッパで活躍したセバスチャン・バウドというふたり。TFスポーツの実力は2023年までDステーション・レーシングのメンテナンスを務めるなど言うに及ばずで、コルベット・レーシングのファクトリー格からの参戦と、魅力的な体制を得ることになった。
「ダニエルやセバスチャンのような経験豊富なチームメイトと一緒に仕事ができることを本当に誇りに思います。マカオのウイナーであり、DTMで成功したダニエルとチームを組めることは、ドライバーとしての自分にとって間違いなく成長につながることと思います。我々がGT3クラスで最高のドライバーパッケージとなるべく、自分も最善の努力を尽くします」
また、小泉を起用することになったTFスポーツ代表のトム・フェリエは「2024年の体制発表ができて、非常に嬉しく思っている。ようやくヒロシ、セバスチャン、ダニエルを我がチームに迎える時がきた。新しいコルベットZ06 GT3.Rとともに、素晴らしい結果を達成できるチームが結成できた」とコメントした。
2024年のLMGT3クラスには、すでにユナイテッド・オートスポーツからマクラーレンで佐藤万璃音の参戦が決まっているほか、アコーディスASPのレクサスを木村武史がドライブする予定となっており、日本人ドライバーの多数参戦が決定。小泉の挑戦決定により、さらに見逃せないものになりそうだ。
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