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ランドローバー・シリーズIIAをオマージュしたクラシックディフェンダーの特別限定モデルが登場

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ランドローバー・シリーズIIAをオマージュしたクラシックディフェンダーの特別限定モデルが登場

 英国ジャガー・ランドローバー傘下のランドローバー・クラシックは2023年5月15日(現地時間)、フルレストアを施して販売する初代ディフェンダーの特別仕様車「クラシックディフェンダー・ワークスV8アイラエディション(CLASSIC DEFENDER WORKS V8 ISLAY EDITION)」を発表した。ボディタイプは「90」「110」ステーションワゴンを用意する。

 今回の特別仕様車は、2012年から2016年に製造された最終版の初代ディフェンダー90/110ステーションワゴンをベースに、ローバー・カー・カンパニーのマネージングディレクターで、ランドローバー創設者の1人でもあるスペンサー・ウィルクスが所有していた1965年製「ランドローバー・シリーズIIA」からインスピレーションを得て内外装を特別に仕立てたことが特徴である。また、車名のアイラはウィルクスの邸宅があり、初期のプロトタイプのテストを実施するための拠点という役割を担ったスコットランドのアイラ島に由来する。アイラ島では1947年に悪路を走行するための大幅な改良を施した「ROVER」をテスト走行。この時、邸宅のゲームキーパー(管理人)から「これは“LAND ROVER”だ」といわれたことがきっかけで、「LAND ROVER」という名称が誕生している。

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 クラシックディフェンダー・ワークスV8アイラエディションの概要を紹介していこう。まず外装は、ウィルクス所有のランドローバー・シリーズIIAのミッドグレーをオマージュしたヘリテージグレーのボディカラーに、ライムストーンのコントラストルーフとヘビーデューティスチールホイールを組み合わせたことがトピック。また、LAND ROVERのヘリテージロゴとISLAYロゴを組み合わせた専用エンブレムや、クラシックスタイルのフロントグリル、ボディ同色のホイールアーチ、LAND ROVERヘリテージロゴ入りのマッドフラップ、ウィルクス所有のランドローバー・シリーズIIAのナンバープレート“GXC 639C”を記したサイドグラフィックなどを特別装備する。一方、視認性を高める目的でヘッドライトにはLEタイプを組み込んだ。

 内包するインテリアは、上質なエボニーのウィンザーレザーをプレミアムディフェンダーシートやトリムに配するとともに、シートのショルダー部分やドアトリム、センターアームレストリッド、サンバイザー背面のディテールにアイラ毛織物工場で製造する厳選した手触りのよいツイード生地を採用したことが訴求点。ツイードのパターンはアイラ島の風景を反映したアースカラーを基調とし、合わせてアイラ島の海と空を表す青、地元の植物であるヘザーをイメージした紫、草地を表す淡い黄色などを取り入れて、当地の眺望を表現する。スマートフォンなどの小物を収納できるセンターコンソールのポーチにも、このツイード生地を使用した。また、中央の収納スペースにはアイラ島とのつながりをより強める、特注のレザータブが付いた取り外し可能なトレイを装備。その素材には、アイラ島に居を構えるキルホーマン蒸留所で使用されているウイスキー樽のオーク材を取り入れる。各トレイにはウイスキー樽の端部を再現したユニークな110mm径の円形ウッドボードを配備。ボードはウイスキー樽に刻印されていた文字がそのまま残される。本物のウイスキー樽に刻印されているのと同じ書体で蒸留所とウール工場の名称、そしてランドローバー75周年を記念するロゴを刻んだことも目を惹く部分だ。さらに、各カップホルダーのベースにもウイスキー樽のオーク材を採用。リアのラゲッジスペースフロアにも、オーク材のパネルを配している。

 シフトレバー横に設置したプレートも注目点。“LAND ROVER”という名前がどのように誕生したのかを説明しており、同車がアイラ島と深くつながっていることを主張する。また、ステアリングホイールとシートのヘッドレストにはエンボス加工のLAND ROVERヘリテージロゴを刻印。センターコンソールやクラシックインフォテインメントシステム(衛星ナビゲーション、DABラジオ、Bluetooth等を装備)、ピストルシフターギアレバーはボディ同色のディテールで囲んだ。一方、ディフェンダークラシックとしては珍しくすべてのフットウェルをカーペット敷きで仕立て、ラグジュアリーなキャビン空間を演出している。

 パワートレインに関しては、4999cc・V型8気筒ガソリンエンジン(最高出力405ps/6000rpm、最大トルク515Nm/5000rpm)、8速オートマチック、全輪駆動、2段副変速機を搭載。オンロードの快適性とダイナミクスを強化したディフェンダー・サスペンションアップグレードキットやハンドリング・アップグレードキット、制動力を高めたグレードアップ版のワークスV8仕様ブレーキディスク/パッド/キャリパーも組み込んでいる。

 なお、クラシックディフェンダー・ワークスV8アイラエディションの販売台数は世界限定30台(90ステーションワゴン17台、110ステーションワゴン13台)で、車両価格は90が23万ポンド(約3915円)、110が24万5000ポンド(約4170円)に設定している。

文:カー・アンド・ドライバー 大貫直次郎
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