2020年のMotoGP王者に輝いたジョアン・ミル(スズキ)は、予選でのパフォーマンスに苦労しており、自然なスタイルでバイクに乗ることができていないと語った。
チャンピオンを獲得したとはいえ、予選でのパフォーマンスは、昨年からスズキの弱点だったと言える。ミルはコンスタントにポイントと表彰台を獲得したが、優勝は1回のみ。それ以上に、ポールポジションは1度も獲得できなかった。ポールポジション獲得0回でタイトルを獲得したのは、1992年のウェイン・レイニー以来のことである。
■ジョアン・ミル、ミラーの危険な”体当たり”に憤慨「意図的な接触で、ライバルへの敬意がなかった」
スズキは、2015年にMotoGP最高峰クラスに復帰して以来、ポールポジションを獲得したのは同年のカタルニアGPのみ。アレイシ・エスパルガロの手によるものだった。同GPではマーベリック・ビニャーレスも2番グリッドを手にしており、スズキが1-2を独占したのだった。
そして今季カタールで行なわれたMotoGPの開幕戦と第2戦では、ミルはいずれもフリー走行で予選Q2直接進出の権利を手にすることができず、スターティンググリッドは9番手と10番手が精一杯だった。
「やるべきことがたくさんある」
ミルはスズキの予選パフォーマンスについてそう語った。
「今は離されているけど、徐々に近づいている。改善しなければいけない部分は分かっているけどね。でも、良いラップタイムをまとめるのは本当に難しいんだ」
「(好みの形とは)別の形でバイクに乗らなきゃいけない。ラップタイムをまとめ上げるために、こういう形で乗るのは本当に自然なことじゃないんだ」
ただレースでの力強さは今年も健在。開幕戦カタールGPでは、表彰台まであと一歩(0.093秒差)まで迫る4位、続くドーハGPでは、ジャック・ミラー(ドゥカティ)と接触したことでポジションを落としたが、最終的に7位まで挽回してみせた。
スズキのマシンはタイヤに優しく、それが予選という”弱点”を埋める結果になった。しかしそれでも、予選パフォーマンスを改善することは「最も重要なことのひとつ」だとミルは認める。
「土曜日は、日曜日よりもずっと緊張する。ストレスも多いんだ」
そうミルは付け加える。
「1周アタックのペースで、ライバルから遠く離れているのは、普通ではない。これは、僕らが修正しなければいけないモノだ」
「結局レースペースを見れば、僕らは本当に力強い。本当に良い形でバイクに乗れているんだ。でも普通じゃないのは、アタックラップでライバルたちは1秒半ほど速く走るということなんだ」
「だから、それは僕らが取り組む必要のあることだと思う。しかも、今の形は僕のスタイルの助けになっていない」
「通常なら、僕は本当にアグレッシブにアタックする。アタックをまとめ上げるには、アグレッシブでなければいけない。プッシュしなきゃいけないし、アグレッシブに減速しなければいけない。それが僕のスタイルなんだ」
「しかしこのバイクは、本当にスムーズに、そしてリラックスして走らせなければいけないんだ」
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