富士スピードウェイで行なわれた2021年スーパーGT最終戦の公式予選。GT500のポールポジションを獲得したのは、14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)だった。
ポイントリーダーの山本尚貴(1号車STANLEY NSX-GT)から20点ビハインドで最終戦を迎えた14号車の大嶋と山下は、このポールで点差を19に縮めたものの、依然として優勝がタイトルへの絶対条件であり、かつ予選2番手の1号車をはじめとするライバルが軒並み下位に沈む必要がある。そのため、ふたりもタイトルをあまり意識していないという。
■スーパーGT第8戦富士|予選レポート(GT500):14号車ENEOSの山下健太がコースレコードを更新しPP獲得
Q2で1分25秒764をマークした山下は会見で、タイトルを一切意識していないのかという質問にも「考えていないです」とキッパリ。大嶋も「とてつもなく運が良ければ獲れるのかもしれないですけど……現状、NSXの3台(1号車、8号車ARTA NSX-GT、17号車Astemo NSX-GT)が下位に沈むことはなかなか想像できないので、とにかく自分達のレースに集中するしかないと思っています」と語った。
ただ、マシンの調子は週末を通してかなり良い様子。練習走行でトップタイムを記録した14号車は、予選Q1を前にしてセットアップを再調整。Q1を担当した大嶋には「十分ポールを狙えるというフィーリングがあった」といい、この変更もマシンのポテンシャルをさらにアップさせたようだ。山下も「自分のアタックは完璧ではありませんでしたが、そのくらいクルマが速かったのだと思います」と語り、マシンの出来の良さをうかがわせた。
来たる決勝レースに向けて、山下は「今年のスープラ勢は少し苦戦気味でした。チャンピオン争いは厳しいですが、最後に勝って終われば、来年にも繋がると思います。ここまで来たら勝たないといけないと思うので、しっかり勝って来年につなげたいです」と語った。
一方の大嶋も、社会がコロナ禍から少しずつ日常を取り戻そうとする中で、サーキットに来場したファンに思いを馳せながら次のように語った。
「去年からファンの方との距離ができてしまって、残念な気持ちもありました。『みんな本当にレースを見てくれているのかな?』と不安になることもありましたが、今回たくさんの人が応援に来てくれていてありがたいです。僕たちはチャンピオンに届かないかもしれませんが、最終戦を勝利で締めくくり、楽しいレースを見せて皆さんに恩返ししたいです」
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