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これは1台満足EVだ! ボルボEX30は、サスティナブルでもガマンいらずの「使える」EVだった

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これは1台満足EVだ! ボルボEX30は、サスティナブルでもガマンいらずの「使える」EVだった

ボルボ入魂の「ジャストサイズ」EV

3月上旬、ボルボ最小のBEVとして注目されるEX30のメディア向け試乗会が、ようやく開かれた。

【画像】ボルボEX30試乗会の様子をみる 全143枚

AUTOCAR JAPANが最初にEX30の記事を掲載したのは昨年1月で、正式発表され姿があらわになったのは昨年6月。同月中に、青山のボルボ・スタジオ東京にて実車撮影の機会があたえられた。ここまでは実にスムーズ。

ここからが長かった。部品供給の遅れで本国でのデリバリーが延び、日本導入にあってはローカライズに想定以上の時間を要したのだという。大勢が待ちわびたEX30のドライブがかなうこの日、試乗会はEX30のプロダクト説明から始ま……らなかった。

プレゼンはまず「持続可能性」をキーワードに、ボルボの事業運営から。2025年までにリサイクル素材やバイオ素材の使用率を高めていき、2040年には完全な循環型ビジネスを構築する。さらに、水力発電の電力で稼働するバッテリー工場を建設しており、スウェーデン企業3社と合同で化石燃料を使わず生産する鉄鋼を開発中……と続いた。そのあとに、EX30のプロダクト説明がはじまった。

これはもう、実際に触れて乗ってみて判断するしかない! プロダクト説明の進行も、心なしか駆け足に。そうこうしているうちに、さあ、いざ試乗だ。

かぎられたディテールに工夫が宿る

実車の印象は「思ったより小さいな」

スクエアなボディに四隅に配されたタイヤで、写真でみるかぎり存在感のあるフォルム。でも実寸は全長4235mm、全幅1835mmに抑えられていて、これまでのボルボ車の伸びやかなスタイリングとは違い、ぎゅっと凝縮されたカタマリ感のあるプロポーション。

試乗車の鮮やかなソリッドのイエローも相まって、ニューモデルという以上のフレッシュさを感じられる。

乗り込んでみても今までのボルボ車とは違う。中央の縦長のディスプレイこそ見慣れたものだが、既報のとおり、物理スイッチやダイヤルの類いはほぼ見当たらない。ダッシュボードの奥にはハーマン・カードンのロゴが輝くサウンドバーが存在感を放つ。

センターコンソールには、引き出し式の小物入れが。これは格納できる仕切り板によりドリンクホルダーと兼用可能なほか、引き出す量によって1人用と2人用を兼用するというところまで考えられている。インテリアは、余計なディテールを増やさずに、1つのものにいかに複数の役割をもたせられるかに知恵が絞られているという印象だ。

そもそもの物量を減らし使用するマテリアルの使用量をおさえる。さらに、限られたパーツの1つ1つを、リサイクル素材や自然素材によって構成する。そこにいかにもな「再生品」のニオイを感じさせないのは、新世代のボルボが蓄積してきた造形のうまさが生きているからに他ならない。

EX30のインテリアからは、ボルボがサスティナビリティにかける強い思いが見て、そして触って伝わってきた。

走り、使い勝手に不満なし ワガママに応える1台

限られた時間なので、独特な操作系のすべてを飲みこめないまま、レクチャーを受けながらシートポジションやミラーを合わせ、走り出す。同門のC40リチャージやXC40リチャージの最新モデルと同様、リアにモーターを1基搭載するが、それらの車重が2tを超えるのに対し、EX30は1790kgと約200kgあまり軽い。

そこに搭載するモーターは、前者2台が238ps/42.6kg-mだが、EX30は272ps/35.0kg-m。トルクこそ前者よりも控えめながらも軽量さが効いており、街中では後輪駆動らしくスムーズにキビキビと走る。

このパワーも、スロットルペダルに触れた途端に炸裂するのではなく、踏み込みぐあいによってじわりと加速するよう設定されている。段差を吸収するのではなく、なめらかに「いなす」足回りとも相まって、肩肘張らずにリラックスできる移動空間としてのボルボらしさが残っていた。

後席はややフロアが高いかなと思いつつも、頭上に広がる巨大なガラスルーフにより開放感が確保され、狭さとは無縁。じっさいに、身長170cmの筆者でも不自由は感じなかったし、もう少し大柄な人でも問題にならないだろう。

大人が4人きちんと乗って移動できる上、318Lの荷室が用意されボディサイズを考えれば合格点。走行用バッテリーは69kWhで一充電走行距離は560km。多少差し引いて見積もっても400kmを割り込むことはなさそうだ。一通りのスペックは、普段使いプラスアルファの範囲であれば、なにかとガマンする必要はないといえる。

どのメーカーもサスティナビリティと無縁ではいられないなか、ボルボはその最前線にいると言っていい。EX30のカーボンフットプリントは、C40リチャージ比で実に25%低減されているという。

ようやくやってきてくれたEX30は、持続可能性に投資しながらも、いかにも日本向きなサイズ感に日常生活でもガマンいらず。いくつものワガママな要求を満たしてくれる1台だった。

試乗車のスペック

価格:559万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4235×1835×1550mm
駆動方式:後輪駆動
車両重量:1790kg
電動機形式:永久磁石同期電動機
定格電圧:400V
定格出力:75kw
総電力量:69kwh
一充電走行距離:560km
最高出力:272ps/6500~8000rpm
最大トルク:35kg-m/5345rpm
駆動バッテリー:リチウムイオン電池 107セル
タイヤサイズ:245/40R20(フロント)245/45R20(リア)

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みんなのコメント

27件
  • ********
    >ガマンいらずの「使える」EVだった

    ただしタッチパネルを除く
  • zen********
    ブランドとしてのボルボのBEVに求められるのは果たしてこれだったのだろうか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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