エントリーグレードの方が好ましい
近年のバッテリーEV(BEV)は、同じモデルならトップグレードよりエントリーグレードの方が好ましいことが少なくない。基本的に装備は充実している一方で、最高出力が高いほど航続距離は短くなることが多いためだ。
【画像】少しの改良で完璧になれる ジェネシスGV60 ライバルのBEVクロスオーバーと比較 全116枚
これはジェネシスのBEVクロスオーバー、GV60にも当てはまるだろう。490psを誇るツインモーターのスポーツプラス・グレードへ試乗した時、スポーツ度が抑えられ、ひと回り小さいホイールを履くグレードの方が好印象なのではないかと考えた。
今回試乗したGV60 プレミアムは、まさにそれ。シングルモーターの後輪駆動で、229psを得ている。
話を進める前に、ジェネシスGV60について確認しておこう。ジェネシスは、韓国のヒョンデが展開するプレミアム・ブランドで、トヨタのレクサスに相当する。GV60が採用するプラットフォームと77.4kWhの駆動用バッテリーは、アイオニック5と同じものだ。
ボディはジェネシス独自のデザインで、滑らかな面構成が特徴。内装素材は上質なものが選ばれ、プレミアム・ブランドとして高級感を高めている。だが実際のところ、 欧州カー・オブ・ザ・イヤー2022を受賞したキアEV6と、パッケージングはかなり近い。
EV6より快適性で勝る インテリアも競合以上
英国での販売価格も、最近まではキアEV6と大きな違いはなかった。ところが2022年末に値上げが決まり、4万7005ポンド(約752万円)から5万3905ポンド(約862万円)へ、一気に上昇している。
これは同セグメントに属する、テスラ・モデルYのスタンダードレンジやアウディQ4 eトロンなどと比べても高価。ジェネシスとしての強みは、弱まったといえるだろう。
インテリアの質感は、同クラスのテスラやアウディを凌駕している。一方で、やや派手に見えるデザイン的な処理は好みを選ぶと思う。車内空間は、ライバルより広いわけではない。近似サイズの内燃エンジンモデルと比べれば、ゆとりを感じるけれど。
インフォテインメント・システムは、メニュー構造が論理的。タッチモニターの反応は良く、ロータリーコントローラーも備わり、現在では最も扱いやすいものの1つに数えられる。ちなみに、画面で操作できる運転支援システムはデフォルトでオンになる。
発進させると、EV6より快適性では勝ることを実感する。特に遮音性は、このセグメントとしては平均以上。エルゴモーションと呼ばれる、オプションの上級シートは座り心地が良い。角度などの調整域が広く、クッションは長距離でも疲れにくいと感じた。
低重心の後輪駆動でシャシーバランスは良好
乗り心地は、期待したほどではなかった。プレミアム・グレードの方が、スポーツプラス・グレードより肉厚なタイヤを履くのだが、市街地では時折入力をなだめきれない場面もあった。高速域では終始滑らかな印象だけれど。
恐らく、カメラ映像を利用したアダプティブ・ダンパーが組まれていないためだろう。VG60では、上級グレードのみの設定になる。
カーブへ侵入すると、ステアリングホイールの入力への反応はスポーツプラスより鋭い。一方で、手のひらへ伝わる感触は殆どない。
それでも、基礎骨格をなすE-GMPプラットフォームが低重心を叶えており、ボディロールは抑制され、シャシーバランスは良好。後輪駆動モデルらしくリアタイヤがクルマを押すような感覚があり、運転は楽しめる。
試乗した日は氷点下という気温の低さで、航続距離の公平な評価はできなかった。少なくとも、同条件で3.2km/kWh近くまで能力が低下するモデルも珍しくないなか、平均で4.6km/kWhに届いていたことは高く評価できる。
エネルギー効率に優れる、ヒートポンプ式のエアコンが貢献していることは間違いない。同等のパワートレインを搭載するキアEV6の場合、現実的な航続距離は420km程度になるが、恐らくGV60でもそれに並ぶだろう。
少しの改良を加えれば完璧な仕上がり
シャシーへもう少しの改良を加えれば、BEVの中型クロスオーバーとして、ジェネシスGV60は完璧な仕上がりになる可能性を秘めている。既に優れた完成度だといっていい。
テスラを超える、上質なインテリアは明らかな強み。動的能力や急速充電能力、航続距離などの総合力でも、アウディやボルボの競合モデルより有利だといえる。
それだけに、ジェネシスが英国価格を大幅に引き上げたことが残念だ。BMW iX3やジャガーIペイスといった、セグメント上のモデルよりお手頃ではあるものの、少々強気に出すぎたのではないだろうか。
ジェネシスGV60 プレミアム(欧州仕様)のスペック
英国価格:6万835ポンド(約973万円/試乗車)
全長:4515mm
全幅:1890mm
全高:1580mm
最高速度:185km/h
0-100km/h加速:7.8秒
航続距離:516km
電費:5.7km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1975kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:76.0kWh
急速充電能力:260kW(DC)
最高出力:229ps
最大トルク:35.6kg-m
ギアボックス:−
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