2024年FIA F2第11戦の舞台はイタリアのモンツァ・サーキット。シリーズ中、最も平均速度が高い超高速レイアウトであり、ストレートスピードを上げるべくダウンフォース量を減らしての走行となるため、ブレーキングやコーナーリングが難しいコースだ。
日本にはこのようなタイプのサーキットはなく、モンツァを初めて走る宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)にとっては、今年これまでレースをしてきた初コースのなかでも一層難しいコースとなった。
【ポイントランキング】2024年FIA F2第11戦モンツァ終了時点/混戦を経て上位勢のポイント差が縮まる
「ダウンフォースを削った状態で、コーナーも速く走らなければならないので、意外とテクニカルなコースだという印象です。ブレーキングでリヤの安定感が失われやすく、それをメカニカルなセットアップとドライビングでどう補い、まとめるのかが難しいです。自信を持ってブレーキングできないとタイムは出ません」
走り始めのフリー走行では1分32秒705をマークし、トップから0.320秒差の4番手と好位置につけた宮田。しかし、モンツァの難しさは、より限界を高めて行う予選で宮田を苦しめた。
「今回はフリー走行よりも予選の方が難しく感じました。オプションタイヤ(スーパーソフト)でのグリップの限界を見極めるが難しかったです。フリー走行と同じようなアタックができていれば、予選はトップ10には行けていたと思いますが、攻めすぎたり、攻めきれなかったりして、オプションタイヤの限界をつかめきれませんでした。また途中で赤旗が出たことも、リズムを掴む上で難しい予選となりました」
また、決勝結果を大きく左右する予選の難しさについて、宮田はレースウイーク終了後の取材会で経験値の重要性を話した。
「スーパーソフトに限らず予選は難しいです。レースのたびにタイヤのコンパウンドが変わりますし、(フリー走行でのプライムの走りを経てオプションタイヤに履き替えた)予選でどこまで行けるのかという点も、そこは経験を積むしかないと思います」
「チームメイトのゼイン(マローニ/ザウバー育成でFIA F2フル参戦2年目)も去年の予選は20番手でしたが、今年はポールポジションです。やはり、1年経験するとそこまで変わることは間違いないです」
宮田の予選タイムは1分32秒896となりポールポジションのマローニから0.736秒差、フリー走行で自らが記録した最速タイムよりも0.191秒出遅れ17番手となった。
翌日に行われたスプリントレースでは、スタート直後のターン1手前、宮田の目前で新人オリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ/レッドブル育成)とザク・オサリバン(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)が絡み、ゲーテが混雑するホームストレート上でスピンを喫した。
幸い宮田はアクシデントに巻き込まれることなく、レースを続行することが叶った。しかし、途中でストレートスピードが落ちるという症状に見舞われて、前を追うことができないまま13位でフィニッシュとなった。
「トップスピードが足りずにオーバーテイクが難しいレースとなりました」
超高速コースのモンツァで、宮田は1年目のピレリタイヤの限界とストレートスピードに苦しんでいた。
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みんなのコメント
そもそもフリー走行のタイムよりも0.2秒近く遅く、ポールタイムから0.7秒遅いのは致命的な遅さ。これは単に経験不足で言い訳できるタイム差では無い。
100歩譲って経験の差もあるとするなら、毎年国内の同じサーキットしか走らないSFやGTに出て居るだけではF1どころかF2でも勝負には成らないという証でもある。