2022年11月の乗用車全体(軽自動車を含む)の販売台数は30万8,059台、前年比の伸び幅は先月より鈍ったものの105.6%を確保しました。国産9ブランドのうち三菱(138.3%)、ダイハツ(115.4%)、マツダ(112.5%)、スズキ(111.1%)が2桁の伸び、一方でトヨタ(93.0%)とレクサス(82.0%)は前年を割っています。
軽自動車を除く11月の新車販売ランキングでは、トヨタヤリスが首位をキープしTOP10も7台がトヨタ車でしたが、2位の日産ノート、7位のホンダヴェゼル、9位のホンダフィットが存在感を示しています。軽自動車(乗用車)は、1位ホンダN-BOX、2位ダイハツタントは変わらず、新型キャンバス効果のダイハツムーヴが3位にランクインしています。
【2022年最新版】カーリースのメリット・デメリットを徹底解説!
今回も自動車評論家の島崎七生人さんに詳しく解説をしてもらいましょう。
国産乗用車販売台数 2022年11月(軽自動車を除く)
順位 車名 ブランド名 台数 前年比
1 ヤリス トヨタ 12,944 108.4
2 ノート 日産 10,973 116.6
3 カローラ トヨタ 10,178 74.7
4 シエンタ トヨタ 10,167 267.0
5 アクア トヨタ 8,808 121.5
6 ルーミー トヨタ 8,390 72.0
7 ヴェゼル ホンダ 5,653 105.1
8 ライズ トヨタ 5,589 89.9
9 フィット ホンダ 5,471 90.1
10 アルファード トヨタ 5,358 98.8
11 ステップワゴン ホンダ 5,327 182.7
12 フリード ホンダ 5,118 100.1
13 ノア トヨタ 5,080 130.7
14 ヴォクシー トヨタ 4,954 73.8
15 ソリオ スズキ 4,329 150.3
16 セレナ 日産 3,648 113.3
17 ランドクルーザーW トヨタ 3,011 114.1
18 プリウス トヨタ 2,961 72.4
19 パッソ トヨタ 2,764 90.5
20 フォレスター SUBARU 2,417 60.8
21 ZR-V ホンダ 2,357
22 インプレッサ SUBARU 2,257 139.8
23 RAV4 トヨタ 2,193 48.6
24 クラウン トヨタ 2,062 127.4
25 ジムニーW スズキ 2,036 172.3
26 ロッキー ダイハツ 1,946 53.8
27 エクストレイル 日産 1,928 305.5
28 スイフト スズキ 1,814 65.7
29 ハリアー トヨタ 1,809 60.5
30 MAZDA2 マツダ 1,668 63.7
31 デリカD5 三菱 1,604 193.3
32 CX-5 マツダ 1,520 500.0
33 CX-60 マツダ 1,405 22年9月発売
34 CX-30 マツダ 1,306 93.8
35 トール ダイハツ 1,269 90.4
36 シビック ホンダ 1,146 122.8
37 クロスビー スズキ 1,141 139.1
38 MAZDA3 マツダ 1,105 102.4
39 レヴォーグ SUBARU 1,049 96.7
40 キックス 日産 1,010 52.5
41 CX-3 マツダ 896 367.2
42 マーチ 日産 884 159.6
43 ハイエースW トヨタ 835 137.8
44 アウトランダー 三菱 822 1040.5
45 リーフ 日産 736 63.3
46 レガシィ SUBARU 678
47 C-HR トヨタ 665 51.6
48 NX350H レクサス 665 309.3
49 GR86 トヨタ 581 65.5
50 シャトル ホンダ 475 51.4
※ 上記の台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含みます。
※ 例:ブランド通称名 カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含んでいます。
※ 前年比欄について、前年の台数がない場合や、前年比の桁数が5桁を超える場合は空白で表示しています。
価格改定、部品不足の中、かろうじて30万台超え
このところ世の中は何もかもが値上げラッシュだ。自動車業界も例外ではなく、ここにきてさらに各社から続々と“価格改定”の知らせが届くようになった。パンデミックやウクライナへの軍事侵攻と、それらに端を発した原材料や部品の不足、値上がり、輸送の遅れやコストアップ、さらには急激な円高……。先が見通せないことがとにかく苦しいところではある。
そんな中で11月の販売台数は30万8,059台と、10月(29万5,809台)と較べると前年比は105.6%(10月は128.3%だった)と勢いを鈍化させたものの、台数ではかろうじて30万台超えとなった。ブランドで見るとトヨタとレクサスが前年比を割り込んだ形で、そのほかの7メーカーは、三菱(138.3%)を筆頭に、前年比としてはプラスを維持している。
ヴェゼルとフィットが10位圏内に
11月の販売台数のうちの上位10車をみると、1位のヤリスのみ順位が変わらず、残りは3車の入れ替わりを含めて変化が大きかった。
11月の集計で10位以内に食い込んできたのは7位のホンダヴェゼル(11月・14位)、9位のフィット(同・11位)、そしてトヨタアルファード(同・12位)の3車。販売台数はいずれも11月より増やしており、とくにヴェゼルは10月の17位からステップアップを果たし、同時に台数もジワジワと伸ばしている。
同じホンダのフィットも10月の16位からヴェゼルと同じように、ここにきて順位と台数を伸ばしている。両者とも機構的な共通部分は多く、これは想像だが部品の供給、調達が上手くいった(または他車種よりも優先順位が高められた)のかもしれない。
来年4月の発売予定のZR-Vが21位に入った理由
ちなみに21位に入ったホンダZR-Vだが、来年4月の発売予定のクルマながら2,357台がカウントされている。これはZR-VのLPL(開発責任者)の話によれば、ディーラーへの試乗車はすでに配備しているとのことで、その台数だと思われる。
ステップワゴンとノートの健闘も目立つ
10位圏内の話に戻せば、11月に圏外に落ちたのは12位のホンダフリード(10月は10位)、トヨタノア(同・8位)、ヴォクシー(同・7位)の3車種。とくにノアとヴォクシーは台数を見ると10月に対し、ともに2,000台以上数字を減らした。ライバル車を見ると日産セレナはモデルチェンジのタイミングと重なり台数を落としているが、ホンダステップワゴンが、10月の3,075台(17位)から、11月は5,327台に2,000台以上台数を伸ばし、順位も10位目前の11位につけた。生産、納車の都合だけでなく、TV-CM等の効果で、ノア/ヴォクシーのユーザーがステップワゴンに流れたのかも知れない。
ほか10月の6位から2位にランクを上げた日産ノートも、ここにきて台数を伸ばしている(10月=7,603台、11月=1万973台)。
タイプR効果も?シビックが前月比倍増
そのほか11月に台数を伸ばした車種には、トヨタランドクルーザーW(10月→11月=22位→17位、2,294台→3011台)、スバルフォレスター(同・28位→20位、1,745台→2,417台)、トヨタハリアー(同・41位→29位、876台→1,809台)、ホンダシビック(同・45位→36位、608台→1,146台)などがある。シビックは台数で言えばほぼ倍増だ。
10月に50位圏内から消えたPHEVの三菱アウトランダー(44位)、EVの日産リーフ(45位)の返り咲きも見逃せない。10月に50位だった日産マーチは若干だけ台数を増やし(524台→884台)、42位に踏みとどまったが、同車はすでに生産中止となっており最後の一花を咲かせた格好。新型が発表されたトヨタプリウスは10月からひとつ順位を上げ(19位~18位)、台数も2,593台から2,961台に増やしている。
軽乗用車販売台数 2022年11月
車名 ブランド名 台数 前年比
1 N-BOX ホンダ 17,474 112.86
2 タント ダイハツ 14,998 138.58
3 ムーヴ ダイハツ 10,639 177.94
4 スペーシア スズキ 10,290 95.37
5 ワゴンR スズキ 7,865 108.23
6 ハスラー スズキ 6,861 142.58
7 ミラ ダイハツ 5,933 109.95
8 アルト スズキ 5,908 142.02
9 ルークス 日産 5,594 75.46
10 タフト ダイハツ 5,215 92.91
11 N-WGN ホンダ 4,058 112.75
12 サクラ 日産 3,497 22年6月発売
13 ジムニー スズキ 3,071 66.015
14 デイズ 日産 2,197 56.80
15 eK 三菱 2,044 107.24
※ 車名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ワゴンR、ミラ、ムーヴ、eK、ピクシスなど)
驚異的なN-BOXの独走ぶり
11月の軽自動車は、ランキングで見ると1位から5位までの顔ぶれは10月とは不変だった。1位は相変わらずホンダN-BOXで台数は1万7,474台と、乗用車全体で見てもヤリスに対し4,500台以上の差をつけている。まったく驚異的というほかない。2位のダイハツタント、3位のムーヴ、4位のスズキスペーシア、5位のワゴンRについては、スペーシアまでが1万台超の台数をカウントし、スーパーハイトワゴン系の強さをみせつけている。
ミラとアルトが25台差の大接戦
スズキハスラーとダイハツタフトは、相変わらずハスラーの方が優勢で、11月もハスラーの6位(6,861台)に対してタフトは10位(5,215台)。ライバル車ということではダイハツミラ(7位/5,933台)、スズキアルト(8位/5,908台)が、台数ではその差僅か25台(!)と接戦の様相。一方でEVのサクラは10月の15位から11月は12位にジワリと順位を上げ、台数については10月の1,880台から3,497台へと大きく伸ばした。対して三菱eKについては10月(2,039台)と11月(2,044台)の台数がほとんど変わらないのが気にかかるところだ。
N-WGNが復調、N-ONEは気がかり
気にかかるといえば1位のN-BOX以外のホンダのNシリーズだが、N-WGNが10月の13位から11月には11位に順位を上げ、台数も2,305台から4,058台に増やした。商品改良の効果なのだろう。もう1台のN-ONEだが、毎回15位圏内では車名にお目にかかることができず、台数も10月1,376台、11月1,226台と今ひとつ。よもや生産中止などといった憂き目にあわないことを願いたいのだが……。
※記事の内容は2022年12月時点の情報で制作しています。
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みんなのコメント
ヤリス兄弟とカローラ兄弟はクロスと分けて半々でしょ?