2020年度はコロナウイルス感染症拡大により中止となり、2年ぶりに開催された鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-Formula)は11月25日に最終日を迎え、東京都・新渡戸文化高等学校1年生の荒尾創大が主席で、愛知県・名古屋経済大学市邨高等学校1年生の野村勇斗が次席でスカラシップを獲得した。
3月にスタートしたSRS-Formulaアドバンスを経て、7月に選出された6名がスカラシップ選考会に進出。そして11月25日にスクール最終日を迎え、スカラシップ獲得者が発表された。
この日は午前に練習走行、予選形式の計測走行、レース形式の第1ヒート、第2ヒートが行なわれた。6名の受講生に加え、SRS卒業生でスーパーフォーミュラチャンピオンの野尻智紀と、同じくスーパーフォーミュラドライバーの大津弘樹が走行に参加。また佐藤琢磨Principal(校長)、中野信治Vice Principal(副校長)らも立ち会い、受講生にアドバイスを行なった。
■新生SRS生が見せた驚異の伸び率。佐藤琢磨“校長”の哲学が世界への道を拓く?
計測走行では受講生の荒尾創大がトップタイムを記録、同じく受講生の野村勇斗が2番手と、3番手につけた野尻講師を上回る成績を記録。第1ヒート(10周)では5番グリッドの大津講師がスタートでトップに立って逃げ切ったが、野村勇斗が野尻講師の追撃を振り切り2位でフィニッシュし、荒尾創大が3位の野尻講師と僅差の4位でフィニッシュした。第2ヒート(10周)もスタートを決めた大津講師が逃げ切る展開となったが、荒尾創大がトップと1.7秒差の2位、野村勇斗は受講生の三島優輝にスタートで抜かれたものの、最後まで食らいつき4位でフィニッシュした。
午後に受講生、講師陣、父兄が集まる中、佐藤琢磨校長がスカラシップ獲得者を発表。主席に荒尾創大、次席に野村勇斗が選ばれた。
佐藤琢磨校長は受講生に向け「本当に実力が伯仲する中で選出するのに苦労した。レベルの高い6名だった。選ばれなかった人はこの悔しさをバネにして頑張ってほしい。選ばれた2人も講師が自分より速かったのはなぜかを考え、頑張ってほしい」とエールを送った。
主席の荒尾創大は「講師に置いて行かれたので全然納得できる走りではなかった。でもスカラシップに選ばれたので夢のF1に向け、1年1年確実に階段を登っていきたい」とコメント。
野村勇斗は「主席ではなく力不足を痛感した。来年からは出るレースすべて勝つつもりで、F1への夢に向けて、ひとつひとつ上がっていきたい」と、次席だったことへの悔しさに涙を浮かべながら語った。
スカラシップに選ばれた2名は2022年、ホンダの育成ドライバーとしてレースへ参戦することが予定されている。
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